コロナ禍は変化対応のリトマス紙でありガラパゴス化の端緒 | 山本一郎氏の「謎マナー」批判記事に寄せて

さて、今年の7月頃、コロナ禍におけるテレワークやZoomマナーについて解説した記事を公開しました。

ちょうどその頃世の中の至る所でZoom会議にて「役職者を上に表示すべし」「目上より先に退出してはならない」といった「謎マナー」が横行していた訳ですが、いずれも形式的に過ぎているきらいがありました。

そこで日々Zoom会議の現場で様々な問題に目の当たりにしている筆者が、より現場目線での本質的なマナーとサバイバル術を世に提案したという訳です。

現場の実体験から学ぶ!ZOOM会議で本当に必要なマナーとスキル4選
テレワークがより普及するにつれZOOM会議に関する様々な斬新過ぎるマナーが生まれています。しかし「目上の方より先にログアウトしてはならない」等と言われても困ってしまいます。現場で実際に発生している「間違えてAmazonの買い物の画面を共有してしまった!」などのもっとしょうもない問題について、マナーと対処法をご紹介します!

その様な中ついに本日、著作家でブロガーの山本一郎氏におかれても上記の様な謎マナーに対する批判を露わにした記事を文春オンラインに寄稿しています。

「馬鹿なのかな?」下っ端から順番にウェブ会議にログインしてエライ人を“お迎え” | 文春オンライン
みなさん、「DX」の時代ですよ!最初に見たときはマツコ・デラックスのことかと思いましたが、正確には「デジタルトランス・フォーメーション」の略でありまして、要するに「お前らちゃんとネット使って仕事しろよ…

さて、この記事の冒頭の「デジタルトランスフォーメーション」という単語こそ新しいものの(よく言われるのは「デジタルトランスフォーメーション」なのですが)、この手の話は特段新しい訳では無く、既にかまびすしい議論を呼びながら数か月が経過している訳ですが、実は筆者としては

「本当にこのようなネタの様な謎マナーや社内慣行が行われているのだろうか」

という疑問を持っていたのです。筆者とて日系企業に勤務するサラリーマンですが、何しろこうした記事以外で筆者の周りで実際に横行しているという話を聞いたことが無かったからです。

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コロナ禍は企業の変化対応文化に関するリトマス試験紙だった

そうした素朴な疑問を呟いてみたところ、何と当の山本一郎氏ご本人から貴重なリプライを頂くことが出来ました。

この氏のツイートを拝読するに、やはり実際にそのような事が行われているという事実があるようなのです(さすがに事実だからそういう記事を書いてるんだろうとは思うけど)。

この山本氏のツイートは実にオカルト的に不思議な点が多いのですがそれは後で触れるとして、この後筆者からのリプライに対して更に次のようなリプライを頂いています。

つまり、こうした状況でも仕事の進め方を変えるのを躊躇う文化が、氏が接している様な企業においても少なくないという事のようです。

一方、例えば筆者の勤務する企業においては可能な範囲において押印の廃止や通勤費支給の廃止など割と柔軟に仕事の仕方を変えています。

もちろん、職種や業種によっては難しいものもありますし、それは筆者の会社でも同様ですが、基本的には出来るところからwithコロナ時代の働き方に変えていこうという方向性自体を否定する空気はありません。

これは、現実問題としてテクニカルに「変えられるか変えられないか」という問題の前に、「変えようとする文化かどうか、あるいは変えようとする声を上げやすい文化かどうか」が問われている状況と言えます。

つまり、コロナ禍はそうした変化対応に対する企業文化を浮き彫りにしたリトマス試験紙の役割を果たしたと言えるのではないでしょうか。

TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (61mm, f/2.8, 1/640 sec, ISO100)

コロナ禍のガラパゴス化助長の側面について

さて、もう一つの「ガラパゴス化」というのはどういうことか、というお話です。

ところで、ここで山本氏は何故か「貴殿は『経営陣と打ち合わせるような仕事』をしていないためではないか」という非常に高尚な推論を披露します。

まず、筆者が「周囲でそのような謎マナーを見かけない」理由があまた考えられる中から、何故山本氏は「経営陣と打ち合わせるような仕事をしているか否か」というピンポイントの要因に絞ることが出来たのでしょうか。「自分の付き合いのある企業や業界ではたまたま当てはまるが、相手の周囲ではそうではない」という平凡な発想は浮かばなかったのでしょうか。

また、「自分は(経営陣と打ち合わせるような仕事を)しているが貴殿はしていない」という上からマウント目線斬新な対人スタンスの取り方はどこから生まれるのでしょうか。

それらの超能力的な現象に戸惑いつつも、一方で筆者はその洞察の鋭さに実に驚きました。なんと上の山本氏の一見非論理的に見える推論はある程度的を射ていたのです。実は氏の推測の通り筆者は「日本国内の経営陣」とはあまりミーティングをしておらず、どちらかというと「海外企業の経営陣」とミーティングをする仕事がメインであるため、文脈から恐らく日本企業を想定していたであろう山本氏の立場からすればご明察と言う他ありません。

これは驚くべき論理展開ですが、こればかりは著名なブロガーであり著作家である氏のこと、凡人には理解しえない領域なのでしょうし、本記事の本論ではないのでこのくらいにしておきましょう。

 

さて本論に戻ります。

このように筆者が日本企業の上層部のZoomミーティングなどのマナーやお作法に疎いというのは、上の氏に対する筆者のリプライの通り事実であり、さらに言えば、これもリプライの中で触れていますが、コロナ禍のテレワークでは業務上必要なミーティング以外の社内での雑談や、社外の友人知人とのコミュニケーションの機会(まあ飲み会ですが)も大幅に減ってしまいました。それはそれで純粋にミッションと成果を追求するという意味では効率的なのですが、自分の範疇外の情報と言うものが極めて制限される状況となっているのもまた事実です。

つまり一種のガラパゴス化というのはそういう事であり、上記の通り筆者がZoomに関する謎マナーや謎作法の他部署、他社での横行具合について知る機会が得られない一つの要因にもなったと言えるでしょう。

これは恐らく筆者に限った事象ではなく、おそらく世界の至る所で起きている事象でしょう。例えば先ほど筆者が申し上げた海外企業のメンバーとのコミュニケーションについても、その機会は業務上のZoom会議などに限られており、雑談的なやり取りというのは(たまに仲の良い社員とは業務外のWhatsappなどもやり取りしますが)大きく減ってしまっているのが現状です。やはり顔を合わせてのランチや宴会などの機会と言うのは、特に筆者が担当するアジアの場合非公式な情報を得るのに相当貢献してくれるものです。

さいごに:withコロナ様式は新たなフェーズへ

この未曽有の状況を各企業、各個人が五里霧中でもがきながらも、2020年は暮れようとしています。

しかし来年以降、上で触れた様な新たな課題が中長期的には重要になって来るかも知れません。

例えば多くの企業が変化に十分対応出来なければ、テレワークを始めとした新しい仕事の仕方で効率よく運営することが出来ず、経済活動が停滞してしまうリスクとなります。また、テレワークなどが出来る業種や職種にも関わらず不必要な出勤を行う企業が増えれば、感染の収束にも影響が出ます。

一方ガラパゴス化については、情報の分断とも言い換える事が出来ます。例えば禁煙に関してよく「昔はタバコ部屋での情報交換で結構大事な話を聞けたりしたけど今は他の部署の事は良く分からないよね」なんて言う話がありますが、そうした状況がコロナ禍により更に加速するリスクがあります。これもまた企業活動の非活性化に繋がり兼ねない弊害です。

2021年はこうした新たな課題に対する次のステップに踏み出す事が求められるのかも知れません。

E-M1 Mark II LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.

OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH. (25mm, f/1.4, 1/250 sec, ISO200)
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