さて、先日の記事の通り、来年丸9年4度目の車検を迎える前に中々気合いの入った整備見積りが提示された我が愛車2012年式T7型308SWの状況を鑑み、買替え議論が風雲急を告げて来た感がある筆者宅です。(←更新ズボラにつきこの下書きを温めている間に実は検討に進展があったのですが、その話は後日・・・)
そんな中、昨年夏ごろにプジョーシトロエンジャパンの中の人から日本上陸の情報を得て心待ちにしていたリフターの実車に、ついに試乗することが出来ました。試乗したのは「Debut Edition」という初回限定バージョンですが、公式にカタログモデルになるリフターと基本的に同じものだそうです。
現状東京エリアではプジョー・シトロエン・ジャポンとしては公式に試乗車は用意しておらず、個人的なツテによるお忍びでの貴重な試乗機会だったので、ここで試乗インプレをお伝えしたいと思います(`・ω・´)
プジョー リフターの外観・内装・ユーティリティ
外観
この辺りはリフターに関心のある方には細かくご紹介する必要はないと思いますのでサラッと。
シルエットはベースの商用車然としていますが、ライトやグリル周りのデザイン、加飾などで、洗練された感じを上手く醸し出していますね。さすがデザインに長けたプジョーの仕事です。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/520 sec, ISO25)
リアは最近のプジョーおなじみの三本爪のテールライトがいい感じのアクセントになっています。いかにも「荷物どんだけでも飲み込みまっせ」という雰囲気も個人的には大好物です。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/180 sec, ISO25)
デザイン優先で妙に傾斜を付けて実積載容量を犠牲にするくらいなら、いっそこのように切り立ったお尻にして実用性を重視してくれる設計理念のほうが個人的にはグッときます。
ただ、この全体のシルエットを野暮ったいと見るか実用的で美しいと見るかは大きく意見が分かれそうですね。我が家の場合、筆者は上記の通り実際的で無骨で美しいと見ますが、家族の評価は決して高いものではありませんでした。それはこの後見た5008が、リフターと同じように実用的で切り立ったお尻であっても俄然質感が高いので、それと比べてしまったからかも知れません^^;
ちなみに下の写真は試乗ではなく昨年秋の六本木ヒルズでの展示会での一枚ですが、カラー的には個人的にはこのオレンジっぽいカッパーの方が好きかな〜。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/35 sec, ISO400)
コックピット周り
コクピット周り。商用車ベースにまさかのi-Cockpit採用で存外に上質かつスポーティです。この組み合わせ、控えめに言っても「変態」で差し支えないかと思います。一応パドルシフトも付いています。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/95 sec, ISO100)
インパネのエアコン操作部の下の物入れはスマホの非接触充電「Qi」に対応しています。
前席のドリンクホルダーはセンターコンソールではなくメーターパネルの右にあります。助手席側も同じ場所にあります。ペットボトルも入るそうです。
一点シフトセレクターがダイヤル式って言うのが操作性の上でやや気になりまね。リバースやDへの切り替えが感覚的に出来なさそう。
インパネの操作系ですが、エアコン操作部が物理的に独立しているのはいいですね。以前から気になっていたのですが、最近のプジョーのi-Cockpitは、従来インパネの物理ボタン/タイヤルで行っていた操作の殆どをタッチパネルで行う方向になってきていますが、正直あれは操作しづらいと考えています。運転中にタッチパネルを操作するというのは比較的億劫でかつ目視が必要なため危険が伴うものです。
理想としてはマツダやBMWが採用しているような、センターコンソールの手元のセレクターダイヤルやボタンでも操作できるタイプが個人的には最も操作性・安全性とデザインの両立に優れていると感じています。
内装とユーティリティ
また内装全般について、よくインプレ記事で見かける通りプラスチッキーな感は否めませんが、商用車上がりの実用性重視だとすればいいんじゃないかと思います。
頭上を見上げるとそこにはパノラミックガラスルーフが奢られています。上で実用性重視とか何とか言った直後にアレですが、実用性とか関係なくこれはやっぱりテンションが上がるぜひゃっほーーう!
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/1300 sec, ISO25)
※電動サンシェードも備わっています。
ちょっとだけ手が見えていますが、このように小物置も兼ねています。
中はこんな風に仕切られています↓
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO320)
六本木での展示会での写真ですが、夜はこのようにアンビエントライトが点灯します。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO250)
これは夜のドライブが楽しみになりそうですね♪
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO160)
ちなみに室内高ですが、身長約150センチの長男が少し足を曲げて立ち上がれるほどの余裕があります。子供の着替え等には便利ですね♪(大人でも)
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/25 sec, ISO400)
後席の足元ですが、身長178センチ(最近何故か177センチに縮んできた)の筆者でも余裕です。拳2個〜3個分は空きます。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/17 sec, ISO1000)
ドリンクホルダー付きのテーブルも旅行には便利ですね。現愛車の2012年式308SWには同じようなものが付いているのですが、5008等他の車種では引き継がれていない(テーブルはあるけどドリンクホルダーはない、とか、肘置きにドリンクホルダーがあっても真ん中にスキー通したら使えない、とか)ので、これはいいですね。
ドアの開閉には少しの力と少しのコツが要る
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/20 sec, ISO640)
後席スライドドアは重めです。そして、コツが要ります。
まず電動ではない上にドアの厚みもあるので、やや筋力が要ります。
また、動かす方向ですが、国産ミニバンでよくある、一旦車体の外方向にグッと押してから車体後方にずらす感じではなく、最初から車体後方にずらす感じなので、やや力が入れづらい感じはあります。
よって、小5の長男は何とか自分で開けていましたが、細君や小3の次男は慣れるまで少し難儀していました。
まあ、男性なら問題はないと思いますし、女性や子供でも、慣れと、開ける際に少しだけ「フンッ」と界王拳1.2倍くらい発動すれば大丈夫かと思います。
荷室
筆者の大好物、荷室レビューです。広大な荷室を見ると心躍る荷室フェチです。ただし今回は時間が無かったので簡易です。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/35 sec, ISO400)
日本に導入されるリフターはロング版ではないので、5人乗車時で597Lの容量になります。ただしこれはトノカバー下の容量なので、上まで積めば軽く引っ越し出来るんじゃないかくらいの容量になること請け合いです!(※大容量であることは請け合いますが、引っ越しできるかどうかは保証しませんw)
また、この仕切が秀逸です。こうして設置する高さを二段階で変えることが出来る上に、この仕切り板の上には25kgまでの重量物を乗せることが出来ます。もう、キャンプ用としては最高のユーティリティだと思います。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO200)
また上の写真の上の方にちょっとだけ見切れて写っていますが、天井部にも巨大な物入れがあります。飛行機の座席の上の物入れのようにパカッと開くんです。この物入れには後部座席からもアクセスできます↓
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/49 sec, ISO400)
そしてもう一つの注目点は、ガラスハッチですね。
Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO80)
このようにガラスウインドウ部分だけを開閉出来るようになっているので、駐車場などで後ろが詰まっていてこのデカいリアハッチを開けられない場合や、嵩高く荷物を積んだ上でトノカバーをして、その上にちょっと買い物したものやバッグなどを置ける、など工夫次第で重宝する場面は多々ありそうです♪
これらのマニアックなユーティリティを見ただけですっかり惚れ込んで(他の気になる点は全て頭から吹き飛んで)思わずハンコを押してしまいそうな魅力に溢れていますよね^^
その他興味深い物入れやユーティリティはわんさかありますが、今回は時間が無かったのでその辺りは他の記事にお任せします。
さて、いよいよ運転してみます。
プジョー リフターのドライブフィール
試乗したのはリフター・デビューエディション、最高出力96kW(130PS)/3750rpm、最大トルク300Nm/1750rpmを発生する1.5Lディーゼルターボエンジンを搭載したモデルです。六本木でのお披露目会やディーラーの方の話では、おそらく2020年夏以降に本格導入される際にもパワーソースはこのエンジン一本になるだろうとのこと。
今回の試乗では住宅街と幹線道路含む都内の一般道を30分ほど運転させてもらいました。
ステアリングと乗り心地
まず、上で触れたように最近のプジョーお得意のi-Cockpitの小径ステアリングホイールが採用されている事もあり、思ったよりもクイックでスポーティな感覚で曲がります。街中なのであまり詳しくは分かりませんが、少なくとも日常的な街中での運転で「楽しいな」と思わせる曲がり方です。
さすがPSAの最新プラットフォームEMP2を(部分的に)採用しているリフター、乗り心地に関しても家族からはなんの不満も出なかったので問題ないでしょう。
ただ、キャンプやスキーで山道やワインディングに行った際にこの背の高さがどうロールなどに影響するのかは少しだけ不安要素ですね。
また、今の308SW(2012年式T7型)よりもやや横幅が大きくなる(1820mm→1850mm)のがどうかと思いましたが、座面と視点が高いこととスクエアな車体のおかげで車体感覚が掴みやすかったので住宅街の狭い道でも不安はありませんでした。
静かだけどもう少しパワーが欲しいエンジン
エンジンONにした瞬間
「おっ?これディーゼルですよね?」
と思わず営業さんに訊いていました。
非常に静かで、5008などで少し気になっていたカラカラ音が全くと言っていいほど聞こえません。イメージ的にはガソリンPureTechの1.2リットル3気筒エンジンの音に近いような気がしました。営業さん曰く、排気量が小さいからかも知れません、とのことです。
トルクの出方も穏やかで、スムーズな発進はこの車のキャラクターに合っている様に感じます。
ただ幹線道路に出ていつもの感覚で加速してスピードを乗せようとすると、流石に中々乗ってこないなと感じました。308と比べると、同じくらいの出力のガソリンモデルより100kgほど重く、重量でほぼ同等のディーゼルモデルよりは非力、というところで、やや力不足に感じるのは仕方がないところでしょうか。まあこれも、この車のキャラクターには丁度いいのかとも思います。
あと今回は試せませんでしたが、高速試乗もぜひしてみたいところですね。上記のパワー感が高速巡航や追い越しなどで思ったタイミングで必要な加速や伸びが得られるのか、前面投影面積が大きいことからくる風切り音などの具合はどうか、あるいは商用車ベースなのでロードノイズなどの遮音性はどうか、など色々気になる点はあります。
まとめ
上でも書きましたが、おそらくルノー・カングーと並んで世界最強レベルではないかと思われるユーティリティと商用車ベースと思えないオシャレなデザイン、スポーティな雰囲気のコックピットなど、実に魅力的な車が日本にやって来たものだと思います。個人的にはそれだけで惚れてしまいそうです♪
一方Fun to Driveという観点では、筆者的にはもしかすると少し物足りないかもな・・・という感想でした。もし購入を検討する場合はぜひ高速道路でも試乗してみたいところです。キャンプやスキーでは長時間の高速道路移動は切り離せませんからね。
プジョー リフター Debut Editionの基本情報・諸元
価格 | 336万円 |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 8AT |
エンジン | 直列4気筒ディーゼルターボ |
排気量 | 1,499cc |
最大出力 | 130ps/3,750rpm |
最大トルク | 300Nm/1,750rpm |
全長 | 4,403mm |
全幅 | 1,848mm |
全高 | 1,878mm |
最小回転半径 | 5.5m |
定員 | 5名 |
荷室容量 | 597L(5人乗車時)/2,126L(リアシート倒し時) |
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