iPhoneからBluetooth経由で愛車のナビに目的地をセットする。総走行距離263kmという計算結果が表示される。そうか、僕は今日一日で往復600km近くをたった一人で運転することになるんだな、と改めて思う。
しかし、その事に対する億劫さは全く感じない。むしろそれだけの距離をこのドイツ生まれの相棒に体を預けながら駆け抜けられる事に心が浮き立っていた。いや、それだけではない。このハイウェイの先に待っている仲間たちと早く対面したくてウズウズしていたのだ。
朝7時半、僕は相棒のパサオことパサートオールトラックの心臓部に火を灯した。
僕はこの日、車好き&ブロガー仲間と湖畔で車の話をするためだけに往復約600kmを日帰りで駆け抜ける酔狂な旅に出た。その信州道中膝栗毛をお届けしたい。
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縁深いフランス車乗りとドイツ車乗り達が一堂に会する
自分の趣味に関するターニングポイントというものが人生において時折訪れる事があるとすれば、今回そうした転機を語るのに欠かすことの出来ない方々とついに対面でお会いする機会を得ることが出来た。
「ついに対面で」というのは、実は彼らとはTwitter上では主に車関係の話題でかれこれ1年以上のお付き合いがあり、かねてから「会って愛車を眺めながらゆっくり話したいですね~」と言っていたのがついに実現した、という次第だ。
今回お会いする機会に恵まれたのはこちらの皆さん。
UUさん:試乗レビューや新型車の先行情報などを発信されているブロガーさん。愛車はプジョー3008とホンダN-ONE。既に素晴らしいオフ会模様の記事をアップされている。
くるすぺさん:UUさんと同じく試乗インプレや新型車情報のブログを運営、愛車はプジョー508SW。
でぃーたさん:Twitterでお世話になっているVWゴルフRヴァリアント乗り。
でぃーたさんは比較的ご近所で、実は今回お会いしたのが3回目になる。昨年5月頃ボルボV40からゴルフ7.5Rヴァリアントに乗り換えられた。実は昨年筆者がSNSで知り合った車好きで初めてリアルでお会いしたのがでぃーたさんという、記念すべき方。非常に車に詳しい方で実際にチューニングも手掛けておられ、フォルクスワーゲン関係の情報を始めとしていつも色々教えて頂いている。
そして今回ついに初めてお会いする事が叶ったのがUUさんとくるすぺさん。お二人とも非常にちゃんとブログを運営されていて、昨年3月頃、筆者が一念発起して「自分のグダグダ日記ブログをちゃんと人様の役に立つものに変えていこう」と思い立ったきっかけを下さった何人かのブロガーさんたちの中のお二人である。まさに筆者の趣味における転機を語るに欠かせない方々だ(他にも何人かいらっしゃるのだけどまだお会いすること叶わず・・・)。
また、UUさんは昨年スバルレヴォーグからプジョー3008へ、くるすぺさんは昨年プジョー5008から508SWに乗り換えられており、ちょうど同じ頃に僕もプジョー308SWからの買い替えを検討していたためプジョー繋がりというのも大きなご縁だった。繋がった当時フランス車関係の話題でとても盛り上がり、日々ニヤニヤさせて頂いたのを覚えている。
そして筆者含めて4人共昨年の近しい時期に車を買い替えており、それぞれ契約や納車のタイミングのたびに「それに決めましたかーー!」などと盛り上がりながらお祝いを言い合ったものだ。
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パサオにとっては名付け親に会う旅
もう一つ忘れてはならない事がある。筆者のパサートオールトラックに「パサオ」の愛称を与えてくださった名付け親はUUさんだ。このUUさんのツイートこそ、この世に「パサオ」の名前が産声を上げた瞬間である。
雨の日のパサオは一味違うかもしれませんよ?😎
— UU (@WCLBlogAuthor) April 13, 2020
ということで、今回はパサオにとっても大切な人に会うための旅だったのだ。
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今回は新潟方面のUUさん、金沢方面のくるすぺさん、首都圏のでぃーたさんと僕が一堂に会するということで、集結点として今回UUさんが選んでくださったのはほぼ中間地点にある長野県北部の「野尻湖」。ここは以前UUさんとくるすぺさんが、同じくブロガーで「monogress」を運営されているまこまちさんとオフ会を行った、もはや恒例になりつつある場所だ。
まこまちさんも、先程触れたぜひお会いしたいブロガーさんのうちの一人なのだけれど、今回は残念ながら都合が合わなかった。首都圏の方なので別の機会を虎視眈々と狙っている。
さて、「オフ会」と言っても、運転もあればコロナの事もあるので店内で食事や宴会をする訳ではない。では何をするかというと、ただ湖畔の駐車場でそれぞれの愛車を撮影したり試乗し合ったり散々車トークをして帰るだけである。
え?往復600km近く遠出をして、それだけ?何が楽しいの?
あえて言おう、愚問であると。車好きにとってこれ以上に楽しいことなどあろうか。何しろリアルな人間関係の中ではこうもマニアックな車トークが出来る人というのは中々どうして多くはないのだ。さらに、その往復のドライブ自体が重要な楽しみの一つであることも忘れてはならない。とりわけ今回は我が家のパサオにとって1日の走行距離としては過去最長の旅路。アウトバーンで鍛え上げた本領を存分に発揮してもらえるのだから。
恐らく男子から見て女子たちが何時間もお茶していられるのが不思議なのと同じような話なのではなかろうか。
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さて、そんな事を考えているうちにあっという間に300km弱の道程は背後に過ぎ去り、目的地である信州野尻湖の標識が見えてきた。改めて魅せつけられたパサートオールトラックの旅グルマとしての資質にはこの日も感心させられた。フラットな姿勢を保ちながらその強心臓で悠々とハイウェイをクルーズする欧州の実力派ステーションワゴン。その静かな鼓動とサウンドをフォルクスワーゲン名物「鉄の尻」でみっちりテストされたホールド感のあるシートで受け止めながらのドライブは、腰にみじんの負担ももたらさない。車を降りた瞬間、遠く信州北部まで運転してきたとはとても思えないほどピンピンした状態で、伸びの一つも必要としないほどだった。
もっともパサオの生まれ故郷では1,000km単位の旅が当たり前なのだから、片道300km程度なんて準備体操レベルなのかも知れない。パサオ、お前やっぱりすごい旅グルマだな。
さあ、オンライン上だけでもあれだけ会話が盛り上がったフランス車乗りとドイツ車乗り達が一堂に会した時、どんなマニアックトークが待っているのだろう。楽しみで仕方がない。
− 後編につづく −
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