ああん??目的じゃあ?男一代命を賭けて取り組むんじゃけん、そげなもん、金と地位と名誉のために決まっちょろうがのう!
おぬし、何か違うものと勘違いしとらんか・・・これはブログの話じゃぞ。
ブログ?なんじゃそりゃ、美味いんかのう。
ブログをやっている人にとって、「ブログの意味」だとか「ブログの目的」というのは常に頭の隅っこに引っ掛かっているテーマなんじゃないかと思います。
筆者も例外ではなく、定期的にふと我に返り
「そもそもこんなに時間割いて何のためにやってんだっけ」
と、幽体離脱したかの様に冷めた目で自分を客観視する時があります(笑)
加えてさらに話をややこしくするのが、「収益化」というテーマ。この辺りが絡んでくるとさらに目的が見えなくなり、更新が滞ってしまったり、最悪ブログを止める事にも繋がり兼ねません。
そこで今回、改めてブログの目的や意味について自分の頭の整理も含めて見つめ直してみたいと思います。
なお、最初に申し上げますが、本記事は「ブログで稼ぐ方法」について書いている記事ではありません。むしろ「収益がブログの主目的ではない」人たちが目的を見つめなおすきっかけになれば、と言う趣旨です。いや、それは取りも直さず自分のためでもあります。
「高収益=ブログの成功」ではないのは分かるが、うまく説明できない
多くのブロガーがこの「収益化」というキーワードを一度は意識したことがあるのでは無いでしょうか。これは皆が一様に「ブログで稼ぎたいと思っている」という意味ではなく、例えば「ブログで稼いでる人が居るみたいだけど、自分には縁が無いなあ」という意識の仕方も含めて、です。
特にTwitterのようなSNSに身を晒しているとそう意識する機会が増えます。ブログでサラリーマン以上の収入を上げていると自称する方々に非常に頻繁に遭遇する(TLに流れてくる)からです。
その様な状況に身を置くと、まるで「収益化に成功しているブログ=ブログの成功事例」と言う感覚に囚われる事があります。
しかし、圧倒的な確信と共に「否!」と筆者の第六感が反応するのです(第六感ってそういう機能だっけ?)。収益以外の目的や動機が存在しなければ、こんなにも多様なブログ/ブロガーが存在するはずがない、と直感的に思うのです。
しかしそれをいざ明快に説明しようと思うと難しく、少し頭の体操が必要であると感じたため、今回一度記事にまとめてみたいと考えました。
そもそも「ブログ」って何だっけ
少し根本に立ち戻った話をします。そもそものブログの一般的な定義は極めて収益化とは縁遠く、一般的には下記のように説明されています。
ウェブログ(Weblog)の略で、自分の意見や感想を日記風に記して、それに対する感想などを閲覧者が自由にコメントできる形式のWebサイトのこと。(中略)日本ではブログという言葉は、ブログ作成ツールを使って作られたWebサイトを指すことが多く、HTMLの知識がなくてもホームページの開設や更新ができるという特徴がある。 (Source: ASCII.jpデジタル用語辞典)
なので、従来ブログの目的を考えるときには「何をテーマとして書くか、何を主張するか」=「何を書きたいか」といった事柄が主たる命題であり、それを自由に文字にして発信し、第三者と意見を交換する、と言うところから出発しています。
かく言う筆者もそうしたところからブログを続けていて、気づいたら広告収入やらアフィリエイト収入も小遣い程度に入るようになっていた、という経緯を辿ってきました。決して順番はその逆ではないのです。
「収益化」と「書きたいこと」を軸として考える理由
さて、上で登場した「収益化」という観点と、「書きたい事を書く」という観点、それらにはある程度相関関係、もっと言えば「逆相関・負の相関」があるのではないか、と考えました。
つまり、「収益化を重視すればするほど書きたいことが書きづらくなる」のでは無いか、ということです。そこで、
- 収益を上げることを主目的とするか、しないか
- 自分が書きたいことを書くか、他人が求める事を書くか
という2つの観点を軸にしてブログを書く目的を分類してみる事で頭の体操の一助としてみようと考えました。
では、何故それらの二つの観点が「逆相関」と思われるのでしょうか。
なぜ「収益を重視する」と「書きたい事を書きづらい」のか
収益最大化のためには当然Page Viewを出来るだけ獲得する必要があります。それを優先した場合、「書きたいことを書」こうとすると主に2つほど制約があると考えています。
②「書きたい事」よりも「需要がある事」を優先する必要がある
PVを稼ぐためには、どうしても自分が書きたい事だけを書いていては限界が訪れます。例えば自分がどれだけ自宅の池の亀についての日記を書きたくても、それについて読みたい人が少なければあまり多くの訪問は期待出来ません。
もっとも、自分が亀の生態についての権威であるとか、あるいはその亀が余程珍しいか魅力的であるかといった場合には話は別ですが、一般的には中々ハードルが高いと言えます。
あるいは、たまたま自分の興味・専門性がある分野がとてもニーズのある分野だというラッキーな場合もあるでしょう。しかしそれでも制約はあります。一つは、ブログのメインテーマ外のコンテンツをあまり無秩序に記事化するというような事に関しては、収益を気にしないブロガーよりも自由度が低いという事は言えそうです。
③「SEO最適」な言葉で書かなければならない
これがまた中々厄介なのですが、安易にSEO最適を求めると金太郎飴のような記事になりがちです。
結局の所PVというのはGoogle先生が評価する記事に集まるものなので、以下のような点をある程度機械的に追求する必要が出てきます。
- より多く検索されるワード(および組み合わせ)をタイトルや見出しに用いる(多すぎてはいけないらしいけど)
- Google先生が読みやすいと判断するような論理構造でかつ情報量の多い記事構成にする
- サイト(ブログ)全体としてGoogle先生に質が高いと見做される様にする
すると、当然検索上位には似たようなタイトルのサイトが並びますし、記事本文についても、右脳的な感性に訴える文学的表現などはむしろ控える必要が出て来てしまいます。
このように「収益化したい」というインセンティブと「書きたい事を書きたい」というモチベーションはある程度相反すると思われるのです。
「収益化」と「書きたいことを書く」の2軸でブログの目的をマッピングしてみる
ということで、「収益化」と「書きたい事を書く」を軸にしてブログの目的をクラスタ毎にプロットした四象限マップを作ってみました。
念の為ですが、「どのポジショニングであるべき/間違っている」という話では決してありません。「今自分がどこに居て、どこを目指したいか」という頭の整理がこのマップの目的です。
(補足)ブログ収益化の定義:確定申告が必要となる「年収20万円」に置いてみた
縦軸の収入水準にはもちろん明確な定義はありませんが、一つの目安として、副業として確定申告が必要になる「年収20万円」辺りに境界を置くとすると、上半分は例えば月間数万円~10万円単位の収益を得ているブロガーさんのイメージ。下半部は、収入はあるもののせいぜい月間数百円~1万円前後くらいのイメージになります。
ではこの中でマッピングしたブロガークラスタを一つずつ見ていきます。
①ノマドブロガー/ほぼ本業ブロガークラスタ
まず左上の青いクラスタ、ここはブログを主たる収入源として生活しているブロガーさんです。あるいはアフィリエイト等の収益を主目的とした副業・主婦ブロガーさんなんかも、収益が主目的なのでここに片足入るかも知れません。
特に本業の方はブログ(およびそこから派生するYouTubeや受託案件等)が生活の源泉になるため当然ながら上で書いたような収益重視の行動をメインに取ることになります。
もちろんこのようなブロガーさんも、自分の好きなテーマをコンテンツにされている方も多いと思います。それでも「書きたい事を自由に書ける」という事では必ずしも無さそうです。例えばYoutuberのヒカキンさんなどは有名になり過ぎて自分の意見を自由に発言しづらいという事を話していましたが、そこまでの有名人でないにしても、ブログやSNS上で間違った方向に炎上してしまえば収入の基盤を失いかねないのでやはり一定の制約が出てきます。
②趣味と副収入両立ブロガークラスタ
ここはある意味一番羨ましいゾーンです(笑)
イメージとしては、サラリーマンブロガーの様に本業は本業で持ちながら、自分の趣味の分野についてのブログを運営する事で、結果的に副業として確定申告が必要になる程の収入を得るようになるとこのゾーンにカウントされるような気がします。
また、趣味をベースとしながらも結果的にアフィリエイトがメインになっている人もいると思うので、やっぱり①と②の境目は結構曖昧な気がします。
で、多くの人が、ここを狙いたい、と思っているのではないかと思うんですよね。ブロガー専業になりたいと言う程ではないけれども、好きな事を書いてある程度まとまった収入を得たい、と。
ですが、ここのエリアに仲間入りするのにも、ある程度「自分の書きたい事」を犠牲にする必要があります。その理由は後ほど。
③趣味ブロガークラスタ
さて、問題はここです。おそらく大多数のブロガーさんがここにいるんだと思いますし、本記事のターゲット層もまさにここにいるブロガーさんではないかと思っています。
ここにいるブロガーさん像としては以下の様な感じではないでしょうか。
- ある程度自分が発信したいテーマは決まっている(≒完全な「雑記」「日記」ブログからは脱している)
- 月間PVは多くて数万件程度
- 従ってブログからの広告・アフィリエイト収入は数百~数千円程度はあるが、かと言って安定して数万円単位には達していない
- そもそも収益がブログの主目的かどうかもよく分かっていない(出来ればお小遣いが入ればいいよね~程度)
- なので今のテーマを大きく変えるつもりもなく、取り合えず独りよがりの記事を書いている
- なので「ブログ 稼ぐ」といったキーワードで調べた事もあまりない
えーと、えらい具体的ですよね。
そりゃそうです。自分の事ですから(爆)
ところで、上で「独りよがりの記事」という言葉を使いましたが、この「独りよがり」というのがとても重要なキーになります。
その辺りを以下で見てみます。
一線を越えるためには「大きな谷」がある
さて、四象限のうち緑の「③趣味クラスタ」にいるブロガーにとって一つの大きな命題は(目指すかどうかは別にして)、一線を越えてオレンジの「②趣味と副収入両立クラスタ」に「昇格」する事、だと思います。下の四象限マップにおいて、「B」の矢印で表しています。
ここに「結構大きな谷」があると表現していますが、上の方で、「(②のオレンジの)エリアに仲間入りするのにも、ある程度「自分の書きたい事」を犠牲にする必要」がある、と言うのがまさにこの「谷」に当たります。つまり②のエリアに入るためには以下の事が必要になると考えられます。
- 広告収入観点:相当検索ボリュームが見込めるテーマである必要がある
- アフィリエイト収入観点:そのテーマの中でも購買行動を誘引する記事内容にする必要がある
1番については、例えばGoogleキーワードプランナーでこんなワードで検索ボリュームを比べてみます。
- 「ユニクロ コーデ」:最大10万件/月
- 「インド 旅行記」:最大1,000件/月
なんと後者は前者の百分の一です( ;∀;) まあ確かに旅行記っていかにも需要無さそうですよね・・・。「独りよがり」テーマの代表例かと(自分に言ってますw)。
また、2番についても、例えばキャンプをテーマにしているとして、淡々とキャンプレポートを書いていてはあまりまとまった収入は見込めません。収益重視ならやはりキャンプギアの紹介等を積極的に行う必要があります。
もちろん、ラッキーにもこれらが自身の関心ややりたい事に元々マッチしているというブロガーさんも相当数おられると思います。それなら実に羨ましい。
(余談)書きたい事だけ書いて大量のPVを得られるのは有名人専用VIPゾーン
ここまで書けば、上の図で「C」みたいなベクトル=「好きな事だけ書いててもPVが稼げる」なんてのがかなり夢の夢だというのがお分かり頂けると思います。SEOも意識せずテーマも意識せず極端な話日記を書いているだけで大量の収入(もしくはPV)を得られる人達・・・それはほぼ一握りの有名人だけに与えられた特権という事になります。
人によっては「谷の向こう」より大切にしたい「非収益インセンティブ」がある
では、谷のこちら側、緑色の「③趣味クラスタ」に留まる理由があるとすれば何だろう?という事を考えます。人はなぜ儲かりもしないのに旅行記だのキャンプレポだのを書くんだ、って話ですね(全部自分のことですw)。
究極的には「書きたい事を書きたい」に集約されるんだと思うのですが、そんな収益以外の動機=「非収益インセンティブ」について、Twitterで色々な方と交流させて頂く中で見えてきたアイデアも交えながらもう少し因数分解してみるとこんな感じなんじゃないかと思います。
①自分の体験や感動を誰かに伝えたい
人間の根源的な感情かも知れませんね。旅行記なんてまさにその典型だと思います。いいものは誰かに伝えたい。感動を共有したい。
人は人と共感できると喜ぶ生き物です。
②それによって誰かの役に立ちたい
さらに①で伝えた感動によって誰かを突き動かして行動にまで導くことが出来たらそれほど嬉しいことはありません。
例えば自分の車のレビューを読んだ事が一助となり誰かがその車を買ってくれたら、やり甲斐を感じますよね。
人は経済的動機よりも社会的意義にモチベーションを感じるというのはよく言われる話です。
③自分の趣味や大切な事に関する理解や思考を深める手段としたい
「シコウ」は「趣味嗜好」の「嗜好」ではなく「思考」です。
自分の脳内の思考を文章に起こすことによって生まれるメリットは少なくありません。
例えば趣味のこと、仕事のこと、様々な主義主張・・・それらを文章に起こすためには曖昧なままではダメで、ロジックを整理したり、ある程度客観的な情報も収集する必要があります。
例えば「自分はどいうカメラやレンズを買うべきか」「次の愛車に求めるものは何か」と言った身近な事柄も、文章に起こすことで知識を深め、自分を冷静に見つめなおして考えを整理する事が出来ます。
④自分が生きた証=「ライフログ」を残したい
ちょっと大げさに書き過ぎましたが、何となく分かって頂けるんじゃないかと(笑)
一番わかりやすいのはやはり旅行記。どこそこの国でこんな素晴らしい体験をした、という話を記録として綴っておきたいと思う人は少なくないでしょう。
また車好きなら、愛車の整備記録や、この時はこの車でどこそこへドライブに行った、なんて思い出が後から追えると嬉しいものです(特に整備記録のような情報はそれこそ他の誰かの役に立ちますしね)。
ファミリーキャンプブログなら、そのまま家族とのライフログになるってのも素敵です。
⑤とにかく文章を書くことが好き。
最後に、どうにも究極的な動機です。
もうね、文末に「。」付けちゃいましたよ。モーニング娘。かよ。
これまた別の話になりますが、「Youtubeも流行ってるけどやっぱりブログが好き」っていう話、割とよく聞くんです。
テキストで残せる心地よさって、何となくあるんですよね。地球上の生物の中で唯一「文字」を発明した人類のDNAがそう訴えているのかも知れません(笑)
こうした「非収益インセンティブ」、筆者の考えだけでも少なくともこれだけ出てきたので、他にも色々ある事でしょう。
「非収益インセンティブ」と「収益」の心地よいバランスを見極める
では、「収益化」というお題目と「非収益インセンティブ」という動機のバランスはどう考えれば良いのでしょうか。
特に元々①~⑤のいずれかの欲求を満たすためにブログを始めたブロガーは、収益優先に倒した場合、上で書いた様に何らかの理由で①~⑤のいくつかを犠牲にする必要が出てきます。それがクリティカルなものであった場合、ブログ執筆自体のモチベーションが下がってしまい兼ねません。ある意味、「『好き』を仕事にしたら『嫌い』になった」という話にも通じるかも知れません。
「趣味クラスタの中でPVを最大化する」という落とし所
もう一度四象限マップを載せます。
ここで筆者のように上の図の緑のポジションに居る趣味ブロガーにとっては、「A」のベクトルのような動き、つまり緑のエリアの中でより多くの人に読んでもらうために努力するというのが落としどころなんだろうなと言う気がします。具体的にはこういう事かと思います。
- ①~⑤の「非収益インセンティブ」の中で自分が大事にしたい価値観は死守。その上で、
- 可能な限りSEO最適化
- 可能な限り検索ボリュームの多いテーマやトピックの「比率」を上げる(でも限定はしない)
- 無理にならない範囲でアフィリエイトも増やす
- SNSを活用
例えば、文体や記事構成に大きなこだわりが無ければ、他はいじらずにSEOをとことん突き詰めることで一定のPV増が見込めます。
あるいは、キャンプレポや写真ブログなら、機材の紹介を心持ち増やすことでアフィリエイト収入増を狙ってみる手もあります。
要は、どちらかに倒すと言う極論ではなく、自分の非収益インセンティブを損なわない範囲で美味しいとこ取りをすると言うのが、モチベーション維持と収益極大化のための理想的な落とし所になりそうです。
あとがき
当たり前と言えば当たり前の事を書いてしまった感はありますが、少なくとも自分の頭の整理にはなったので、目的の一つは達成出来たということで良しとします(笑)
半年後には全然違う事を言っているかも知れませんが、こうして定期的に自分の目的を棚卸して、無理なく続けられたらいいですね。
この管理人、最後は自分の頭の整理になった、ちゅうとるが、結局自分のためかのう。
ブログなどと言うのは趣味でやっとる限り結局自分が楽しめるかどうかじゃ。では訊くが、おぬし、何のためにキャバクラに入れ込んどるんじゃ?
あげなものは何にもならん。自己満足に決まっておろうがのう。
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