ウサギのペン

2020年5月21日

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夜更けの駅のホーム。鼻息の荒い彼。
そう、彼はウサギ君。
こうして鼻の穴を見せながらのけぞっていられるのも、今のうち。
私は彼にこう言った。
「おい、君、もう終電だよ」
すると彼は鼻の穴を膨らませながら私にこう言った。
「をい、俺を誰だと思ってるんだい。俺はウサギだよ。一万里先にだって、ひょいと跳んでゆけるのさ」
一万里だって?ただのウサギがそんなに遠くへゆけるものか。
私は虚を衝かれ、彼を上から下まで見渡した。
意外なことに、彼はこういう姿をしていた。
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そう。彼は、ペンだった。ウサギの形をした、ペンだった。
そのとき、私は全てを悟った。彼の言うところを、理解した。
彼は、ペンだ。
たとえそれが一万里先だろうと、ひょいと跳んでゆけるに違いない。
彼の足先がちょいと紙面に走れば、その言霊は、
何万里先だろうと、跳んでゆくに違いない。
私の想像を超えて、跳んでゆくに違いない。
私の知らない誰かの、希望にこたえるために、跳んでゆくに、違いない。
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