こんにちは。iPhone 12 ProからiPhone 15 Proに乗り換えて2ヶ月弱が経とうとしている10max(@10max)です。
まあまあ想像以上に、とんでもなく素晴らしい買い物でした(主にカメラとして)。

筆者はフルサイズデジタルミラーレス一眼のソニーα7Cをメインカメラとして使っていますが、従来のiPhone 12 Proの時代にはやはり「本当はデジイチで撮りたいけど今日持って来てないし・・・」という妥協感は拭えませんでした。
それがiPhone 15 Proになり、ケースによっては安心してデジイチの代わりとして使えるな、と感じています(実はそれだけでなく、場合によってはデジイチの出番を奪うケースも・・・それはまた別記事で詳しく)。
それによって、長年筆者を悩ませ続けてきたとある問題が美しくも払拭され、筆者の写活的QOLが爆発的に上がったのです。
本記事では、その辺の爆上がり具合を、iPhone 15 Proのカメラ性能のレビューと共にご紹介したいと思います。
OLYMPUS E-M1MarkII, OLYMPUS DIGITAL CAMERA (25mm, f/3.5, 1/60 sec, ISO1600)
iPhone 15 Proのカメラ性能の作例と総評
一言で言えば、素晴らしいです。
冒頭で申し上げた通り、場合によってはデジイチの代わりを任せても問題ないほどの絵を出してくれます。以下、作例も交えながら独断と偏見のレビューになります。リンゴでも齧りながら御覧ください。
広角・風景はかなり自然な描写に
風景撮りは、iPhone 15 Proになって本当に自然な描写になりました。iPhone 12 Proも当初はその画質に感動しましたが、やはりデジイチに比べると線が硬く、明暗もHDRなどで無理にダイナミックレンジを広げている感が拭えませんでした。
しかしiPhone 15 Proの、4800万画素とクワッドピクセルを併用した常用2400万画素出力の威力はやはりテキメンで、自然な精細さとダイナミックレンジを獲得したように思います。その辺り含めたiPhone 15シリーズのカメラ性能の進化ポイントについては下記記事を御覧ください。

では実写作例です。
下の3枚は、iPhone 15 Proの超広角レンズ(フルサイズ換算13mm)、広角レンズ(同24mm)、望遠レンズ(同77mm)で撮影した、ホーチミン市のビル群と空です。
1枚目は13mm相当の超広角レンズによる写真。このレンズは1200万画素と画素数自体は変わっていませんが、センサーの進化と処理能力の向上等により、難しい光ですが非常に自然な画になっており、細部の描写も良好です。本気モードの2400万画素出力ではありませんが、これだけでもデジイチの写真と並べられてパッと見分けるのは相当難しいでしょう。
そして下が4800万画素とクワッドピクセルセンサー技術を駆使した2400万画素出力の本気画像。木々の葉の1枚1枚や奥の方のビル群の看板の文字まで繊細に描写しており、空の雲の明暗もなだらかでダイナミックレンジの大きさを感じます。
この手の風景写真においては、素人にはもうデジイチとの差を見出すのはほぼ無理なんじゃあないでしょうか。
こちらは77mm望遠レンズで撮影。1200万画素出力ですが、約8km先のビテクスコ・フィナンシャルタワーの辺りの高層ビル群の壁面の素材感までくっきりと写っています。大気汚染の霞んだ空気感も伝わってきます。手前の道路や街路樹の枝葉の描写も破綻なく自然な写りです。望遠レンズも、作品的なボケ表現などをあまり気にしなければ、記録用としては十分優秀です。
なお、いずれの写真もLightroomで若干暗部を持ち上げたりハイライトを下げたりしていますが、加工耐性もiPhone 12 Proと比べて格段に余裕を感じます。
換算13mmの超広角や24mmの広角は、旅先で非常に便利です。こちらはメコン川の広大さを超広角で切り取った一枚。
Apple iPhone 15 Pro, (2.22mm, f/2.2, 1/2800 sec, ISO40)
通勤時やちょっとした外出時の風景を収めるだけなら、常にカバンにデジイチを入れて出かけるかどうかで迷う必要はもう無いのかも、と思うようになりました。
Apple iPhone 15 Pro, (6.86mm, f/1.8, 1/1600 sec, ISO64)
夜景も大分やるようになった
小さい撮像センサーにとって最も苦手な夜景ですが、iPhone 15 Proになって、かなりいい画を出すようになりました。
こちらは夜のハノイ大聖堂。この写真にはかなりハッとさせられましたね。これまで夜間撮影は、どうしても細部ののっぺり感が目立っていましたが、なんのなんの、iPhone 15 Proは大聖堂の壁の質感や時計、マリア像の細部、周りの木々の葉っぱまで見事に写しきっています。
Apple iPhone 15 Pro, (6.86mm, f/1.8, 1/25 sec, ISO1000)
こちらはハノイのストリートでのスナップ。さすがに人の顔などの細部ではややディデールが失われていますが、デジイチでも結構苦労するこのような暗いシーンでも木の葉や枝の質感なども写し出しており、十分使えると言えます。
Apple iPhone 15 Pro, (6.86mm, f/1.8, 1/25 sec, ISO500)
防水カメラとして非常に尊い
これだけよく風景を写してくれるiPhone 15 Proなので、川や海などでの防水カメラとしてもめちゃくちゃ活躍してくれます。
筆者が持っているデジイチの1つ、OM-D E-M1 IIの防滴性能は非常に信頼のおけるものではありますが、それでもカヤックに乗るような際には陸に置いて行くかどうかで毎回悩みます。しかしiPhone 15 Proでここまで撮れるならもう迷うことはありません。
Apple iPhone 15 Pro, (2.22mm, f/2.2, 1/800 sec, ISO40)
テーブルフォトが非常にいい
iPhone 15 Proによって、テーブルフォト的QOLは目に見えて爆上がりしました。
現在赴任中のベトナムでのローカルフードや旅先での食事を撮影する機会がとても多いのですが、やはりこれまでは画質がやや硬く、またボケないため、どうしても記録写真的になってしまっていました。なので出来ることであればデジイチを持ち出したいという感じでした。
しかし、iPhone 15 Proは基本画質に余裕が出来ただけでなく、従来「ポートレート」モードとして搭載されていた被写界深度コントロール(人工的なボケの追加)機能が大幅に進化して使いやすくなり、これによってテーブルフォトの映えが爆発的に向上しました。
例えばこの写真。これでも十分良い写りなのですが、
Apple iPhone 15 Pro, (6.86mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO250)
こうしてボケを加えることで手前の料理が浮き立ち、ガツンと印象的になりますよね。
実は、ボケを人工的に追加出来る事もすごいのですが、筆者最も感動しているのは、ボケの量を撮影後に変更できる機能。従来上の様なシーンをデジイチで撮影する際にいつも悩んでいたのが、「どのくらいボカすか(=F値をどうするか)」。手前の料理を浮き立たせれば印象的になるけど、でも後ろの料理や店内の様子とかも見せたいよね、的なところでいつも迷うのです。で、同じアングルでF値を変えて2枚撮ったりするのですが、これが面倒で・・・。
この悩みが、iPhone 15 Proの登場で解決されました。それどころか、別の悩みとして、シーンによってはデジイチの出番まで奪われ兼ねない状況になりつつあるんですよね。。。
このあたりの話は別途詳しく記事にする予定です。 iPhone 15シリーズのボケ量調整・ピント位置変更機能の詳しいレビュー記事をアップしました。

さて話は戻りまして、例えば店内の様子も、背景をボカす事でぐっと雰囲気が増します。この距離感でここまでボカすのって、フルサイズでもそれなりに明るいレンズじゃないと出来ません。
ボケの追加における被写体の認識精度も大分改善され、このような細長い物体を、しかも前ボケで、という中々難しいシーンでも違和感なくボケを表現出来るようになりました。
風景での人工ボケ追加は、たまにやらかすが大分自然に
このボケ追加機能はもちろん風景でも使えます。例えばこちらの、奥にビテクスコ・フィナンシャルタワーを配したストリートスナップ。
Apple iPhone 15 Pro, (6.86mm, f/1.8, 1/3000 sec, ISO64)
iPhone 15 Proでボケを追加するとこんな感じで立体感と表情が増します。
細かく見ると完全に違和感が無いわけではありませんが、AIやLiDARセンサーなどの進化のためか、被写体の距離認識がかなり精緻になり、中々自然な感じです。
こちらも同様。まずはオリジナル。
Apple iPhone 15 Pro, (9mm, f/2.8, 1/430 sec, ISO25)
背景をボカしてみました。花や葉の形状が複雑ですが、中々よく処理されています。
こちらも複雑な形状ですが、かなり頑張っていますね。そもそも何の写真だよ、という感じですが。
ただ、このボケ追加機能はまだまだ手放しで信頼できる訳ではありません。
こちらは、ベトナム餅米焼酎のボトルですが、瓶の肩辺りの境界が不自然になっています。暗い上に直線的過ぎて粗が出やすい状況なのかも知れません。
こちらの写真では、赤いポロシャツのおじさんにピントを合せて背景にボケを追加したのですが、
おじさんの首から上が背景になってしまいました。おじさんの紺色のキャップが前方の黒い車に引っ張られてしまったんですかね。
Apple iPhone 15 Pro, (9mm, f/2.8, 1/150 sec, ISO25)
また、連続的なボケ量の変化についてもまだ不自然さが残ります。例えばこの垣根?を写した写真。
Apple iPhone 15 Pro, (9mm, f/2.8, 1/430 sec, ISO25)
これに思いっきりボケを追加したのがこちら。デジイチならなだらかにボケ量が変化していくはずの状況ですが、iPhone 15 Proでは、あるところから急激にスパッとボケが始まるような感じになりました。
と言うことで、かなり進化したiPhone 15 Proのボケ追加機能ですが、まだ全幅の信頼をおけるという状況ではありません。風景写真などで少し中望遠域で被写体を引き寄せた自然なボケを表現したり、なだらかなボケ量の変化を表現したい際などは、やはりデジイチで撮るのが吉です。
iPhone 15 Proが写活的QOLを爆上げしてくれた
さて、iPhone 15 Proのカメラによる作例およびレビューはこんな感じですが、それらは筆者の写活面でのQOLに想像以上にプラスのインパクトを与えてくれました。大きく2点あります。
爆上げ①:iPhone 15 Proはデジイチ広角レンズの代わりになる
iPhone 15 Proはその性能と信頼性向上により、これまで長年筆者を悩ませ続けてきた「デジイチのレンズ選びに関するある問題」を解決してくれました。
標準ズームの「広角端足りない問題」について
筆者は以前よりα7Cの常用レンズとしてタムロンの大口径標準ズームを愛用しています。
最初に
- タムロン 28-75mm F/2.8 Di III RXD (A036)
を購入してその小型軽量さと写りの良さ、コスパに感動し、その後旅での機動力を重視して、
- タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (A071)
を追加購入しました。今はこのA071をもっぱら付けっ放しにしています。

OLYMPUS E-M1MarkII, OLYMPUS DIGITAL CAMERA (29mm, f/7.1, 1/15 sec, ISO6400)
α7C, タムロン28-200mm F/2.8-5.6 (Model A071), タムロン20mm F/2.8 (Model F050)
しかし、これらの名玉と呼ばれる標準ズームには共通の問題がありました。「広角端足りない問題」です。
これらの両レンズはあえて広角側を28mmに抑えているが故に、開放F2.8にも関わらず小型軽量&安価を実現しているのですが、広角端28mmでは、旅行などでの風景撮影や建物撮影において、絶妙にワイド側が狭いのです。例えば旅行中に頻繁に現れるこのような被写体を収めるには、28mmでは難しい。
SONY ILCE-7C, (20mm, f/8, 1/30 sec, ISO160)
それをカバーするために、超広角単焦点の
- タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)
を購入しました。これにて旅用レンズの組合せとしては一旦完成形を見たはずでした。

しかし、旅の中で(特に家族旅行時は)レンズを付け替えるというのはやはり煩わしく、24mmスタートのソニー純正標準レンズ、
- FE 24-105mm F4 G OSS (SEL24105)
を購入しようかどうか、ずっと悩んでいたのです。
デジイチ+iPhone 15 Pro(超広角担当)で死角無し
しかし上の通りのインプレッションを経て、以下のようなシーンは十分iPhone 15 Proに任せられるな、と思いました。
- 13〜24mmの超広角レンジ
- パンフォーカス中心の風景
- 日中帯など明るい状況
これにより、従来下記の1番と2番のオプションで悩んでいたのですが、今回登場した3番目の選択肢がこの問題を鮮やかに解決してくれる事になった訳です。
- タムロンの28mmスタート標準ズーム + 20mm超広角単焦点
- ソニーの24mmスタート標準ズーム
- タムロンの28mmスタート標準ズーム + iPhone 15 Pro (13mm〜)
実は上のお寺の様なシーンでは24mmでも厳しいので、ソニーSEL24105でも対応し切れません。なので、画角のカバーレンジとしては3番目の組合せが最強なのです。
もちろんソニー純正レンズにはAF性能など他のメリットもあるので、これはあくまでも画角カバーレンジに限った話です。
また、極端にダイナミックレンジの広いシーンや夜景などではデジイチには敵わないため、全てのケースにおいて最強と言う訳ではありせん。なので、今後も引き続き旅行などの際にはタムロン20mmを忍ばせておくことになるとは思います。なので実運用上はこうなるのでしょうね。
- タムロンの28mmスタート標準ズーム + iPhone 15 Pro (+いざって時のタムロン20mm)
しかし、多くのシーンでレンズを付け替えずに済むというのは、特にシャッターチャンスの制約が多い旅行などでは計り知れないメリットです。レンズ交換を避けるためにボディ2台持ちしてるカメラマンも居ますが、言わばiPhone 15 Proが広角専用の2台目ボディという訳です。
爆上げ②:旅食テーブルフォトはデジイチ不要に
2点目は非常にシンプルで、テーブルフォトをiPhone 15 Proにほぼ任せられるようになった、という話です。
上でも触れた通り、iPhone 15 Proの基本画質の向上&人工ボケ追加機能によりテーブルフォトのクオリティが大きく向上し、iPhoneのみでほぼカバーできるようになったため、これまでのように「今日ローカルベト飯屋行くけど、デジイチ持っていこうかな、どうしよっかな」と悩む必要が無くなりました。
作品として見るのであれば、上の通りボケ追加機能にはまだ改善の余地がありますが、旅先やベトナムのローカル飯などを紹介するに当たっては全然問題ありません。可能な限り美味しさが伝われば良いのです(多くの場合写真より現物の方がずっと美味しく見えるのだ)。
非常にシンプルですが、この悩みの解消は文字通り写活的QOLを爆発的に向上してくれました。
iPhone 15 Proを持ってアナザースカイを見に行こう
と、主に以上2点、つまり、ここが私のアナザースカイ・・・じゃない、なんだっけ。
そう、ここが筆者にとっての写活的QOL爆上がりポイントでした。
そこそこな投資をして導入したiPhone 15 Proですが、完全に投資を回収して余りある効果をもたらしてくれそうです(←これが言いたい)。
早くiPhone 15 Proを連れて旅に出たい!(盗まれんように気をつけよう!)
関連記事
さて、iPhone 15 Proが期待以上過ぎてデジイチのお株すら奪いかねない、というお話について、以下の記事で詳しくまとめたので、ご関心あればこちらもご覧下さい。

SONY ILCE-7C, (51mm, f/3.5, 1/60 sec, ISO2000)

コメント