ダイレクト感とスムーズさの中心でDSGとの付き合い方を叫ぶ | モッサリ感と「Sモード」のクラッチ接続特性など

以前、我が家の愛車パサオ君ことパサートオールトラックの数少ない気になるポイントとして「発進時のモッサリ感」について指摘しました。

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ここでは、本来非力なディーゼル機関をタービンが大いにブーストするまでのタイムラグという観点で考察しましたが、この記事の最後にも少し触れた通り、出だしのモッサリ感を解消する一つの方法として、DSGの変速プログラムを「Sモード」にする、と言うものがあります。

今回はこのSモードの動作の特性について詳しく見てみたいと思います。

※以下、2020年式B8型パサートオールトラックの湿式6速DSGでの動作・インプレッションを元に記述しています。

DSG SモードApple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/35 sec, ISO400)

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DSGの「Sモード」の動作・特性

パサートオールトラックに限らず、フォルクスワーゲンのDSGの自動変速には2つのモードがあります。

DSGの2つの自動変速モード
  • 通常の「Dモード」
  • スポーツ走行向けの「Sモード」

※その他に自分でシフトレバーやパドルシフトを使ってマニュアル的に変速する「Mモード」があります。

この「Sモード」ですが、筆者が知る限り/気付いた限り、「Dモード」と比較すると以下の2つの特性を実現する様にプログラムされているようです(一部筆者の推測を含みます)。

「Sモード」の特徴
  1. 「Dモード」よりも、より低いギアの守備範囲が広い(シフトアップ/ダウンのタイミングが違う)
  2. 1速でのクラッチの接続タイミングが早い

1番目はよくある話ですね。トルコンATでもよく「スポーツモード」的なものがありますが、基本的には同じ考え方で、加速時には低めのギアをキープすることで加速性能を上げ、減速時には早いタイミングでシフトダウンする事で再加速時の速度コントロールを容易にするためのシフトプログラムです。

こちらも走行中のモッサリ感を低減させ、ワインディングなどでの意のまま感を出すために一役買ってくれますが、発進時のモッサリ感の軽減に関係してくるのは2番目の特性です。

シフトノブ, パサートオールトラック, DSG

OLYMPUS E-M1MarkII, (17mm, f/3.1, 1/60 sec, ISO320)
パサートオールトラックのシフトレバー周り

「Sモード」は、1速で早めにクラッチ接続している(ようだ)

特にTDIでよく見られると言われる発進時の出だしのモッサリ感については、1速から2速にシフトアップされる以前の極低速域での現象なので、1番目のシフトアップのタイミングとは関係がありません。

しかし、「Sモード」にすることで明確にモッサリ感が減り、MT車で発進時のクラッチミートが上手くいった時にようなダイレクトで一体感のある発進加速を味わうことが出来ます。

これについては、当初はエンジン出力特性が関係しているのかと思いましたが、この特性はドライブプロファイリング機能における「ノーマル」モードのまま、シフトプログラムだけを「Sモード」にしただけでも現れます。つまり、DSGのシフトチェンジそのものの特性であると想像できます。

もっと如実に分かるのは、「Sモード」で10km/h以下の極低速域で1速を保ったまま、アクセルオフした時の挙動です。

MT車に乗られていた方ならイメージ出来ると思いますが、MT車では1速というのは非常に不安定で、アクセルオフすると「ガクン」と減速し、ややギクシャクします。(その為「一旦発進した後はなるべく早く2速に上げましょう」と教習所で教わりますね(笑))

話を戻すと、「Sモード」の極低速域(1速)ではまさにその挙動が見られるのです。懐かしいったらありゃしません(笑)こんなところに、DSGがMT由来であることを見て取れる訳ですね。

※ちなみにこうした特性は手動変速の「Mモード」の1速でも同様です。

では「Dモード」は極低速域で何をしているのか?

では「Dモード」ではどうかというと、繰り返しになりますが発進時はモッサリ感はある一方で、10km/h以下の極低速域で1速を維持したアクセルオフでもギクシャク感は一切なくスムーズそのもの、まさにトルコンATと同様の挙動です。

これ、やっぱり「半クラッチ」を多用してこのスムーズさを実現しているのでしょうか?

実のところは筆者もまだ分かっていません。しかし、エンジン特性が変わるドライビングプロファイルのモードも変えておらず、かつ2速にシフトアップする前の状態での加速ダイレクト感やアクセルオフ時ショックに違いがある以上、その様に考えるしかないような気はします。

だとすると、極低速域を多用する渋滞の多い都心部でDモードを多用する事はやや躊躇われますね・・・

DSG DモードApple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/35 sec, ISO400)

ダイレクト感とスムーズさの中心でDSGとの付き合い方を叫ぶ

あれ、なんかいくつかの映画が混ざった感ある?気のせい気のせい(笑)

さて、やっぱりMT由来だったDSG、断然気持ちいいのは「Sモード」です。郊外や混みあっていない道では基本的に「Sモード」を使わない理由はあまりないでしょう。特にTDIで見られる発進時のモッサリ感が雲散霧消し、DSGらしいダイレクトな発進加速を堪能する事が出来ます。

一方で速度域が低い市街地や渋滞時は、特に同乗者が居る場合には、やはりスムーズさが売りの「Dモード」が基本的には良いのですが、少し気になるのは上で触れた「半クラッチ多用してるんじゃないか疑惑」。出来得ることなら1速キープ時間を減らし、なるべくすぐに2速に上がるような走行を心掛けるのが吉かも知れません。

幸い現行のDSGはこうしたシフトモードの切り替えについて非常に「分かってるなあ」と思わせる上手いギミックを積んでいます。下の写真のシフトレバー根元の右側に「D/S▽」とあります。つまりシフトポジションがD位置の時にレバーを下にコクっと一回引けばDモードとSモードが瞬時に切り替わる機構が備わっています。ちなみに「D/S▽」の左に「+-」とあるように、左に倒せばマニュアルモードに切り替わります。このギミックを駆使して走行状況に応じて最適なモードを選択するのもまた、運転の楽しさというやつに繋がるでしょうね^^

最近の車ではこのようなシフトレバーを廃しボタンなどでお茶を濁す機構が見られますが、これは非常に操作性が良いですね

シフトノブ, パサートオールトラック, DSGOLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (17mm, f/3.1, 1/60 sec, ISO320)

なお、フォルクスワーゲン車のシフトレバーへの愛を叫んだ記事はこちらです(笑)↓

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タローラモ君 ああん?シフトレバー?焼き鳥のメニューみたいでウマそうじゃのう。 ジローラモ師匠 あほう!寝言は寝て言え!車の運転席の横にあるシフトチェンジとかをす...

余談:DSGの「ギクシャク感」は昔の話・・・だけど

以前はDSGというと1-2速での変速ショックやギクシャク感がすぐに話題になりました。今回パサートオールトラックに乗り換えた際も、車好きの友人から「DSGって昔ギクシャクしてたけどどうなの?」などと訊かれました。

しかし、そこは流石フォルクスワーゲン、ちゃんと改良を施しているようで、パサオ君について言えば一切ギクシャク感はありません。これも上述の「Dモード」で行っている様なスムースネスの追及の賜物と言えるでしょう。

一方で、ギクシャク感を解消しスムースネスを追求した結果、よりダイレクト感を高めつつあるトルコンATとの差分が感じにくくなっているというのも事実のようです。

その様な中で、図らずも「Sモード」の1速走行でMT車さながらの「ギクシャク」を感じられるのはちょっと嬉しい気がします^^;

 

ということで、別に世界の中心とかで叫ばなくてもいいんですが、こうした特性を心に留めて、時に胸のすくようなダイレクト感を味わいつつ、時には同乗者や車にも優しい運転を心がけていきたいものです。

 





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