こんにちは、10max(@10max)です。レンズを買うことにしました。
・・・すみません、前につんのめり過ぎました。順を追って話しましょう。
先日9月9日、シグマとタムロンが同日に新型の高倍率ズームレンズに関する発表をするという、かつてない激アツ展開が勃発しました。
それを受けて、現在タムロン28-200mm F2.8-5.6を常用している筆者の脳内AIが、「新しいレンズのどっちか分かんないけどどっちかを買う」という適当な結論を勝手に導き出したのです。
そこで、AIに頼ってはいられないので、シグマとタムロンの新型高倍率ズームレンズおよび現行のタムロン28-200mmのスペック等を比較、最終的にどちらを買うのかの結論に至る経緯を記しておく、というのが本記事の主旨です(もちろん実機にも触りますが、本記事は事前のスペック比較分析メイン)。
今回比較の俎上に上げるのは以下の3本。
- (新)シグマ 20-200mm F3.5-6.3 DG | Contemporary
- (新)タムロン 25-200mm F2.8-5.6 G2 (Model A075)
- タムロン28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
ただし、今回発表されたうちタムロン25-200mm F2.8-5.6(Model A075)は開発中であり、一部スペックは未公表のため、公表され次第本記事を更新していきたいと思います。
なお、ソニー純正にも24-240mm F3.5-6.3がありますが、タムロンA071やシグマ20-200mmより200g以上重い上に最大撮影倍率も小さく、発売開始からすでに10年経っていたりと、現時点でこのレンズを積極的に選ぶ理由はないため比較対象から外しています。
また参考までに、筆者が使用しているボディはα7Cで、メイン用途はストリートスナップや旅行です。

OLYMPUS E-M1MarkII, OLYMPUS DIGITAL CAMERA (36mm, f/3.9, 1/80 sec, ISO1000)
現在常用しているα7C+タムロン28-200mm F2.8-5.6 (A071)
シグマとタムロンが超広角端高倍率ズームでガチンコ対決!
改めて、2025年9月9日はフルサイズEマウント界隈にとって衝撃的な一日になりました(個人的感想)。なんとシグマとタムロンが同日に、新型のフルサイズ対応高倍率ズームレンズに関する発表をぶっ込んできたのですからね。
▼Sigma 20-200mm F3.5-6.3 DG | Contemporary 発表および発売日決定のお知らせ

▼[開発発表]広角端25mm F2.8はじまり。光学・AF性能も向上した高倍率ズームレンズ。25-200mm F2.8-5.6 G2 (Model A075)ソニー Eマウント用

しかも激アツなことに、タムロンの25-200mmの方は、「開発発表」です。まだ発売が決まっていない段階でのリリースをあえてして来た辺りに、シグマの発表の同日に意地でぶつけて来た感がムンムンです!(他社のニュースリリース情報は本来知り得ないはずですがそこはチョットヨクワカラナイ)
そしてこれらの2本のレンズには、両社のある共通の目論見が透けて見えます。
名玉タムロン28-200mm F2.8-5.6の唯一の泣き所を突いてきた
筆者はこの3年余り、タムロン28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)を付けっぱなしレンズとして常用しています。下の記事で「大三元お蔵入り覚悟」と書きましたが、それまで常用していたタムロン28-75mm F2.8 (A036)が本当にお蔵入りしてしまいました。A071はそれほど文句の付けようがないレンズです(メイン用途が作品づくりと言うより旅やストリートスナップ用というのもあり)。

しかし、A071にはほぼ唯一、泣き所があります。それは広角端が28mmであり、あとちょっと足りないな・・・という、A071ユーザー鉄板の悩みです。そのため、旅行などの際は20mmの単焦点をポケットに忍ばせることでカバーしており、ある意味これで最強の旅レンズコンビとしておりました。

そこに飛び込んできた今回のシグマとタムロンの発表。シグマは20mm、タムロンは25mmと、ワイド端を超広角域まで広げることで、フルサイズ向け高倍率ズームの可能性をまた一つ次の上の次元に押し上げてきた格好です。
が、両者の推しポイントが少しずつ違うように見受けられるのが、我々沼の住人を悩ませます。
スペック比較:シグマ20-200mm、タムロン25-200mm、タムロン28-200mm
では今回発表の新製品およびライバルとなる高倍率ズームのスペック比較を見ていきます。最も優れたスペックを緑でハイライトしています。
シグマ
20−200mm F3.5-6.3* |
タムロン
25-200mm F2.8-5.6 (A075) |
タムロン
28-200mm F2.8-5.6 (A071) |
|
焦点距離 | 20-200 | 25-200 | 28-200 |
開放F値 | F3.5-6.3 | F2.8-5.6 | F2.8-5.6 |
最大径×全長 | 77.2×117.5mm | 未公表 | 74×117mm |
フィルター径 | 72mm | 67mm | 67mm |
重量 | 540g | 未公表 | 575g |
最短撮影距離 | 16.5-65cm | 未公表 | 19-80cm |
最大撮影倍率 | 0.5倍
(28-85mm時) |
0.53倍 | 0.32倍 |
AF駆動方式 | リニアM | リニアM | ステッピングM |
防塵防滴 | ◯ | 未公表 | ◯ |
発売時期 | 2025年9月 | 2025年秋 | 2020年6月 |
実勢価格* | ¥128,700 | 未定 | ¥66,280 |
*シグマ20−200mmはEマウントの仕様を記載
*実勢価格は本記事執筆時点の価格コム最安値
シグマの「20mm」とタムロンの「25mm」から察する思想の違い
両社のスペックから見え隠れする推しポイントの違いを見ていきましょう。
脅威の20mmスタートでF値控えめ・・・だけじゃないシグマ!?
まず、シグマの方は何と言っても広角端20mmが尊い。28mmはもちろん24mmでも足りない、20mmでないと撮れない世界は確実に存在します。特に旅先では重宝します。
ものすごく雑に言えば、シグマはこの広角端20mmという尖りまくった武器を、ライバルであるタムロン製品と同等のサイズ・重量およびハーフマクロ性能で実現するために、F値を犠牲にした形と見受けられます。
ところがどっこい(古語)、それだけでは無さそうなのです。
シグマの仕様表で一点、とんでもないことが極めて地味にサラッと記載されているように思いました。それは、「最大撮影倍率 1:2(焦点距離28-85mm時)」という一言です。これって、標準ズームレンジの全域でハーフマクロ撮影出来るっていう意味ですよね?
通常最大撮影倍率を発揮できる焦点距離はピンポイントだと思うので、これって鬼すごいことなんでは・・・?対抗するタムロンのハーフマクロ性能がどう仕上がってくるか、大変気になるところです・・・!
一方で気になるのはやはり暗いF値ですね。後ほど焦点距離ごとのF値変化の比較を見ていきます。
ワイド端焦点距離を控えめにしてF2.8にこだわるタムロン
まず、タムロンが今回開発発表した25-200mm F2.8-5.6 (A075)は、現在開発中のため、サイズや重量、最短撮影距離、防塵防滴対応などが「未公表」となっています。
が、このA075は現行28-200mm F2.8-5.6 (A071)のG2(第2世代)という説明がされているので、現行28-200mmと概ね同等(もしくは改善?)と期待したいところ。
サイズや重量については、完全に希望的観測ですが、新型A075では、ワイド端をあえて「25mm」(24mmではない)にしている辺りに、最大の武器である開放F値2.8を保ちつつサイズ・重量を妥協したくない(かつハーフマクロ性能も強化したい)というこだわりが透けて見えるのです(個人的期待)。
このF2.8という明るさ性能は、実際に使っていると、広角側の数mmだけでもF2.8でよかったと思うことが実によくあります。やろうと思えば星空撮影さえもこなします。
また28-200mmの場合、広角端だけでなく80mm近くでもまだF4を保つ驚異的な明るさなので、その余裕たるや。この余裕の明るいF値レンジが第2世代の25-200mmでも受け継がれるとすると、やはり惹かれるものがあります。
また、最大撮影倍率は0.32倍から0.53倍に大幅に改善されていますが、上記のシグマ20-200mmの28-85mm域でハーフマクロという鬼がかった仕様に対してどうなのか、続報を待ちたいです。
シグマ20-200mmとタムロン28-200mmの焦点距離毎のF値変化
シグマ20-200mm F3.5-6.3で気になるのはやはり暗めのF値。YoutubeでF値を検証している動画があったので引用させて頂きます。
焦点距離 | F値 |
20mm | F3.5 |
21mm | F4 |
28mm | F4.5 |
38mm | F5 |
50mm | F5.6 |
82mm | F6.3 |
正直かなり暗いと言わざるを得ません。F3.5は本当に広角端のみですぐF4になり、82mmでF6.3に達してしまいます。
一方のタムロンですが、25-200mmの情報は未公表のため、28-200mmのF値の変化を下に載せておきます。こちらはなんと80mm近くまでF4、100mmでもF4.5と、高倍率ズームとは思えないほど出血大サービスの明るさです。
焦点距離 | F値 |
28−31mm | F2.8 |
35mm | F3.2 |
50mm | F3.5 |
78mm | F4 |
100mm | F4.5 |
135mm | F5 |
200mm | F5.6 |
おそらくタムロンの第2世代、25-200mmでもここは頑張ってくるポイントでしょうから、タムロンの明るさと、シグマの広角端、および両者のハームマクロ性能の比較が大きなポイントになるでしょう。
シグマ20-200mmのF値の変化は下の動画を参照させて頂きました↓
ということで、シグマの気合が全身に込められた20-200mm F3.5-6.3を今すぐポチってしまいたい危険な衝動に駆られつつも、やはりタムロンの新作25-200mmの正式発表を待たないわけには行きません。タムロンもどんなリーサルウエポンを隠し持っているか分かりませんからね。
今年は暑い秋になりそうです。
※本記事はタムロンの発表などを受けて随時更新予定

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