さて、読者の皆様は「スキー」というスポーツをご存知だろうか。そう、上のイラストの通り、イノシシをはじめタヌキ、カモシカ、ツキノワグマなど、主に山岳地帯を棲息地とする動物たちが2本の板の上に乗り、雪の上をいかに華麗に気持ち良さげに滑り降りるかを競うという大変ワイルドな競技である。
近年このスポーツに、交通手段の発達等により山岳地帯への進出が著しい人間が参加するようになり、その普及は目覚しいものとなった。
その象徴のひとつが、「SAJ」なる組織が主催する「スキーバッジテスト(スキー検定)」である。
「スキーバッジテスト」では3級、2級、1級などと級別に分かれており、1級ともなると、クマ、タヌキ、カモシカ、人間を問わず、各界の腕に覚えのある猛者どもが入り乱れる壮絶なバトルは避けられない。
本格的にスキーを始めて4シーズン目を迎える筆者であるが、そろそろ雪山で実力を謳歌する野獣の類どもの後塵を拝するのに耐え切れず、戦いに打って出ることにしたわけである。
また、あと数年で三十路を迎えるにあたり、家族計画等を考慮すると、ハードにスキーにガッつけるのもそう長くはないかもしれないという現実的な思いも背景としては否定できないところである。
さて、今回(3月11日)会場に選んだのは苗場スキー場であったが、なんとも波乱含みの検定であった。なんといっても、バーンのコンディションが空前の最低度合いであったことが最大のポイントである。
状況としては、暖冬ゆえの硬いコブや芝生の上に、たまたま検定前夜から降った新雪が10cmほど乗っており、硬い部分と柔らかい部分の混在する非常に不安定なものであった。
そのためか、今回の1級受検者12名のうち、整地大回りで1名、整地小回りでは2名、不整地小回りではなんと7名もの受検者が転倒の憂き目に遭ったのである(ちなみに「整地」とあるが、今回は検定員も「こりゃ不整地だな」と認める有様であった)。
一方、続出する転倒者を目の当たりにして多くの受検者が自分の滑りを出し切れずにいる中、筆者が考えたことはただ一つ、
「皆が怖気づいているのを横目に、自分は如何に当たり前のようにクールな表情で豪快な滑りを魅せ、世田谷区屈指のハードボイルド・スキーヤーたるところをアッピールできるか」
これだけである。
そしてこの軽率な心得が幸いしたのか、上の写真の通り合格という想定外の結果に結びついたわけである(ゴーグル越しにクールな表情が伝わったかどうかは不明だが、豪快さは全身の動きから存分に伝わったに違いない)。
ちなみに今回の合格者は12名中2名であった。
そして今回の快挙の背景として、以下の3点を決して忘れることはできない。
1.要所要所で目からウロコのアドバイスをくれた、職場の尊敬すべき先輩であり1級保持者でもあるO本氏の存在
2.筆者を大胆で豪快な男気スキーの世界へ導いてくれた会社同期のビッグマウンテンテレマークスキーヤー、K津氏ほか
3.そして最後に、筆者の要請に応じて無理をして頻繁に雪山に同行してくれた助手兼嫁のKの愛情
実に深謝である。
さて、今回の合格を受けて、自らへのご褒美として新しいスキー板の購入を目論む筆者であるが、その行方は家族会議に委ねることとなるであろう。
※ちなみに1級を受検するには2級を取得していることが条件となる。筆者は2年前に2級を取得している。もし受検される際にはご注意願いたい。
コメント
1級取得おめでとうございます!
ちょっとでもTENMAXの滑りスタイルに貢献できたかと思えば嬉しいッス。
すばらしい。今後とも豪快ツアー参加よろしく。
しかし新板のラディウスは激しくカーヴィングだな。160cmで11.9mだろ。俺の板でいえば、トップがB3でウェストがB2くらいの感じ。いい浮きとカーヴィングが楽しめそうですな。
おーう、お世話様!
思えばzuco氏に出会わなければこの世界にこんなに
のめりこむことは無かったんだろうなあ。
まっこと感謝!
新板、先日会社帰りに買っちまいました。
そんで本日さっそく鹿沢ハイランドでおろして参りました。
新雪は無かったから試せなかったけど、オンピステでは
板が走りまくって馴れるのに大変だったほど。
やっぱ今までの初心者用のフニャフニャ板とは違って、こりゃ面白いわ。
ちなみに168cmのラディウス13.3mの方です。