こんにちは、元パサートオールトラック乗りの10max(@10max)です。
6月よりベトナムに赴任するに当たり、泣く泣く愛車のパサオことパサートオールトラックを売却することにしました。
手抜きキャンプ飯レシピが雑誌掲載されるほどの筋金入りズボラーである筆者、正直なところ「中古車一括査定は面倒だな」と思っていました。(「いや一括査定すら面倒とか救いようが無いだろ!」というツッコミは、その通りなので一切否定いたしませんww)
そのような中、オークション形式の「ユーカーパック」というサービスを利用してみたところ、筆者のような救いようのない面倒くさがりでも手間がかからず、かつ想像以上の高額で売却できた(半導体不足も相まって、ですが)のでその顛末を記しておきたいと思います。
何だかアフィリエイトメインのブログみたいですが、実際かなり良いサービスだと感じたので、こういうのもたまにはご容赦下さいm(_ _)m
ということで、愛車パサートオールトラックの最後の親孝行、見届けて頂ければ幸いです。
海外赴任中の車両長期保管すら考えた
さて、冒頭で「泣く泣く」売却と申し上げましたが、それは購入後丸2年しか経っていなかった事、そして何よりこの車を非常に気に入っていたためでした。元々海外赴任の話が無ければ、下の子が高校を卒業するまでの間、8年は乗り続ける予定で購入したのです。
それ故、この度海外赴任の話が出た時には長期保管も考えたほどです。長期保管とは、ナンバー登録を抹消して自動車税等の対象外とした上で、物理的な意味でのみ所有(公道では走れない)し保管し続けるという方法です。
もちろん動かさずに保管する事により車両に痛みが発生するため様々な工夫は必要なのですが、それよりも経済的な面でどうしても無理がありました。下表は売却した場合と長期保管した場合の経済比較をしたものです。
結局パサオを長期保管して帰国後も乗り続けたところで、欧州車という事を考えるとどちらにしても数年後には買い替えざるを得ません。すると当たり前ですが結局パサオの売却金額(下の表で言うと緑の「300万円」と「100万円」の部分)の差がそっくりそのまま累計収支の差になる訳です(7年後に100万円の値が付くという想定もかなり強気なので、実際はもっと差がつくでしょう)。
ということで結論として、断腸の思いでパサートオールトラックを売却することにしました。
中古車オークション「ユーカーパック」を利用してみた
パサートオールトラックの売却に際しては一括査定サービスではなくオークション方式の「ユーカーパック」を利用しました。初めて利用したのですが、冒頭でも申し上げた通り想像以上にメリットが大きかったです。従来利用していた中古車一括査定と比べた場合の違いをメリットとデメリットに分けてご紹介します。
「ユーカーパック」のメリット(体験に基づく)
中古車一括査定と比較した場合のユーカーパックの主なメリットは以下の通りです。まあ大体ユーカーパックのHPにも書いてあるのですが、実体験してみてさらに分かったこともあります。
- とにかく手間がかからない
- 複数の中古車買取業者とアポを取らなくて良い
- 何なら査定も自分で済ませられる
- 買取業者との面倒な交渉も不要
- 一括査定に比べて高く売れる可能性が高い
- 最大8,000の買取業者が争うオークション形式
- 中間マージンが取られない
- 下限となる「売切価格」が設定できるので安心
- ユーカーパックも「高く売りたい」立場なので色々相談出来る
手間がかからなくて高く売れるというのが本当なら夢のような話ですが、実際に使ってみた感じだと、どうも大きくは外れていないように思いました。
ユーカーパックのメリット①:手間がかからない
まず、手間がかからないというのがユーカーパックの最大のメリットです。
中古車一括査定サービスはあくまでも複数の買取業者に情報を一括で流して「査定依頼のみを仲介」してくれるサービスなので、結局のところ査定や交渉は複数の買取業者と各々日程調整し、交渉しなければなりません。
一方ユーカーパックはオークション形式なので、一度出品してしまえばあとはヤフオクのように買取業者間で競り合って価格が上がっていくのを見ているだけでOK。最終的に(後述の「売切価格」を上回る)最高価格を提示した買取業者が、自動的に売却相手となります。
適当な絵すぎて無い方がマシかも知れませんが、下の図でイメージを掴んで頂ければと思います。
しかも、これは利用してみて分かったのですが、画期的なのが査定方法。
まず基本的な査定方法としては、ユーカーパックの担当者に一度だけ査定に来てもらえば終わりという形なので、それだけでも一括査定と比べると圧倒的に楽なのですが、もしも日程が合わなければ自分で愛車を撮影をした写真をアップロードする方法も選べるのです!実際に筆者は海外赴任直前で査定の日程が合わず、この方法を採りました。
必須となる写真は「右斜め前方」「右サイド」「左斜め後方」「左サイド」「運転席とシフトレバーが見える内装」「走行距離含むメーター部」の6枚で、あとはアピールポイントになりそうな箇所を自由に撮影してアップロードします。
筆者の場合、パノラマルーフやドラレコ、インフォテ回りなどを写してアピりました。
ユーカーパックのメリット②:高く売れる可能性が高い
まずオークション形式なので、約8,000の買取業者が買取を巡って競り合う仕組みなので自然と価格が上がりやすい構造になっているようです。
それに加え、一括査定の場合は大手買取業者が買い取った後で更に中小の業者に対してオークションが行われることが多いので、中間マージンが多く取られる傾向にありますが、ユーカーパックの場合には最初から中小含めた8,000の買取業者にオークションが実施されるので、多くの場合において一括査定よりも中間マージンが小さくなるようです(事実確認した訳ではないので、あくまでその可能性が高い、という話ですが)。
さらに、一括査定で買取業者と対峙する場合にはお互いに腹のうちを探りながらの「交渉」という関係性になりますが、ユーカーパックの立場はオークション業者であるため高く売れるほど手数料が上がるので、「高く売りたい」という利害がオーナーと一致しているのが大きな違いです。
そのため、例えばユーカーパックでは、「最低これ以上の値段が付かなければ売却しない」という「売切価格」(ヤフオクの「最低落札価格」と同じ)というものを設定できますが、これ自身も安心なシステムである上に、ユーカーパックの担当者とオークションの仕組みや業界の商慣習、最近の傾向などを教えて貰いながら戦略的な価格設定を相談することが出来るので、非常に心強く感じました。
ユーカーパックのデメリット
・・・・・・正直あまり思い付きませんでした。
回し者かよ!と突っ込まれるかもしれませんが、本当に思いつかないんですよね。
一括査定で直接買取業者とやり取りするより、ほんの数日だけ売却までのリードタイム増えるかも知れません。何故なら、売却決定後の書類のやり取りで間にユーカーパックが入るためです(しかも、これも想像です)。しかし、その数日がデメリットになるようなケースがあまり思い付きません。
ユーカーパック利用の流れ
ユーカーパックを利用した際の大まかな流れはこんな感じでした。
- 査定申込(Webまたは電話)
- 案内に従い査定(対面または写真アップロード)
- 出品準備
- 売却目安価格の意識合せや売切価格の決定
- 出品スケジュールの決定
- オークションに出品
- オークション終了
- 書類の準備〜車両引き渡し〜入金
それぞれの日数などは下図を参考にして下さい。
パサートオールトラックの売却価格
さて、では実際にパサートオールトラックはいくらで売却出来たのかを簡単にご紹介しておきます。
今回は世界的な半導体不足の影響を大きく受けたので、価格水準自体はあくまでも参考と捉えて頂き、オークションの過程でどの様に価格が推移したのかのイメージとしてご覧いただければと思います。
なお、これまでのパサートオールトラック関連の記事をご覧頂ければ分かる通り、車両状態は非常に良く2年間で一切トラブルは無かった上に、大変親バカ状態で可愛がって乗ってきたので査定額には自信がありました(笑)
VWディーラーの「超ざっくり見積り」(半導体不足の前)は300万円
まずベースとなる情報として、まだそこまで半導体不足や新車供給不足が話題になっていなかった頃に、お世話になっていたVWディーラーの営業さんに「超々ざっくりの買取額」を訊いてみたところ、通常は丸2年経過時点で新車時の車両価格の5〜6割程度、状態の良さを加味して約300万円という参考値を貰っていました。輸入車ですし、まあそんなもんだろうと思いました。
VWディーラーの本気査定額は330万円
その後海外赴任が本格的に動き出し、改めてVWディーラーさんに査定をお願いしたところ、330万円という価格が出てきました。
いかに親バカで車両状態が良いとは言えいきなり30万円も上がるのはどうしたことか、と思い聞いてみると、やはり半導体不足の影響が出始めているとのことでした。
ユーカーパックで更に36万円上乗せ!
ということでVWディーラー提示の査定額330万円を念頭に置きつつユーカーパックで出品しました。上で少し触れた通り、出品にあたってはユーカーパックの担当者さんと大体の目標額や売切価格(これを超えないと売却しない)を意識合わせします。
VWディーラーの査定額330万円という額を伝えた上で、最近の新車供給不足の影響も考慮すると、「350万くらいは狙えるんじゃないですかね」みたいな会話をしながら、あえて強気にその目標値を上回る「360万円」を最低限の売切価格として設定しました。
パサートオールトラックは結構マイナーな車なので入札件数は伸びないことが予想されましたが、「逆に欲しい人は多少無理してでも欲しいクルマなので、いけるんじゃないかと思います」とはユーカーパック担当者さんのコメント。そして何より手塩にかけて大事に乗った相棒ですから、妥協はしませんよ!(笑)
こんな風に担当者さんと同じ利害関係の中であれこれ相談しながら検討できるのもユーカーパックの良いところです。
そしていよいよオークション開始当日を迎えます。入札価格はユーカーパックのマイページで随時確認することが出来ます。早朝オークション開始で、その日の19時頃が終了の予定です。
朝イチでマイページを見てみると、240万ちょっとで入札してきている業者がいました・・・。
控えよ!控えおろう!不届き者め!勉強して出直して来なさい!w
その後しばらく入札は続きません。この辺りはヤフオクなどと同じで、やはり終了間際に入札が集中する事が多いんだそうです。
そして夕方になり、ようやく2件目の入札が・・・。
何といきなり一足飛びに売切価格間近の358万1千円に上がりました!(ちなみに売切価格は入札者側は知りません。それもヤフオクと同じ)
そして次の入札では一気に売切価格の360万円を超えたので、これでオークション不成立という事態も避けられました。
こうして最終的には366万円まで売却価格が上がり、オークションは大成功に終わりました。
パサオ!お前、最後まで本当にいい仕事してくれたな!
パサオ引き渡しの日
その日、6月3日は昼前後に激しい雹が地面を打ち付けました。
カーポートには屋根があるものの、その屋根をも割らんばかりの大粒の雹に不安が胸を過ぎります。この状態で引き取られたら、せっかく綺麗な状態のパサオのボンネットに、あるいはパノラマルーフに傷が付きやしないだろうか・・・
そして、これは自分とパサオの間に流れる別れの寂しさを表しているんじゃないか、などとおセンチなことを考えたりもしました。パサオとの最後のキャンプの夜の出来事を思い出しました。
SONY ILCE-7C, (118mm, f/5, 1/250 sec, ISO4000)
しかし、買取業者が自宅にやってくる頃には雹はすっかり止んでいました(ユーカーパック利用時も、最後の車両引取は落札した買取業者が直接引き取りに来ます)。
最後は滅多に見ることのない相棒のテールランプを見送ります。
ああ、本当に行っちゃったんだなあ。もうこのクルマに乗ることが無いなんて、何だかピンと来ません。
パサオ、元気でな!またいいオーナーに出会って愛してもらえよ!!
SONY ILCE-7C, (200mm, f/5.6, 1/250 sec, ISO200)
さいごに:愛車との別れ、そして新しい一歩へ。
ということで、今までの一括査定とは一風変わったオークション形式のユーカーパックを利用することで、筋金入りのズボラーな筆者でも大満足するほどに手間いらずで、かつ期待以上の高値で愛車を売却することが出来ました。今後愛車を手放すことをご検討される際には、選択肢として一度ご検討頂くと良いのでは無いかと思います。
さて、愛車の後ろ姿を見送って振り返ると青空が広がっていました。
切ない青・・・まさにブルーな心情を表すかのよう。
クルマは、思い出を積んで走る大事な相棒であり、家族。だからこそいつしか「愛車」という素敵な言葉が生まれたのでしょう。
しかし、月並みではありますが、愛車を手放すその瞬間には多くの場合、新しい一歩が隣り合わせています。それは新しいライフステージであったり、そのための新しい役割を担う次の愛車であったり、あるいはマイカーの無い新しい暮らしへの挑戦であったり。
筆者の場合、次の愛車は控えていませんが、ベトナムでの家族との新しい挑戦が待っています。パサオとの数々の思い出が紡いでくれた家族の絆が、新しい生活の糧になるに違いない。この青空にはそんな意味合いがあるに違いない、そんな風に思えてきた午後でした。
本記事が、愛車との別れ、そして新しい一歩を踏み出す皆さんへのエールになれば幸いです!
SONY ILCE-7C, (52mm, f/4.5, 1/1600 sec, ISO100)
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