エンジンの付いたパノラマルーフに乗っている10maxです。こんにちは。
「パノラマルーフ」・・・なんて甘美な響きでしょう。その名を口にするだけで人生が大きく開けそうな予感をもたらします(もたらさないだろうか、いや、もたらす)。
筆者は前愛車のプジョー308SW(T7)の試乗でこの広大なガラスの天井に出会い、パノラマルーフのある生活に足掛け9年浸った結果それ無しでは生きられない体になってしまい、昨年買い替えで我が家にやってきたVWパサートオールトラックにも当然ながらそのオプションを備えました。ここまで陶酔して来ると、パノラマルーフにエンジンとタイヤとハンドルを付けて乗っているんじゃないかと錯覚するほどです。
本当に素晴らしいパノラマルーフなのですが、しかし甘美な世界には相応の対価が付きものです。そして光には常に陰が寄り添います。本記事ではパノラマルーフ歴10年に及ぶ筆者の経験から、そのメリットとデメリットをご紹介しようと思います。厳密には、あまりにも大きなメリットと、少しだけ気にかけてほしいデメリット、です。
ちなみにプジョーでは「パノラミックガラスルーフ」あるいは最近は単に「パノラミックサンルーフ」、フォルクスワーゲンでは「電動パノラマスライディングルーフ」なんて呼んでますね。どでも長くて甘美すぎるので本記事では「パノラマルーフ」としておきます。
SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (34mm, f/2.8, 1/250 sec, ISO100)
パノラマルーフのメリット
それは家族・友人を笑顔にする魔法のガラス
2012年冬のことでした。筆者は当時あまり馴染みのなかった「プジョー」というメーカーの、「308SW」というこれまたあまり馴染みのない名前のステーションワゴンに家族で試乗に来ていました。「3列シートで運転の楽しそうな車」というだけの条件で探して辿り着いたもので、初めての輸入車、それもフランス車ということで不安も先行し、乗る前は半分冷やかしのつもりでした。
しかしパノラミックガラスルーフのシェードを開けて道路に出た瞬間、後部座席から歓声が上がったのです。
長男(4):「うわー、おそら、あかるい!」
妻:「わー、これいいね〜」
次男(2):「あわー、あわー」
これが大きな決め手の一つとなり、パノラマルーフライフがスタートしました。
それからも、友人を愛車に乗せる度に
「こんな車あるんだ!すごいね!」
と言った感想を貰うようになり、そんな友人の一人はこの時の感動がきっかけでパノラマルーフ付きの車を購入するに至ったほどの破壊力です。
ご家族や友人に最高のおもてなしを提供したい方には、パノラマルーフは実に有効な魔法のアイテムとなるでしょう。
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雨でも楽しいドライブを
パノラマルーフはもちろん美しい景色をこれでもかと堪能させてくれるアイテムです。満開の桜のトンネル、爽快な青空、紅葉の彩り、雪の舞う銀世界・・・
こうした美しい景色が頭上に広がる事を想像するだけでワクワクしますよね。
しかし、パノラマルーフの魔法が効力を発揮するのはそうした綺麗な景色の時だけではありません。憂鬱になりがちな雨の日だって、最高の演出で家族・友人をもてなしてくれるのです。
特に子どもたちは大喜び。ガラスの上で生き物のように踊り、流れ星のように走る水玉。こんなショーは中々見る機会が無いでしょう。
雨でせっかくの予定がキャンセルになってしまったら、気を取り直してガラスの天井の車に乗って気ままにドライブに出掛けるのも悪くありませんよ。
開閉式パノラマルーフなら優しい風で換気が出来る
さて、前愛車プジョー308SWのパノラミックガラスルーフは開閉機能の無い一枚ガラスでしたが、VWパサートオールトラックには「電動パノラマスライディングルーフ」という名の通り前半分を開閉出来る機能が備わっています。一枚ガラスの開放感はそれはそれで魅力的ですが、開閉機能にもやはり大きなメリットがあります。
それは、風の吹き込みが少ない心地よい換気が出来る、というものです。
Apple iPhone 12 Pro, (1.54mm, f/2.4, 1/120 sec, ISO40)
通常十分な換気をしようとすればするほど、あるいは車内を涼しくしようとすればするほど、窓を大きく開ける事になります。ところがサイドウインドウの場合、開ければ開けるほど顔や身体への風当たりが強くなります。
ところがそれがルーフの場合、全開にしても車内への風の吹込みは柔らかく、非常に心地よい換気が可能です。換気の効果を高めたい場合は、ルーフと後席のサイドウインドウを開ければ風の通りが良くなりますが、その際にも乗員への風当たりは非常に限定的です。
特に少し肌寒い季節や夜間にも最適な換気方法ですね。サイドウインドウよりも寒さを感じにくく、車内の空気を爽やかにすることが出来たり、眠いときにも気分をシャッキリさせる事が出来ます。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/17 sec, ISO1600)
パノラマルーフのデメリット:おすすめだけどここにご用心
さて、ここからは酸いと甘いの「酸い」方のお話をいくつかご紹介しておきましょう。完全無欠の絶対的な楽園など存在しないのです。ただし個人的には「大きすぎるメリットに多少点を穿つ小さなデメリット」に過ぎないと感じていますが。
意外と活躍シーズンは短い(UVカットでも夏は暑い)
まず、夏はほぼ完全に封印されます。強烈な日差しを避けるためにほぼ常時シェードを閉めておかなければなりません。最近の日本の気候だと、風が少なく照り返しの強い都内の市街地では早ければGWくらいからジリジリと暑さ、もとい熱さを感じはじめ、そして復活するのは9月のシルバーウィークから10月くらいでしょうか。そうすると1年の半分強しかフル活用できない事になります。
一番暑いのは、サンシェードだけを開けてガラス窓状態で密閉した状態です。当然蒸し風呂のような状態になります。なので、いっそのことオープンカーだと思ってサイドウインドウもルーフも全開にして風を思いっきり浴びながら乗れば乗れないことは無いのでしょうけどね。でもきっとオープンカーも夏は暑いんだと思います。
もっとも、群馬や長野などの高原に行けば空気も涼やかになるので、夏場はそうした避暑地に行った時にここぞとばかりに活躍させるのがよいでしょうね。
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ブラックルーフは美しいが水滴・水垢はこまめに除去を
UVカットのガラスルーフは美しい艶を持つブラックルーフでエクステリアを引き締めます。そこに映り込む空や木々は通常のブラック塗装と比べても一段と美しいものです。
しかしそれだけに水垢には一層の注意が必要です。よく言われる通り黒色は熱をよく吸収するため5月以降の夏場は非常に高温になり、洗車や降雨で水滴が残っていると想像以上に短時間で乾燥し、水分中の成分がルーフに固着してしまいます。放っておくと「イオンデポジット」と呼ばれる状態になり、除去剤等を使わないと取れなくなる可能性があります。
なので、パノラマルーフ装着車は特に春〜秋にかけての水滴・水垢ケアは入念に行う必要があります。
Apple iPhone 12 Pro, (4.2mm, f/1.6, 1/3400 sec, ISO32)
費用対効果を見いだせるか否か微妙な高額オプション
甘美な楽園を享受するには、それなりの対価を支払わなければなりません。ここでいう対価とは、文字通りお金の話です。
プジョーやフォルクスワーゲンの場合、パノラマルーフ単体のオプション料金は16万円程度です。しかし、特に輸入車の場合オプションの柔軟性はあまり高くなく、全てのグレードでパノラマルーフのオプションを付けられないケースが多いでしょう。例えばパサートオールトラックの場合、ベースよりも50万円程度高価な4MOTION ADVANCEグレードでしか電動パノラマスライディングルーフOPは選べません。筆者の場合も、ほぼこのオプションのために4MOTION ADVANCEグレードを選択したようなものです。要するに、税抜で計80万円近くをパノラマルーフにお金を出したとも言えるわけです(実際には4MOTION ADVANCEグレードには様々な装備や機能が追加されているのでやや大げさな言い方ですが)。
なので人によっては「そこまでお金を払ってまで付ける必要はないだろう」と考える場合も多いでしょう。いや、むしろそういう人の方が多いかも知れませんね。
筆者の場合、このパサートオールトラックが、子供たちを乗せて走る最後の車だと思って購入したので、ある意味プライスレスな価値を見出してパノラマルーフを選びましたが、次購入する車(ほぼ夫婦二人でしか乗らないと思われる)ではそこまでの費用を払ってこのオプションを選ぶことはないでしょう。
その辺りはライフステージやその時のカーライフにおいて何を重視するかで検討するのでしょうね。
故障やトラブルは大丈夫か? – 9年目車検で現れた「気泡」?のようなもの
費用の次に気になるのはこの点かもしれません。結論から申し上げると、308SWでの足掛け9年間で水漏れ等の大きな目立つトラブルはありませんでした。ただ晩年に一点だけ気になる現象が・・・
ガラスの中に、気泡?のようなものが見られるようになったのです。この写真はちょうど9年目の車検の時期に撮ったものです。
ガラスルーフ全体に見られた訳ではなく、後方の20cm四方くらいのエリアに現れました。表面から触っても、外側、内側共にツルッとしたままで、ガラスの内部に出来たものです。
ちょうど車検の時期だったのでプジョーディーラーのメカニックさんに相談してみましたが修理の方法は分からず、対処するのであればガラスルーフ自体の交換しかないという事で、とりあえず様子を見ることにしました。結果的にはその直後にパサートオールトラックに買い替えたのでその後の経過は見ていません。
9年目の車検のタイミングということで、実質的には買い替えを検討されることが多い時期だとは思うのであまり気にされなくても良いと思いますが、もし10年以上乗り続けることを前提としている場合には気にされるべきポイントかも知れません。
さいごに:プライスレスな魔法の天井は依存症に注意
高価なオプションの割に、一年の半分近くは閉じなければならないという代物。でも、筆者はそれを知った上で2台連続でパノラマルーフの車を選びました。費用対効果の判断が非常に難しいものですがそれでも2台も乗り継いだ理由は何だったのかというと、正直なところ「ガラスの天井の魔法」にかかってしまったと言えば一番分かりやすいかも知れません。一度パノラマルーフの車でのカーライフに慣れてしまうと、これがない車が落ち着かないんです。
「今日はいい天気だからルーフを開けると気持ちよさそうだな」
「緑のトンネルが綺麗だからシェード開けようか」
「ちょっと涼しい空気入れたいからルーフ開けようか」
と思う瞬間が日常の中で何度も訪れます。そしてシェードやルーフの開閉スイッチを押しながら、子供たちの反応を待ちつつドヤ顔をするのです。なんて素晴らしい瞬間でしょう。いや、そして実際に開けて走るととても気持ちが良いのですから、決してドヤ顔をするためだけに開けるのではありませんよ。
車は何年も生活を共に過ごす家族であり、相棒です。少しくらい贅沢をしてでも、そんな日常を非日常にしてくれる素敵な魔法のアイテム、プライスレスだと思いませんか?
SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (44mm, f/5.6, 1/250 sec, ISO100)
コメント
度々 お邪魔します。
cox707 です。
我が家の パサート オールトラックも 5月5日に 納車が来まり、楽しみにしています。
僕も、歴代の車で つけられる車種ではすべて サンルーフを装着してきました。
特に ルーフレールに 自転車を固定して走ることが多くなってから、
ルーフ越しに 自転車の固定状態が確認できるというメリットもあって、必須オプションにしています。
今回の パサートみたいな パノラミックな全面ガラスルーフは これまた次元が違う開放感でしょうから 新しい感覚で 楽しめると思っています。(子供の喜ぶ顔が楽しみです)
一つ質問があるのですが、シェードが 薄い 透光性がある ガラスルーフは初めてなのですが、
シェードを閉めても 明るくてとてもいいと思ってますが、
どれくらいの 透光性で 室温への影響など 実際 昨年夏でどうでしたか?
ここしばらくの マツダ車は ホワイトランニングにしても ブラックランニングにしても
シェードは完全遮光 かつ ガラスルーフも 小さく、 室温に影響があるとは思わなかったのですが、 ふと シェード越しでも ’日焼けするんじゃない?’と 家内と 娘に 怒られそうで(笑)
すでに 購入してますから 実車で確認して自分で感じるのが一番でしょうが、
先人の ご意見も聞きたくなり 質問させてもらいました。
ちなみに我が家の パサートは マンガングレイメタリックです。
今まではほとんど ホワイトでしたが ブラックなガラスルーフもアクセントになってましたが、
マンガングレイでは ほとんど 差がなく 外見には違いはなさそうです。
ただ リアスタイルの ダーク系カラーの 引き締まった感じと、リアランプが映えること
泥はねが 適度にあっても オフロードでの道具感があって いいのかなと 選びましたが、
10maxさんの ホワイトを見ていると ホワイトが良かったかなと、、
写真の腕前が とても高いのでそう見えるということも 同じ写真好きとしては わかってはいますが(笑)
cox707さん、こんばんは。
GWはキャンプに行っておりまして、お返事遅れてすみません。
そして・・・昨日(すでに日が変わって一昨日ですか)がついにパサートオールトラック納車の日だったのですね!
おめでとうございます!!
そして電動パノラマルーフ、やはり付けられましたか。
全面ガラスが初めてということであれば、ご家族はそれは喜ばれることでしょう♪
さて、シェードですが、遮光性、熱の透過性については全く問題ありません。
真夏でも、例えばジリジリと熱が伝わってくるであるとか、そういった普通のルーフと比べて暑さを感じる事は全くありませんでした。
非常に程よい透過性で、薄っすらと天井が明るい感じで車内に適度な開放感をもたらしてくれます。
どうぞご安心下さい。
マンガングレーは在庫があれば選んでいたかも知れないです。
たまたま僕が購入したディーラーの系列には在庫がなく、ブラックかホワイトで、元々ホワイトは有力候補だったのでホワイトを選びました。
マンガングレーは深みがあって光の当たり方で表情を変える良い色のようですし、前愛車のプジョー308SWはブラックボディにパノラマルーフでしたが、ガラスルーフはボディの塗装の黒とは明らかに違う艶のある質感なので、マンガングレーでも良いアクセントになると思います^^
いずれにしても今頃は新車を楽しんでおられることでしょうね。
1年前の今頃、慣らし運転をしていた頃が懐かしいです^^
お互い良いパサートオールトラックライフを満喫しましょう!!
長く乗ると雨漏りしてしまうし重量が重くなってしまうので自分は代車でサンルーフが着いた車が来た時やったという気持ちで乗っています!
レスいただきありがとうございます。
無事 納車され いつもの道を 通勤で、街乗りで、夜には少しだけ ドライブを楽しんでます。
いくつかの懸念も 払拭され
過去の車歴の中でも 機能面でも たくさんの新しい機構があり
また セッティングも パソコンセットアップのように 多くの設定を 苦労しつつも楽しんでます。
それでも 基本的な 走行性という一点が 車である以上は一番のポイントで
ここが しっかりとしているからこその 便利機能が生きてくるわけで
その点でも 長く付き合っていける車だと確信しています。
この車が 日本であまり売れていないのが(オーナーとなっては それでいいのですが)
不思議なくらいですね。
ブレーキとフィールと ステアリングのスムーズさ 癖の無さ
視界の良さが 特に素晴らしいです。
畑の道具から 自転車のスタンドなどを トランクに入れてみて
まだまだ余裕のある積載性はあらためてびっくりですね。
We connectが 常時通信になったのですがが まだ サーバーとの通信が安定していないのか
まだまだ気難しく 安定していないこと
アンビエントライトが ホワイトのみで色のチェンジができなくなっていたことが
カタログでの記載と違うところで 少し残念ですが、
明るい パノラミックルーフで 気持ちよく走ってます。
トラベルアシストの 制御もとてもスムーズですね。
10maxさんとは パサートオールトラックライフがこれから 重なるとは思いますが
また 色々おしえていただき こちらからも 情報があれば ブログにお邪魔させてもらいます。
cox707さん、こんばんは。
一番大事な走行性能にご満足されておられるようで何よりです。
ブレーキフィールは何人かの知人に乗ってもらって絶賛されていますが、まさに思い通りのコントロールが可能で、地味ですが最も優れた部分の一つと感じています。
パワステも非常に自然で、低速では軽快に、速度を上げるごとに徐々にガッシリ感を自然に増していく様は本当に緻密な制御がなされているなと思います。
インフォテイメントや通信関係は今回のモデルチェンジの大きな話題ではあるものの、日本ではまだ手探りの部分が多いのでしょうね。
でもオーナーとしてはそれらはあくまでも付加機能で、大事なのはおっしゃる通り基本的な走行性能なので、あまり気にならないでしょうね(笑)
こちらこそ引き続きご感想や情報など教えていただければ嬉しいです。
パサートはもとよりオールトラックとなると更にオーナーが少ないので非常に心強く思います。
引き続きよろしくお願い致します^^