SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (75mm, f/4, 1/400 sec, ISO100)
月1ファミリーキャンパーの10maxです。こんにちは。
キャンプでの湯沸かしや調理にはこれまでイワタニカセットフーマーベラスを愛用してきました。しかし思うところあって、今季からSOTOのシングルバーナーST-310を導入してみました。火力を安定させるマイクロレギュレーターという機能を備えるため、SOTOでは「レギュレーターストーブ」と呼んでいます。イワタニカセットフーマーベラスを使っていた時に感じた課題に触れながら、カセットコンロとST-310の比較を交えたレビューをお届けしたいと思います。
また、購入検討の際にはボンベとマイクロレギュレーター部が分離したFUSION ST-330とも比較検討しましたので、なぜ一体型のST-310を選んだのかについてもお伝えします。
今までメインだったカセットコンロで気になっていた点
イワタニカセットフーマーベラスを使い始めてもう5年、大いに活躍してくれました。その魅力は何と言っても家庭用コンロにも迫る3500kcalと言う大火力と、耐風性能でした。詳しいレビューはこちらをご覧下さい。

しかし、一方で以下の点が気になっていました。これらはカセットフーマーベラスに限らない、カセットコンロ全般に共通する課題でもあります。
- 清掃が面倒
- 使用時に場所を取る
- 収納も出来ればコンパクトにしたい
1番目の使用後の清掃ですが、使用中に材料や油などがコンロの天板やゴトク周りの風防、さらに内部などにも飛び散るため、定期的な分解清掃が欠かせません。分解清掃はそれはそれでギアを扱ってる感があって悪くない時間なのですが、しなくて良いのならそれに越した事はありません。
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (12mm, f/5, 1/60 sec, ISO250)
使用時の場所を取るのは、シングルバーナーと比べれば当然です。例えば焚き火時にサイドテーブルでお湯を沸かしたりちょっとした簡単な調理をしたいと思っても、カセットコンロではサイドテーブルをほぼ埋め尽くしてしまいます。安定感とのトレードオフなのですが、結局今までそれほど重厚長大な調理器具を使った事はなかったので、シングルバーナーで良いのでは、と思い始めました。
SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (29mm, f/2.8, 1/8000 sec, ISO800)
最後の収納時のサイズについてですが、従来車載時にイワタニカセットフーマーベラスがそれなりに占めていた部分を空ける事で積載の自由度を高められるのでは、と思っていました。
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数あるシングルバーナーの中からSOTOレギュレーターストーブST-310を選んだ理由
それはずばりガスボンベにCB缶を使える点です。
かつてアウトドア用のシングルバーナーと言えば登山などの用途に適したOD缶が主流でした。同じSOTOのレギュレーターストーブでもSOD-300Sなどの製品があります。その他コールマンなど様々なアウトドアブランドから発売されています。

SOTO マイクロレギュレーターストーブ SOD-300S 出典:SOTO公式HP
一方、従来このようなOD缶用の製品しか無かった中で数年前にSOTOが市場に投入したのが、安価で入手しやすいCB缶に対応したレギュレーターストーブであるST-310でした。当時はその画期的な商品コンセプトのため入手困難になったそうですが、今はだいぶ安定して入手できるようになりました。OD缶はCB缶よりも低温に強いといった強みがありますが、気温が零下になる登山などで使用しない限りCB缶でも問題ありません。
競合製品としては、現在イワタニがCB缶でも使える「ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB」を発売していますが、火力の強さやマイクロレギュレーターによる火力の安定性などの点でSOTO ST-310の方が歩が良さそうに感じます(両方使った訳ではないのであくまでもスペック上の比較)。
SOTO レギュレーターストーブ ST-310を使ってみて良かった点
ということでSOTO ST-310を早速ファミリーキャンプで活用してみました。上記のカセットコンロにおける課題の解決になったかどうかも含めて、実際に使ってみた感想は以下の通りです。
清掃はやはり楽になった
カセットコンロのような天板なども無く、非常にシンプルな作りなので、ST-310自体の清掃は殆ど不要です。
もちろん油や食材が飛散しない訳ではありません。代わりにテーブルが汚れます。しかし、カセットコンロの細かい部品や内部に入り込んだ汚れを分解清掃するのに比べれば、テーブルの天板を拭く方がずっと簡単です。
使用時の専有面積は格段に小さくなった
ST-310はほぼ「ゴトク+カセットボンベ」のみという最小限の専有面積で済むため、下の写真のような小さなサイドテーブル(60×30cm)で使用しても他に食器や飲み物などを余裕を持って置くことが出来ます。
焚き火をしながらちょっとつまみを作ったりラーメンのお湯を沸かしたり、という時も、サイドテーブルの上でガスランタンで手元を照らしながら、飲み物や食材も同時に置いて・・・ということが可能になりました。

SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (37mm, f/2.8, 1/40 sec, ISO6400)
サバ缶をメスティンで煮るだけで爆うま優勝メニューに。
食器などの小物と一緒に収納可能に
収納時は折りたたんで手のひらに収まるほどコンパクトになるので、上の車載写真のようにコンロ単体で場所を取ること無く、食器や調理器具などの小物をまとめて入れているRV BOX(OD BOX)の中にちょこっと収納することが可能になりました。
これで、これまでカセットコンロが占めていたスペースにに防寒具を丸めて入れたり、アウトドア用バッテリーなど別のものを積載することが出来ます。
ST-310について事前に不安だった点はほぼ杞憂に
カセットコンロ、とりわけイワタニカセットフーマーベラスと比べて劣るのでは、と思っていた点について、実際どうだったかも確認しました。具体的には以下の3点です。
- 火力
- 耐風性能
- ゴトクの安定性
結論としては、ゴトクの安定性以外は概ね杞憂に終わりました。
火力は必要十分だった
まず火力ですが、これまでのイワタニカセットフーマーベラスの3500kcalに対して、ST-310の最大火力は2500kcal。一般的には2500kcal以上あれば大抵の調理には困らないとは言われていますが、実際どうなのか気になっていました。
結果的には十分でした。今回、湯沸かしからホットサンド、炒めものなど色々試してみましたが、お湯の沸騰時間もさほど遅くなったとは感じませんでしたし、炒めものでも十分に使えました。
SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (30mm, f/2.8, 1/13 sec, ISO6400)
実はイワタニカセットフーマーベラスの時には、むしろ火力が強過ぎてマックスにして使うことって殆どなかったんですよね。手際が悪いのでちょっと油断するとすぐに焦げてしまう(笑)ので、少し絞って結局ST-310と同じくらいの火力で使っていたんだと思います。
耐風性能:ダイソーのクッキーの抜型で解決
ST-310自体は元々風に強い構造にはなっていません。バーナーヘッド部分が山型になっていて、風にもろに晒される格好になっています。
この点、実は分離型のFUSION ST-330では改良されていて、バーナーヘッドが逆にすり鉢状になっていて風が当たりにくいようになっています。
しかし、ST-310にも解決方法が存在しました。その答えは、今やキャンパーに欠かせない聖地の一つ、百均にありました。
ダイソーで売られている、この「かわいい抜型」という名称のクッキー作り用の金型が、なんとST-310のバーナーヘッドにシンデレラフィットするのです!
これを・・・
これに・・・
こうすると・・・
シンデレラフィット!!
強火にすると真っ赤になって風を防いでくれます。
SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/4, 1/8 sec, ISO6400)
このダイソーのクッキー抜型が使えるという情報は下記ブログで知ることができました。ありがとうございました。

ゴトクの安定性:気をつける必要ありだがゴトクのサイズは絶妙
こちらはカセットコンロと比べるとどうしてもコンパクトさとのトレードオフになってしまう点です。カセットコンロと比べるとバーナー本体からはみ出てしまう部分が増えるので、何かが鍋やフライパンなどとぶつかってズレる事で落下するリスクは大きくなります。
ただ、一方でゴトク自体のサイズは絶妙で、逆に言うとぶつからない様に気をつければほぼ安心できます。後で詳しく触れますが、今回比較検討した分離型のST-330はゴトクのサイズが大きくなっており、メスティンやシェラカップなどの小さな調理器具を乗せると不安定になる一方、ST-310ならその心配はありません。
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (22mm, f/3.3, 1/1250 sec, ISO200)
SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/2.8, 1/320 sec, ISO100)
FUSION ST-330ではなくST-310を選んだ理由
FUSION ST-330はST-310と同じSOTOのCB缶対応レギュレーターストーブですが、ST-310よりも後発の商品であり、最大の特徴はカセットボンベとバーナー部がホースで繋がった分離型になっている点です。
ST-310からの改良点も多く、非常に迷いましたが、以下の理由によりST-310を選びました。
ST-310の方が火力が強い
今回購入した一体型のST-310の最大火力は2500kcalであるのに対し、分離型のST-330は2200kcal。上でも少し触れましたが、一般的に2500kcalあれば十分とされる中でST-330はそれを下回っていました。これまで愛用してきたイワタニカセットフーマーベラスと比較すると大幅に下回ってしまう事になります。
新商品なのに何故このような仕様になったのかは分かりませんが(分離型である事が関係している?)、調理の幅が狭まってしまうのは避けたいポイントでした。
ST-330は使用時の占有面積が大きい
ST-330はホースでバーナー部とガスボンベが分離されているのが特徴なのですが、逆に言えばその分どうしても使用時の専有面積が大きくなってしまいます。上で触れた通り、サイドテーブルでちょっと料理を、という使い方の場合には占有面積を出来るだけ小さくしたいのですが、ホースの取り回しを考えるとカセットコンロとあまり変わらない、という話になってしまいそうです。
ST-330のゴトクには小さい調理器具が乗せにくい
下の写真をご覧頂くと分かる通り、ST-310のゴトクは中央部分に向かってすぼまっていて、真ん中の空き面積が小さくなっていますが、ST-330のゴトクは中央の空き面積が大きくなっています。
これにより、ST-330の場合、鍋やフライパンなら問題有りませんが、メスティンやシェラカップなどの小さな調理器具は乗せられないようです。これでは、焚き火の横で軽くおつまみを、という夢には向いていない、という事になります。
上の写真はこの点について詳しく調べられていたブログからお借りしました。ありがとうございました。

価格
そうそう、忘れるところでした。ST-310の定価が税抜5,800円であるのに対し、ST-330は9,000円です。今回はイワタニカセットフーマーベラスの代替になり得るのかの実験的な導入という側面もあったので、この価格の差は大きな要素となりました。
ST-310の妥協ポイント
もちろん全てにおいてST-310の方が優れているわけでは有りません。上記と少し重複しますが、以下の点については気をつける必要があるので検討の際は考慮が必要です。
ST-310は風防対策が必要
上で触れた通り素のままのST-310は風に弱い形状であるため、ST-330の方が有利です。ただしこちらは上記の通りダイソーのクッキーの抜型や、別売りの風防グッズを使うことで対処は可能です。
大きな調理器具にはST-330の方が向いている
上でゴトクのサイズがST-330の方が大きいという点に触れました。多人数で大きな鍋などを多用するならST-330を選んだ方が安心でしょう。
輻射熱を発する鋳鉄調理器具にはST-330の方が向いている
ガスボンベは長時間高温に晒されると爆発の危険性があります。鋳鉄製のスキレットやダッチオーブンなどはステンレス製に比べて多くの輻射熱(遠赤外線)を発すると言われますが、ST310のような一体型の場合、ガスボンベのすぐ上にスキレットやダッチオーブンが位置することになるため、リスクが高まります。
もしスキレットやダッチオーブンの様な鋳鉄製の調理器具を使う場合は分離型のST-330を使いましょう。
一緒に買うと良いオプション品
ST-310を使う際にまず間違いなく有った方が良いオプション品をご紹介しておきます。筆者はST-310本体と一緒に注文しました。
点火アシストバー「ST-3104」
ST-310の点火ボタンは非常に小さいです。下の写真の赤い矢印の先の黒い突起を奥にポチッと押し込んで点火するのですが、指を下に潜らせて押し込むのは難儀ですし、すぐに指を抜きづらいので熱いです(笑)
そこでこの様な延長レバーのような純正オプション品が用意されています。だいぶ押しやすくなります。
というか、何故最初からこの形状にしてくれなかったんだ、と思いますw

シリコンチューブ
次に、足の部分に被せて使う耐熱シリコンチューブです。ST-310を使用中・使用直後は脚の部分まで非常に高温になり、うっかり触ると火傷の恐れがあります。そこで、脚に耐熱性のチューブを被せておけば安心ですし、好きな時に脚を持って移動させことも可能です。
また、滑り止めにもなりますね。筆者はサイドテーブルにメッシュテーブルを使っていますが、メッシュの穴に脚がひっかかるのを防ぐことも出来ます。
百均のペットボトルカバーで裸のガスボンベをお洒落に!
最後に、ST-310と一緒に使うとハッピーになれる百均商品をご紹介します。
ダイソーでこんなペットボトルカバーを見つけました。こちら、ガスボンベにぴったりなんです。
ST-310にそのままガスボンベを装着するとこんな感じですが・・・
こいつを付けるとこんな風にお洒落に変身!
使いかけガスボンベの目印にも
また、これまでカセットコンロを使っていて、だいたいいつもガスボンベを何本か予備で持っていくのですが、カセットコンロから外すとどれが使いかけのボンベなのか分からなくなり、重さで適当に判別したりしていました。
それが、このペットボトルカバーをガスボンベに着せることで、どれが使いかけのボンベなのかがひと目で分かるという副次的なメリットに気づきました。
あと、これは気休めかも知れませんが、先程輻射熱のところで触れた話に関して、多少ガスボンベが熱せられるのを防ぐ効果も期待できるかも知れません(検証はしていません)。
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さいごに:SOTO ST-310は風防対策すればメインコンロとして十分使える
ということで、多少の注意点はあるものの、基本的に筆者の使い方の場合には従来のカセットコンロ(イワタニカセットフーマーベラス)をこのSOTOレギュレーターストーブST-310で置き換えることが出来そうなことが分かりました。メリットと注意点をおさらいしておきますね。
- 使用後の清掃が簡単
- 使用時の占有面積をコンパクトに出来る
- 収納時も非常にコンパクトになる
- 風防の追加対策が必要
- 大きな調理器具の場合の安定性
- 鋳鉄の調理器具(輻射熱発生)には向かない
以上、ご参考になれば幸いです。


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