こんにちは、10max(@10max)です。
ベトナム赴任前最後のファミリーキャンプレポの後半、2日目の朝です。前半はこちら↓
厳然たるタイムリミット
2泊3日のネイチャーランドオム古民家風コテージでのキャンプも残すところあと1日半。これまでであれば「まだまだたっぷり時間はある」と感じていたはずですが、この朝は「明日には帰ってしまうのだ。そしてそ再び家族でキャンプに来ることはあるのだろうか・・・」と、一抹の寂しさが胸を過ぎります。
そしてコテージのそばに佇む愛車パサオ君ことパサートオールトラックとのキャンプは、間違いなくこれで最後(後で触れますが、なんとパサオもそれを感じとっていたのか、夜中に不思議な現象が起こります)。
今までもキャンプに来るたびに「子供達はいつまでキャンプについて来てくれるのかな〜。パサオとあと何年キャンプに行くんだろうな〜」と言ったそこはかとない切なさはありましたが、それでもある日を以て確実に終わりが来るという事ではありませんでした。
しかし今回は大きく異なります。海外赴任という道を選んだことで、厳然たるタイムリミットが出現したのです。
そのタイムリミットに向けて、砂時計の砂は確実に落ちていきます。
SONY ILCE-7C, (72mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO100)
それでも森の時間は緩やかに流れていく
しかしそれでも砂の落ちる勢いを遅らせるためのヒントはあります。
それは、森の中では時間が実に緩やかに流れてくれるということ。
SONY ILCE-7C, (28mm, f/8, 1/30 sec, ISO1250)
この2日目は一日中何もしないと決めていました。
道志の森とせせらぎに囲まれ、子供たちは気ままに遊び、コーヒーを淹れ、太陽が南に昇れば昼食を摂り、再び森の中で自由にダラダラと過ごし、写真を撮り、日が傾かないうちからビールを飲み・・・
そんな風に自然の中で家族だけの時間を過ごそう。GWの渋滞の中でやきもきするのは疲れるだけだし勿体ない。
思い出は頑張って作り出すものではなく、過ごした時間が心に積もって出来ていくものなんだ。
SONY ILCE-7C, (50mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C, (54mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO200)
SONY ILCE-7C, (28mm, f/2.8, 1/500 sec, ISO100)
筆者がローアングルで愛車のパサオを撮っていると、負けじとローアングルで愛車(GVBインプレッサのトミカ)をローアングルで激写する中学生。
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO125)
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO100)
筆者が土と草の地面を力強く踏みしめる愛車を撮っていると、負けじとワイルドな斜面で愛車を激写する中学生。
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO100)
こうしたどうでもいい時間が、ただただ愛おしいのです。
朝食にクノールのスープを作ります。こうして皿に並べるとインドのスパイス屋の様な風情です。
SONY ILCE-7C, (50mm, f/2.8, 1/1000 sec, ISO250)
SONY ILCE-7C, (42mm, f/2.8, 1/1000 sec, ISO2000)
コンビーフといなばのガパオ缶詰でホットサンドを作ります。
ズボラですが激ウマです。
SONY ILCE-7C, (55mm, f/2.8, 1/800 sec, ISO640)
SONY ILCE-7C, (57mm, f/2.8, 1/800 sec, ISO400)
SONY ILCE-7C, (45mm, f/2.8, 1/800 sec, ISO320)
SONY ILCE-7C, (59mm, f/2.8, 1/320 sec, ISO100)
まだまだ一日は始まったばかり。
何しろ今日は何もしないで過ごす平凡で特別な一日なんだから。
SONY ILCE-7C, (49mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C, (40mm, f/8, 1/500 sec, ISO100)
次男が焚き火の燃料代わりの松の葉を拾いたいと言い出したので細君がついていきます。
森の散策では子供達は大人が気付かない様々な発見をしていることでしょう。
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/1000 sec, ISO8000)
これが本当によく燃え上がるんです。松脂が含まれていますからね。
次男、グッジョブ!
SONY ILCE-7C, (46mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO100)
森の中でプチダウンヒルにちょうどいい少しガレた斜面がありました。
セミファットのタイヤが大きな瓦礫も軽くいなします。長男のフォームも板に付いてる。
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/1600 sec, ISO2500)
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/1000 sec, ISO400)
行きは良い良い帰りはこわい。
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/500 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/3200 sec, ISO10000)
水が綺麗だなと思ったら、わさびを作っていました。道理で。
SONY ILCE-7C, (28mm, f/5.6, 1/100 sec, ISO100)
5分で潰えた「森の中でドヤり顔ブロガー計画」
静かな森の中でブログを更新してみるというのも乙なもの・・・と思い密かに持ってきたMacBook Proを広げて一人ドヤ顔をします。
SONY ILCE-7C, (57mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO200)
しかしその5分後、子供たちが「お腹すいたー!」と言って戻ってきたため、密かな「森の中でドヤり顔ブロガープロジェクト」は一瞬で終わってしまいました。
昼も出かける時間が惜しいのでカップラーメンで済ませます。しかしここは森の中、カップラーメンこそ圧倒的MVPであることは宇宙誕生以来のこの世の摂理です。
SONY ILCE-7C, (50mm, f/2.8, 1/3200 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C, (28mm, f/3.2, 1/640 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/1600 sec, ISO160)
暮れゆく森と節目の晩餐
道志の森に夕暮れが訪れます。
SONY ILCE-7C, (35mm, f/7.1, 1/100 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C, (34mm, f/8, 1/60 sec, ISO100)
出来るだけどこへも出掛けないコンセプトでしたが、食材の買い出しだけは行かなくてはなりませんでした。せっかく出掛けたので、帰りに温泉にも立ち寄って2日間の汗と埃を落としてきました。
節目の晩餐・・・そう、海外赴任前の最後のキャンプの夜です。
そんな節目の晩餐でも、ズボラキャンプ飯路線に変更はありません。節目だからこそ、あえての定常飛行です(←後付け)。
まずはウインナーを焼きます。焼くだけですが、確実に優勝案件です。
SONY ILCE-7C, (52mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO125)
焼き鳥を焼きます。スーパーでパックに入っていた焼き鳥セットを焼くだけです。
SONY ILCE-7C, (45mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO200)
しかも、パッケージに「うまい!!」と書いてあるのだから美味くないはずがありませんよね。
SONY ILCE-7C, (45mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO100)
次に山芋のお好み焼き的なお惣菜をフライパンでジュジュっとやります。
SONY ILCE-7C, (39mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO3200)
こちらもパッケージに「ふわとろ~り」と書いてあるだけあり、中々のふわとろ~り具合です。
SONY ILCE-7C, (46mm, f/5.6, 1/50 sec, ISO2500)
簡単にできる「野菜チョッポギ」というものが売っていたので、買ってみました。
SONY ILCE-7C, (29mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO3200)
本当に簡単で美味かったです。
SONY ILCE-7C, (49mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO12800)
他にもいくつかズボラなものを食べた気がしますが、載せるに忍びないのでこのくらいにしておきましょう。ズボラキャンプ飯特集はこちらの記事を御覧下さい。
キャンプが家族にくれた、かたちの無い何か
焚き火タイムです。
この広い森の中に自分たち家族しか居ないかのような不思議な感覚に包まれます。
SONY ILCE-7C, (54mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO2500)
マシュマロを焼きます。
OLYMPUS E-M1MarkII, OLYMPUS DIGITAL CAMERA (60mm, f/4, 1/100 sec, ISO200)
マシュマロを焼きながら、家族とのキャンプの日々を振り返ります。
初めてファミリーキャンプに挑戦したのは2014年、8年前のことでした。長男が年長、次男が年少になった年です。
ファミリーキャンプを始めた理由は実にしょうもないもので、4人で旅行に行くと費用が嵩んでしまい年に1度か2度しか連れて行ってあげられないので、代わりにお金の掛からないキャンプに沢山行こう、という発想でした。
実際その後、旅行らしい旅行といえば沖縄含む国内旅行に何度か行ったくらいで、海外となると家族4人揃って行ったことはありません。
その代わりに、当初の考え通り、いやむしろすっかりハマってしまい、当初の想像以上に頻繁にキャンプに行きました。足掛け8年の間、毎年4月~11月くらいの間は毎月のようにキャンプに行きました。1ヶ月に複数回行ったこともあります。それらにかかった費用を全てかき集めたら1度くらい4人で海外旅行に行けたかも知れません(笑)
では、それで家族が得たものは何だったんだろう?
海外旅行であれば、より鮮烈な形を持った風景が記憶として残ったかも知れません。
国内であっても、その土地土地の名所の記憶はより分かりやすい形として残ったかも知れません。
一方キャンプには、珍しい建造物も名所も何もありません。
シンデレラ城もUSJのアトラクションもありません。
風景といえば、山や森、川や空、そして夜の闇と焚き火の灯りがあるばかりです。
そしてそれらはどのキャンプ場へ行っても驚くほど大きく変わるものではありません。
では、それで家族が得たものは何だったんだろう?
正解の無い問いですが、筆者の中には一つの答えのようなものが見えてきています。
それは、家族で過ごす数え切れないほどの時間の積み重ねのようなもの。
愛車に荷物を積み込み、都会を離れ、インターを降りると飛び込んでくる目の覚めるほどの青空と緑。
夜になると訪れるのは木々の葉擦れと小川のせせらぎ、焚き火の爆ぜる音以外の全てを遮断する分厚い闇。
そうした外界との接点を絶った中で、家族で火を囲み、バカ話をしたりなぞなぞをしたり火遊びをしたりマインクラフトをしたり・・・
つまりそれは自然と家族以外に向き合うもののない世界。
観光名所やアトラクションなど無くても、子供たちは自然の中で勝手に楽しみを見つけます。大人は子供たちと触れ合う時間を増やすことが出来ます。
観光名所やアトラクションは子供達が大人になり親元を巣立ってからでも幾らでも行くチャンスはありますが、自然の中で親子が触れ合う時間は今この時を逃すと二度と訪れることはありません。
一言でまとめると、キャンプを通して本当に多くの濃密な時間を家族で過ごすことが出来たな、と。
それは旅行の観光名所やアトラクションの記憶と違い、はっきりとした形のない、心に積み重なった絆のようなもの。
自分の勝手な思い込みかもしれないけれど、そんなところかな、と思いつつ、炎を眺めます。
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO12800)
突然ヘッドライトが点灯・・・!何かを訴えるもう1人の大切な家族
そんな事を考えながらみんなで焚き火を囲んでいると、突然闇を切り裂く閃光が・・・!
光源の方を振り向くと、それはなんと筆者たち家族を見下ろす位置に停まっていた愛車パサートオールトラックのヘッドライトでした。
OLYMPUS E-M1MarkII, OLYMPUS DIGITAL CAMERA (25mm, f/3.5, 1/13 sec, ISO6400)
ビックリして車を確認しに行きましたが、特に何も異常は無く、 ヘッドライトも勝手に消えました。キーはバッグの中に仕舞っていたので誤ってキーを操作したという事も考えられません。
その事をTwitterで投稿したら、ブログ仲間のtogariさんからこんなリプライが・・・
これはパサオが何か申している様に思えます🥹
— togari@クルマの魅力伝えたいブロガー (@togari11) May 4, 2022
これはやられましたよ・・・
大事な家族の一員であるパサオ、この家族での最後のキャンプという事を察して、何かを訴えかけようと思ったんじゃないか・・・と。
だって本当に最後の夜の、最後の焚き火という絶好のタイミングで、闇を貫くLEDヘッドライトで家族を照らすなんて、もうこれ以上の鮮やかなメッセージってあるでしょうか!?
一度そう思い始めたらそうとしか思えなくなって、ちょっと泣きそうになっちゃったじゃないですか( ;∀;)
そんな事もあり、忘れられない夜が更けていきます。
OLYMPUS E-M1MarkII, OLYMPUS DIGITAL CAMERA (18mm, f/3.2, 1/60 sec, ISO200)
出発の朝
帰京の朝です。3日間に渡って青空に恵まれました。
SONY ILCE-7C, (37mm, f/5.6, 1/800 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C, (75mm, f/8, 1/500 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO100)
朝食は簡単にパンで済ませます。
SONY ILCE-7C, (42mm, f/4.5, 1/200 sec, ISO100)
朝の光を浴びた新緑が眩しいほどです。
空気はまだ冷ややかさを残しており、怠惰な人間の背筋を伸ばしてくれようとしているかのよう。
SONY ILCE-7C, (28mm, f/8, 1/250 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C, (28mm, f/8, 1/30 sec, ISO100)
一方子供たちは怠惰とは無縁、最後の瞬間まで遊びに出掛けます。
SONY ILCE-7C, (75mm, f/2.8, 1/500 sec, ISO250)
SONY ILCE-7C, (45mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO250)
SONY ILCE-7C, (58mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO100)
ラストロングラン、頼むぜパサオ!
頼もしい相棒、パサートオールトラック、最後のロングドライブです。
キャンプの時も、雪山の時も、この車で遠出する時の合言葉はいつもこれでした。
「頼むぜパサオ!」
ラストロングラン、頼むぜパサオ! pic.twitter.com/LEs6PU7VrQ
— 10max🇻🇳 | 旅と車とキャンプと写真 (@10max) May 2, 2022
いつも大事な家族を守って走り続けてくれたパサオ、最高です。
もちろん最後も、快適なドライブでみんなを送り届けてくれました。
SONY ILCE-7C, (34mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO100)
帰宅後、パサオに敬意を込めて早速洗車します。
車好きの長男が手伝ってくれました。彼も将来、こうして自分の愛車を洗うんだろうなあ。
Apple iPhone 12 Pro, (6mm, f/2, 1/600 sec, ISO25)
Apple iPhone 12 Pro, (4.2mm, f/1.6, 1/2800 sec, ISO32)
筆者が頼んでいないのに、ホイールの隙間の汚れまで落としてくれる長男。車好きの鑑ですね。
Apple iPhone 12 Pro, (4.2mm, f/1.6, 1/800 sec, ISO32)
ついでに子供達の愛車であるMTBも洗います。
これらのMTBは、引き続きベトナムでも活躍して貰います!
Apple iPhone 12 Pro, (6mm, f/2, 1/470 sec, ISO25)
そして新たな旅路へ
このキャンプレポの前半記事の冒頭で、このレポートの執筆に取りかかるまでに時間が掛かったのには、単に他のことに忙殺されていた事以外にも理由がある、と書きました。
その理由は、家族の、とりわけ子供達のベトナム生活が上手く回り出すかどうかについて自信が持てなかった事です。下の記事で触れた通り、筆者が一足先にベトナムで暮らし始めた後、日本に残してきた思春期真っ只中の子供達の心境がどう変化していくのか、日本の仲の良い友人達との別れが近づくにつれ、ベトナムへ渡ることが辛くなってしまうのではないか、という不安が常に心の片隅に有りました。
しかし、これも上の記事で書いた通り、あるささいな出来事から家族の強い絆を改めて確かめることができ、家族揃ってのベトナム生活が上手く回りだしそうな予感を強く持つことが出来るようになりました。もちろん少なからず彼らにとって心理的負担が伴うことは間違い有りませんが、それでも上記記事で触れた通り子供達が「家族が離れ離れになるのはもっと嫌だ」と思ってくれているのであれば救いがあります。
それがキャンプレポを2ヶ月も温めていた事と何の関係があるのかって?
それは、もしも筆者たち家族の絆が、難しい年頃での転校を経て円滑に海外生活に踏み出せるほど強いものになっているとするなら、この足掛け8年のファミリーキャンプという営みも悪くはなかったのかもな、と思えるからです。
それによって、このキャンプレポへの向き合い方も変わってくるからです。
家族でのキャンプという営みは、ベトナムに赴任しようがしまいが、子供達の年齢を考えればどちらにしてもいつまで続いていたか分かりません。しかし、家族でのベトナム生活に踏み出すというチャレンジに、ファミリーキャンプで積み重ねた絆が少しでも役に立つのであれば、そんなに嬉しいことはありません。
そしてパサオもどこかで誇らしげに僕達家族を見送ってくれている事でしょう!
家族がベトナムへやって来るまであと4日、新しい世界線の始まりが楽しみで仕方有りません。
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