【AIに裁かれる恐怖】Google AdSense広告配信制限から復活するまでの冤罪獄中記録

それは年の瀬も迫る12月4日のことでした。悲劇はたった一通のメールから始まったのです。

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お客様のAdSenseアカウントでの広告配信を制限しました。

お客様のAdSenseアカウントでの広告配信を制限しました

何とも無機質なメールです。そして、あまりにも思い当たることが無さすぎて一瞬何の話だか全く分からず、久々にタローラモ君とジローラモ師匠を登場させちゃう程です。

タローラモ君
タローラモ君

「AdSense」って書いてあるけども、まさかあの「AdSense」じゃなかろうもん?

ジローラモ師匠
ジローラモ師匠

まさかそんな事はあるまいて。『杞憂に終わりました』ちゅうやつじゃよ、うむうむ

しかし現実は残酷です。以下は上のメールを受け取った直後の本ブログのスクショです。

お客様のAdSenseアカウントでの広告配信を制限しました。

杞憂には終わりませんでした。前日まで本ブログに配置されていたAdSense広告が跡形も無く表示されなくなっていました(涙)警告も何もなく「自動的に」というのが何とも恐ろしい。

別にブログ収入で食ってる訳でもなければ大した額が入ってきてる訳でもなく、「まあせっかくブログやってるんだし広告収入ってのがどんなもんなのか経験しておいた方が話しのネタになるよね~」くらいのスタンスなのですが「あるべきものが表示されない」、そして「貰えるべきものが貰えない」というのはやはり気持ちの良いものではありません。

そう、筆者からすれば「貰えるべきもの」なのです。お奉行様、そいつは言いがかりってぇもんです。何を隠そう、AdSenseとはもう4年近いお付き合い。今更何の不正行為なんぞを働く道理がありましょうや。

つまり本記事は広告配信制限を受けるような事実には一切思い当たるフシがない、と言う「冤罪」の状況から、無事に生還するまでのお話です。

ここで最初に全体の経緯を整理しておきます。

  • 12月3日:Googleより通告、AdSense広告配信停止
  • 12月19日:一瞬広告復活(AdSense管理画面上には「表示制限」の警告が残ったまま)
  • 12月21日:再び広告表示されなくなる
  • 1月3日:広告表示復活(AdSense管理画面上には「表示制限」の警告が残ったまま)
  • 1月8日頃:AdSense管理画面上でも「表示制限」の警告消える

ということで、本獄中記録が同じ様な状況の方にとって少しでも参考になれば幸いです。

※その後、一部ページのポリシー違反(これも冤罪)による一部広告の配信制限も経験しました。その事例については下記記事を御覧下さい。

【悲報→解決】AdSense サイト運営者向けポリシー違反レポートで「アダルトコンテンツ(性的な内容)」容疑を受ける
それは9月13日の朝の事。 目を覚ましてスマホを開くと、背筋も凍るようなタイトルのメールが届いているでは有りませんか。そのタイトルは「AdSense サイト運営者向けポリシー違反レポート」。 ある日突然こんな恐ろしいメールを受け...
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容疑の内容を明らかにする – 「無効なトラフィック」とは何か

まずは一体全体何故こういう状況になったのかを把握しなければなりません。その上で出来る限りの対策を講じる事になります。詳しい状況を知るために、何はともあれ自分のAdSenseの管理画面を開いてみます。すると最上部に、確かにこう表示されています。

「表示できる広告の数が制限されています。詳しくは、ポリシー センターをご確認ください。」

お客様のAdSenseアカウントでの広告配信を制限しました

「ポリシー」と「センター」の間の微妙な半角スペースが微妙に気になりつつも、「ポリシー センター」へ行ってみます。

お客様のAdSenseアカウントでの広告配信を制限しました

とりあえず12月3日付けでこの制限が適用されたことが分かります。さらに下の方へ読み進むと

「通常、この広告配信の制限がお客様に影響を与える期間は 30 日未満ですが、それ以上となる場合もあります。」

とあります。通常30日前後の間広告収入がストップとのこと・・・間違いだったら損害賠償請求するぞ!という気持ちになります(なりません)。

それはともかく大事なのはここ↓ですね。

「詳しくは、広告配信の制限についての記事をご覧ください。」

とあるのでさらに誘導されてみます。

広告配信の制限 無効なトラフィック

画像クリックで該当ページへ

これによると、

「Google がお客様について調査し、トラフィックの品質を評価する間の、広告配信の一時的な制限であるか、AdSense アカウントで無効なトラフィックの問題が特定されたことが原因である場合があります。」

と、主に2つのケースが挙げられています。上で触れた通りAdSense広告が配信開始になったのは4年近く前なので、前半の「このサイトが評価されている」という状況は当てはまらないと思われます。どうやら後半の「無効なトラフィック」というのが問題のようです。

ちょうど「無効なトラフィック」へのリンクが張られているので見てみます。すると「無効なトラフィックの定義」とあります。

無効なトラフィックの定義

画像クリックで該当ページへ

無効なトラフィックの例は次のとおりです。

  • サイト運営者様が、ご自身のライブ広告をクリックしてクリック数やインプレッション数を増やすこと
  • 1 人以上のユーザーが繰り返しクリックして、クリック数やインプレッション数を増やすこと
  • サイト運営者様がご自身の広告でのクリックを誘導すること(例: 広告をクリックするようユーザーを誘導するあらゆる言葉、大量の偶発的クリックを誘発する広告掲載など)
  • 自動クリックツールやトラフィック ソース、ロボット、その他の不正な行為を行うソフトウェア

この中に当てはまるものがあるかどうか、じっくり見てみます。

まず、3番目の「サイト運営者様がご自身の広告でのクリックを誘導」と4番目の「不正な行為を行うソフトウェア」については関係ありません。お奉行様、とんだおっかねえ事をおっしゃる。

1番目の「ご自身のライブ広告をクリックしてクリック数やインプレッション数を増やす」については微妙ですね。自分では(それこそ制限を食らいかねない行為だと分かっているので)広告をクリックした記憶はもちろんありません。しかし「うっかり」を100%否定する事も出来ませんし、検証する術もありません。こちらについてはGoogleに「やってません」と一報入れておくくらいしか無いと思われます。

重要かつ対策が必要なのは2番目の「1 人以上のユーザーが繰り返しクリックして、クリック数やインプレッション数を増やす」ケースですね。

「1 人以上のユーザーが繰り返し(広告を)クリック」するのはどういう場合か

これが厄介なのですが、いろんな場合があり得ます。概ね次のような感じです。

  • 悪意の場合=「AdSense狩り」
  • 善意の場合=知人・親類が「良かれと思って」クリックしてくれちゃった
  • 偶然の場合=上のどちらでもなく、たまたま複数回広告がクリックされた

「AdSense狩り」について他にも色々説明があるので詳しくは説明しませんが、要はこの広告配信制限の仕組みを知った上で特定のブログに対して迷惑行為として行われる意図的な広告クリックです。特定の個人に恨みや妬みがあるとは限らず、単に愉快犯だったりもするでしょう。

2番目の善意のケースは、「広告をクリックしてあげると●●さん(ブログ運営者)は喜ぶだろう」という「良かれと思って」というケースですが、当然Google側はそんな事情を関知してくれないので、制限の原因になります。3番目も同じように、悪意があろうが無かろうが配信制限のリスク要因になります。

2方面で対策を実施

ここで言う対策には2つの目的があります。どちらが欠けてもいけません。

対策は2方面
  1. Googleに「無効なトラフィック」の分析結果を送信 ⇒ 配信制限の解除へ
  2. 「無効なトラフィック」の発生を防ぐ対策を実施 ⇒ 制限解除後のアカウント停止防止のため

まずは現在の広告配信制限を解除してもらわねばなりません。その為にGoogleアナリティクスを使って「自分以外の誰かによって無効なトラフィック(異常な広告クリック)が発生させられている」事を突き止め、それをGoogle様に報告する事で身の潔白を証明するのです。

次がもっと大事なのですが、せっかく制限が解除されても引き続き「無効なトラフィック」が頻繁に発生してしまっては最悪の場合「AdSenseアカウントの停止(剥奪)」という事態になりかねません。その為に「広告が繰り返しクリック」されないような仕組みをWordpress側に導入します。

対策①:Googleアナリティクスによる分析と報告

では実際に「1 人以上のユーザーが繰り返しクリック」しているような状況が発生しているのかどうかを調べます。Googleアナリティクスを使います。普段ほとんど開いたことが無いんだけど、こういう時に役に立つんだね、君・・・

特定の市区町村から異常な広告クリックがあるかを調査

広告クリック主のIPアドレスなどを特定できる訳ではありません。ここでは、「市区町村」という狭いエリアから、ページの表示回数に対して多すぎる広告クリックが発生しているかどうかを見ます。まずGoogleアナリティクスで以下の手順を行います。

Googleアナリティクスの手順

①左のメニューで「ユーザー」⇒「地域」を選び、右の表示結果で「市区町村」を選ぶ。

②表示形式を「エクスプローラ」「AdSense」「AdSenseのCTR」に設定

③分析対象期間を設定

AdSense 広告配信制限 アナリティクス

分析対象期間ですが、まず、今回は制限が適用された12月3日から1か月ほど遡って分析する事にしました(具体的にいつ発生したトラフィックが無効と見做されたのかは知る術がない)。その上で、上のアナリティクス画面では1週間ずつくらいに分けて分析しました。対象期間を1か月としてしまうと、特定の市区町村の1か月のCTR(クリック率)の平均が表示されてしまうため、無効なトラフィックが発生した日を特定出来ない可能性があるためです。

結果が表示されたら、下の表のところで「AdSenseのCTR」順で並べ替えます。

AdSense 広告配信制限 アナリティクス

すると出てきましたね。いくつかの市区町村にて、ページの表示回数に対して多すぎるクリックが発生しています。例えば一番上の市区町村では、ページ表示が1回なのに対し7回のクリックが発生しています。

さらにそれが発生した日付を特定するために、調べたい市区町村の左のチェックボックスをONにして「グラフに表示」させると、下の様に異常なクリックが発生した日付が分かります。例えば「Shi●●町」での過剰クリックは11月4日に発生したことが分かります。

AdSense 広告配信制限 アナリティクス

もちろんこの内容だけでは悪意なのか善意なのか偶然なのかは分かりませんが、「サイト運営者」である自分以外の誰かによる公告クリックだという事が言えれば良いので十分です。

しかし正直なところ、大した件数ではないような気がしていて、これらが本当に「無効なトラフィック」として広告配信を制限するきっかけになったのか、未だに全く分かりません。

「無効なトラフィック」の分析結果をGoogle様に報告

次にGoogle様に報告です。上の「無効なトラフィックの定義」のページの下の方にこの様にあります。

第三者が無効なトラフィックを発生させている疑いがある場合は、こちらのフォームからトラフィック品質管理チームまでご報告ください。

つまり、「サイト運営者」以外による異常クリックである事を報告することで自らの潔白を訴える道が残されている、と想像されます。

上のアナリティクス画面の右上に「エクスポート」というボタンがあるので、先ほど得られた分析レポートをPDFか何かでダウンロードします。それを下記の「無効なクリックの連絡フォーム」から報告します。

Google AdSense
Google AdSense では、オンライン コンテンツから収益を得ることができます。

ところで、このフォームではファイルを添付する事が出来ません。そこで筆者は、先ほどダウンロードしたレポートファイルをGoogleドライブにアップロードし、「リンクを知っている全員」がアクセス出来る設定でURLを取得して報告フォームに書き込みました。実際に報告した内容はこんな感じです。

無効なクリックの連絡フォーム AdSense 広告配信制限

もっとも、こうした報告をしたところで一切反応は返ってこないので、ちゃんと読まれているかどうかすら分からないのですが、何もしない訳にはいきません^^;

なお、一番下の「疑わしい IP アドレス、参照 URL、リクエスト」云々という内容については、もしかすると調べる方法が何かしらあるのかも知れませんが、通常のGoogleアナリティクスの使い方では難しそうだったので特に何も記載しませんでした。繰り返しになりますが「サイト運営者」以外の誰かによるクリックだと言えれば良いので十分では無いかと思われます。

対策②:「AdSense Invalid Click Protector」プラグイン導入

さて、広告制限の解除については上のレポートを送った後は人事を尽くして天命を待つのみ、という事になります。その間に自分のブログの方の無効なトラフィック=不正クリック防止対策をしておきます。こちらのWordpress用プラグインを適用します。

Ad Invalid Click Protector (AICP)
Stable Tag: 1.2.5.2 License: GNU Version 2 or Any Later Version One plugin to save your AdSense account from Click Bombings and Invalid Click Activi …

このプラグインは、一定期間内に複数回の広告クリックを行った訪問者には広告を表示しないようにするという機能を実装するものです。

こちらのプラグインの導入方法については、検索頂ければ多数記事が出てくるのでそちらをご参照ください。というのも、それだけで1記事分くらいの分量になってしまうためです・・・。

一点注意点を申し上げておくと、このプラグインは通常のプラグインのように単に有効化しただけでは機能しません。導入の大きな流れは以下の通りです。

AICPプラグイン導入の流れ
  1. WordPress管理画面から「AdSense Invalid Click Protector」でプラグイン検索、そのままインストール、有効化
  2. 「AdSense Invalid Click Protector」(AICP)の設定を実施(ほぼデフォルトのままでOK)
  3. 「function.php」にてAdSenseのコードをAICP経由にするためのショートコード化のスクリプト追記
  4. 元々のAdSenseコードを上記で用意したショートコードに置き換える

上の項番2までで説明を終えているサイトもありますが、3、4も必要になるので注意しましょう。また、「function.php」はCSSなどとは異なり安易に触るとサイトそのものが表示されなくなる等のリスクが伴うので、必ず子テーマで実施し、バックアップを取って行う事をお勧めします(メモ帳に変更前の内容をコピーしておくだけでもOKです)。

また項番4については、筆者が使っているWordpressテーマであるCocoonの場合は、Cocoonの設定画面に記述してあるAdSenseコードを、項番3で作ったショートコードに置き換えるだけです。通常のレスポンシブ広告と「関連記事」広告の2つのコードがある場合にはショートコードも2つ作成する必要があります。

投獄からちょうど1ヶ月後、ついに娑婆へ戻る

12月3日に広告配信の制限が適用されてから1ヶ月日後の1月3日、ふと本ブログを眺めると、懐かしい光景が・・・

お客様のAdSenseアカウントでの広告配信を制限しました。

ウルトラセブンの登場と共にAdSense広告表示がシレっと復活していました。「無効なトラフィック」レポートをガンガン送り付けたのが功を奏したのかどうかは知る術はありませんが、まさに「人事を尽くして天命を待」った甲斐があったというものです。

なお、上記の広告が復活した後もAdSenseの管理画面を開くと何故かこの表示が残っていましたが、それも1週間ほどで消えました。

お客様のAdSenseアカウントでの広告配信を制限しました

制限解除後も油断してはならない

これで一旦配信制限は解かれましたが、上で触れた「広告配信の制限」の解説ページには次のような恐ろしい文言が書いてありました。

注: アカウントで無効なアクティビティが検出された場合、またはその他の問題が見つかった場合、アカウントはさらなる強制措置の対象になるか、永久的に無効になる可能性があります。

「永久的に無効」とか!!!なので、上の対策②でご紹介した様な不正クリックを防止するための自衛手段は欠かすことは出来ない訳です。

参考:制限開始から2週間後に一瞬広告が表示された

なお、実は広告配信が制限されてから2週間後の12月半ばに、3日間ほどだけ広告が復活した時期がありました。通常30日程度での復活との説明と比べて随分と早い復活だなと小躍りしましたが、すぐに再び表示されなくなったので完全に糠喜びでした・・・理由は一切分かりません。一時的に表示させて無効トラフィックの状況をテストしたのか・・・いずれにしても、そういう事もあるという参考情報です。

さいごに:AIが無慈悲に人を裁く「サイコパス」の恐怖を垣間見た

さて、今回の一連の出来事で筆者はあるアニメを思い出しました。「PSYCHO-PASS サイコパス」という近未来を描いたSF作品です。

この近未来の世界では、「シビュラ・システム」と呼ばれる巨大監視ネットワークに人々のありとあらゆる情報が格納され、進学や職業、結婚の適性、果ては「犯罪係数」と呼ばれる「人が犯罪を犯す可能性」までもシステムが判断し、「犯罪係数」が高い人間は犯罪を犯す前に裁かれるのです。

今回のAdSense広告配信制限の一件では、サイト運営者側に不正の意識が有るか無いかは一切関知せず、機械的に「無効なトラフィック」と見做され、突然機械的に広告の配信が遮断されました。そしてこの後も、下手をすれば(運が悪ければ)「永久的に」アカウントが無効になってしまう恐れもあるのです。しかもそこには「人間を介した申し開きの機会」は一切与えられず、基本的にはGoogleがAIで判断しているはずです。

今回はたかが広告だけの話ですが、SNSやメールでの発信内容などの様々な情報をAIで分析し、「Aという人間にはこうしたサービスの利用には不適な感情的性向がある」「Bという人間は反社会的な危険思想がある」といった結論を機械的に導き出し、様々なサービスの利用を制限したりする事も不可能ではありません。例えば、全く身に覚えのない「不正行為」により、GoogleやAmazonの全てのサービスが遮断される事は十分あり得る訳で、それらのプラットフォーマー達の影響力が大きくなるほど、その打撃もまた大きなものになります。

アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」では、登場人物たちが「正義とは何か」というテーマで悩み続けます。AIが様々な物事を判断し、効率と人間性のはざまで翻弄される時代が、ついにこんな身近なところにもやって来たな、と感じた一件でした。

Source: dアニメストア

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