ブログ繋がりのnaoggioさんから先日お借りしたレンズを試してみました。
Wollensakというかつてアメリカに存在した映像機器メーカーのCine Raptar 1inch F1.9というレンズです。
「存在した」というのがいつ頃かと調べてみると、1899年創業、1972年に廃業ということで、このレンズが生産されてから少なくとも50年以上は経っていそうです。
400円くらいのマウントアダプターを調達し、E-M1 Mark IIに装着してみた姿がこちら↓
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/30 sec, ISO500)
なかなか可愛らしい出で立ちです。
見ての通り、本来のM4/3のレンズマウントよりもかなり径が小さくなっています。このレンズはCマウントと言って、16mmフィルムのシネマ用レンズで、M4/3よりもイメージサークルが小さいそうです。
なので、M4/3カメラで撮ると本来16mmフィルムでは使われない周辺部も使って撮影することになるため、写真の周辺部にケラレや周辺減光が現れたり「グルグルボケ」と呼ばれる面白い現象が見られるとのこと。
「シネレンズ=グルグルボケ」という漠然としたイメージがありましたが、そういうことなのですね(全然知りませんでした)。
さて、そんなシネラプターさんを装着して近所を散策してみました。
OLYMPUS E-M1MarkII, Wollensak Cine Raptar 1inch F1.9 (0mm, f/0, 1/2000 sec, ISO200)
OLYMPUS E-M1MarkII, Wollensak Cine Raptar 1inch F1.9 (0mm, f/0, 1/400 sec, ISO200)
OLYMPUS E-M1MarkII, Wollensak Cine Raptar 1inch F1.9 (0mm, f/0, 1/1000 sec, ISO200)
OLYMPUS E-M1MarkII, Wollensak Cine Raptar 1inch F1.9 (0mm, f/0, 1/200 sec, ISO200)
グルグルしてますね。
中央部は意外と普通というか、オールドニッコールなんかと似た感じで、ゆるいけど芯はある、と言った感じしょうか。
(開放以外で撮るのを忘れました・・・)
さて、撮っていて、おかしいな、と感じたことがありました。3〜4m以上離れるとピントが合わないんですよ。
調べてみたら、マウントアダプターでCマウントレンズを使うと、無限遠が出なかったり、オーバーインフ(∞マークより手前で無限遠が出る:この言葉も初めて知りました)になったりすることがあるようです。まあねじ込み式だし、レンズ自体も古いものが多いので、今ほど厳密にフランジバックが決まらないのでしょうね。
そう言えばよく見たら、下の写真のようにマウント部よりカメラの内側にめり込むようにオフセットされています。Cマウントってただでさえフランジバックの短いM4/3よりも更に短いのですね。なんともまあマニアック。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/35 sec, ISO400)
ということで、色々初めて知ることの多いシネレンズ、なかなか奥深そうな世界をまた一つ知ってしまいました。
ん?何やら湿気を含んだ空気が付近を漂ってきた気がしますよ。
このへんに沼なんてありましたっけ・・・?
コメント
お楽しみ頂けているようで何よりです。
撮影者が違うと写真もまた変わった雰囲気を纏うので不思議ですね。
やはりファインダーを通して覗く景色にも個性が反映されるのですね。
シネラプターですが比較的イメージサークルが広いのでフードを外せばケラレは出ないと思います。
naoggioさん、こんばんは。
お陰様でまた面白い世界を一つ知ることが出来ました。
確かに、このような特徴的な絵が出るレンズだと、より個人個人の趣向が表れやすいのかも知れませんね。
ん?フード?と思ってみてたら、なるほど、ねじ込み式のフードが付いていたのですね。
気づきませんでした(笑)