OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (15mm, f/3, 1/60 sec, ISO320)
ああん?シフトレバー?焼き鳥のメニューみたいでウマそうじゃのう。
あほう!寝言は寝て言え!車の運転席の横にあるシフトチェンジとかをするためのレバーのことじゃ!
おうおう、あのニョキッと生えとる棒な。まあ生えとらんより生えとる方がええじゃろう。
タローラモよおぬし、雑じゃな・・・
次々と退場していくシフトレバー
上のタローラモ君とジローラモ師匠の会話はあながち非現実的でもなくて、近い将来「シフトレバー」という言葉はあまり聞かれなくなるかも知れない、なんて思ったりしてます。だって、シフトレバーの無い車、どんどん増えてますからね。例えばこんな感じです。
それは車の進化とともに
ところでジローラモ師匠、この何ちゃらレバーっちゅうのはなんで少なくなって来たんかのう。
それはな、棒を生やすのが面倒になったからなんじゃ。
シフト・バイ・ワイヤや電動化、パドルシフトの普及の影響じゃないんかい!
ほほう、タローラモよ、おぬしたまにはマトモな事を言うんじゃのう。
シフト・バイ・ワイヤ化(電子制御化)が進み、レイアウトの自由度はどんどん増しました。あの場所にニョキッと生えている必然性はどんどん低くなり、コラムシフトにして足元空間を広くしたり、パドルシフトでスポーツ走行にだって対応出来るようになってきました。
そしてパワーソース電動化の進展によりシフトチェンジという概念すら無くなる未来が見えつつあります。
MTからATへの変化をも上回る程の技術革新の波が、かつてあらゆる車においてニョキッと棒の生えていたセンターコンソールに襲いかかりつつあるわけです。
それでもシフトチェンジをシフトレバーで行いたい2つの理由
たった2つかよ!
たった2つかよ!
さて、最近のAT車(ツインクラッチやロボMTなど含む)の多くには「マニュアルモード」が備わっています。そして上記のようにフロアシフトレバーが廃されるトレンドの中で、パドルシフトなどで代替するケースも増えています。そして、恐らく多くのドライバーにとってはこの「パドルシフト」で事足りてしまうわけですし、実際筆者も、パドルがあればいいか、と思っていたのです。
ところが最近パサオ君ことパサートオールトラックに乗り換えてパドルシフトを使っているうちに色々細かい気付きが出てきました。本当に細かい話なのですが、筆者は以前バイクやMTのRX-8に乗っていたためかその辺りは少し気になりやすいようで、どの辺りが違いとして挙げられるのかを少しお話したいと思います。
シフトレバーはやる気スイッチである
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (17mm, f/3.1, 1/60 sec, ISO320)
所謂「マニュアルモード」に切り替える時の所作の話です。これは完全に感覚的な話です(笑)
この、マニュアルモード付きフロアATが大概備える、レバーを「コクッ」と横へ倒すことで自在にシフトチェンジが出来るモードに入る機構は、大いに気分を盛り上げてくれるのです。「ガッツリモード、入ります!」的な感じです。
脳内セルフイメージはもう完全にこれです。
ここの管理人ドリフトなんぞ出来るんかのう。
わしも未だかつて見たことがないのう。
・・・とにかく、この「コクっ」が好きなんです。ちなみに前愛車のT7型308SWもこのタイプでした。
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (12mm, f/4, 1/100 sec, ISO200)
パドルでは現在のシフトポジションをキープ出来ない
大事なのはこちらの話なのですが、ちょっと分りづらいので解説します。
例えば3速でコーナーに入ったとします。
管理人、3速でコーナーに入るとかカッコいいこと言っとるのう。
実際には恐らくスーパーの帰り道に交差点あたりを曲がるようなケースじゃろう。
・・・とにかく、通常のATモードでは放っておくとコーナーの途中で3速から4速に上がってしまうという状況です。
しかし、4速には上がって欲しくない。3速をキープして、そのまま出口でグーッと加速したい。
ところが、パドル操作契機でマニュアルモードに移行する場合にはそれが出来ません。つまりパドルでギアを上げるか下げるかしないとマニュアルモードに入らないため、「3速でキープ」みたいな事が出来ません。(もしくはセンターコンソール付近にマニュアルモードをONにするボタンなどを備えている場合もありますが、咄嗟のブラインド操作は難しい)
まあ最初からワインディングとかを走ってればコーナー手前でシフトダウンするところから入るのでパドルで何ら問題無いんですけどね。ただ、メーカーに依ってはATモードへの復帰が早すぎる事があるんです。5秒か10秒で復帰しちゃう車種もありました。
フォルクスワーゲンはその辺をよく分かっていて、パドル契機でマニュアルモードに入った場合でもATに復帰するまで1分程待ってくれます(その前に自ら復帰する時はパドルを1秒ほど長押し)。この辺のちょっとしたロジックも試乗で惚れた部分です。
なるほどのう、ワーゲンさん、分かっとるのう。焼き鳥一本にも惜しまないこだわりってやつじゃのう。
おぬし、やっぱり分かっとらんじゃろ。
まとめ
上でも申し上げた通り筆者は少々マニュアルな変速歴があるためこんな細かいところが気になるのであって、多分大多数の人には気にならないでしょう。
それに、いずれ電子制御化やパワーソース自体の電動化が進むにつれて無くなっていく運命なのは仕方がありません。石垣島で乗ったノートe-Powerもあれはあれで楽しかったし。
しかし、ADASなどの先進機能では常に最新トレンドを外さないフォルクスワーゲン/アウディグループがこのシフトレバーでの変速機構を未だに捨て去らないのは、もしかすると上で書いた筆者の戯言のような事を真面目に考えて商品開発してくれているからなのかも知れません。もしそうだとすると、彼らが作るEVやPHVにも大いにFun to Driveを期待出来そうです。
最近めきめき商品力を高めつつあるフランスや北欧等の自動車ブランドとしのぎを削りつつリリースしてくる新世代ビークルへの「シフトチェンジ」を楽しみにしようじゃありませんか。
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