フォルクスワーゲン & パサートオールトラックドライブ旅

Driving “IZU” Fun 2021 – 伊豆スカイラインをパサートオールトラックで駆けぬける旅

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 駿河湾 ドライブ旅

SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/2.8, 1/2000 sec, ISO100)
伊豆スカイライン 玄岳IC近く

伊豆は日本の縮図のような半島である。

美しい砂浜の海岸があり、珠玉の海産物を味わうことが出来る。かと思えばまたたく間に峻険な峠に至り、その途上には古くから湯治客を癒やす温泉がふつふつと湧いている。

伊豆スカイラインはその伊豆半島の東北部の背骨であり、天空の峰々を縦走しているが故に海岸の町々から孤立している。しかしその天空の背骨から西を望めば駿河の海と富士の山、振り返って東に目を向ければ熱海から相模湾の向こうまで一望できる。自分が日本の頂に立っているのではないかという全能感すら覚える。

伊豆スカイラインは、日本の縮図である伊豆の、孤高の頂だ。

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 駿河湾 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (75mm, f/2.8, 1/2500 sec, ISO100)

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 駿河湾 ドライブ旅

SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (75mm, f/2.8, 1/1000 sec, ISO100)
午後の逆光に幻想的に霞む駿河湾

峰々を縦走する自動車道であるため自ずと直線区間は少ない。しかし極端にRの小さなコーナーが少ないため、2速まで落とすこと無く3速~4速だけで殆どのシーンを駆け抜けることが出来る。さらに視界が開けた開放感のある景色が割合多くを占めることもあり、緊張感は適度で、どちらかと言えば爽快感が勝る。それが伊豆スカイラインの魅力だ。

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 玄岳IC 氷ヶ池

SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/8, 1/320 sec, ISO100)
玄岳IC近くの展望駐車場より玄岳ドライブイン(閉鎖)の緑の屋根、氷ヶ池を望む

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 玄岳IC 氷ヶ池SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (75mm, f/2.8, 1/2500 sec, ISO100)

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 相模湾 玄岳IC

SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/8, 1/400 sec, ISO100)
同駐車場より東側の相模湾、熱海、三浦半島方面の眺望

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 玄岳ICSONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (75mm, f/8, 1/400 sec, ISO100)

その孤高のワインディングロードを、愛車パサートオールトラックで駆け抜けるのは今回が初めてだ。パサートオールトラックはスポーツカーではないが、この車の真価を味わいたければやはりワインディングロードでなければならない。

190ps/400Nmを発生する心臓部の2.0リットルTDIはディーゼルユニットだが、しかし2000回転前後で高速道路を黙々と走るだけでは満足しない。3000回転を超えて初めて真の声色を奏でる。内なる情熱を見逃してはならない。ジャーマン魂は奥ゆかしいのだ。

ツインクラッチトランスミッションであるDSGは平常時は決して荒ぶらないジェントルマンだが、ワインディングに来たならばSモードあるいはマニュアルモードに切り替えてほしい。変速時に掌に伝わる荒々しい衝撃を感じて欲しい。ブリッピングの咆哮を聴いてあげて欲しい。レディファーストな紳士も時に野生の獣に返りたいと思うものだ。

累進可変ギア比を採用したプログレッシブステアリングは、センター付近では直進を容易に維持する事を助ける一方で、切り込むほどに舵角が鋭くなり、ボディサイズから想像もできないような鋭さでイン側に切れ込んでいく。電子制御式のトルクベクタリング機構 「XDS」オプション搭載車であればそのスポーティな頭の入り方は更に顕著に感じられるだろう。

それを支える足回りは適度に引き締まり、少ないロールで不安を全く感じさせずコーナーを駆け抜けていく。初めてパサートヴァリアントに試乗した際の、高速道路の入り口での地を這うような感覚に驚いた記憶が蘇る。

日本の象徴のごとき伊豆のワインディングとドイツが誇る工業技術の結晶は、かくして遥かなる海を超えて一つとなる。

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 駿河湾 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (75mm, f/8, 1/250 sec, ISO100)

 

日が傾き、風が冷たくなってきた。伊豆スカイラインの北の終点、熱海峠ICから県道20号線を経て芦ノ湖まで下り、芦ノ湖と富士山を一望できる場所へ向かう。

箱根 芦ノ湖 富士山 展望台 愛車撮影スポット 紅葉 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/8, 1/250 sec, ISO100)

このスポットは順光となる昼過ぎまでが望ましいため明日再訪する事にして、芦ノ湖から更に沼津へ向かう。沼津港で美味い海鮮を頂こうという算段だ。

沼津港 魚河岸丸天 海鮮丼 伊豆 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (49mm, f/5.6, 1/60 sec, ISO2500)

沼津港 魚河岸丸天 海鮮丼 伊豆 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (59mm, f/5.6, 1/60 sec, ISO1000)

沼津港の丸天ではこのような巨大なかき揚げ丼を食すことも出来るが、今回は控えておいた。

沼津港 魚河岸丸天 海鮮丼 ドライブ旅OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (12mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO800)

沼津港 魚河岸丸天 海鮮丼 伊豆 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (36mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO640)

静岡沼津港の鮮魚料理! 魚河岸丸天
静岡県東部に全部で5店舗、新鮮でおいしい魚料理を食わせる店が魚河岸丸天。沼津魚河岸店、みなと店、卸団地店、富士店、静岡店どの店でも沼津港で揚がったばかりの魚介を、思う存分召し上がっていただけます。大きなかき揚げや大盛りの丼、まぐろのかぶと煮...

温泉に立ち寄り、宿泊施設へ向かう。実は今回の伊豆・箱根ドライブは人間ドックが主目的である。筆者の勤務先の提携病院が伊豆にあるのだ。

翌日は胃カメラを控えているため、タイムリミットまで晩酌を楽しみながら今日のドライブを振り返る。至高のひと時である。

Apple iPhone 12 Pro, (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO125)

 

翌日昼前に検査を終え、再び愛車のステアリングを握る。この辺りでは多くの場所で富士山を望むことが出来る。日常の風景が一等地で構成されている。温暖な気候と相俟って、かつて徳川家康公が駿府の地を終の棲家とした理由が分かる気がする。

伊豆 ドライブ旅 愛車撮影スポットSONY ILCE-7M2, (75mm, f/2.8, 1/3200 sec, ISO100)

伊豆の景観は、同じ場所であっても午前と午後とで表情を変える。セオリー的には西側の富士山や駿河湾が順光となり、かつ雲の出る確率が低い午前が理想と言えるが、逆光に霞む幻想的な光を求めるなら午後も捨てがたい。

ともあれ、今回も1日目に午後の、そして2日目に午前の光を受けた絶景を堪能する。駿河湾から相模湾へと抜ける西寄りの風が遮るものもなく吹き抜けていき、立っているのも辛いほどだ。ここが紛れもなく伊豆半島の西と東とを分ける境界線上であるということを全身で思い知らされる。

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 駿河湾  ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (62mm, f/2.8, 1/2500 sec, ISO100)

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 駿河湾 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, (75mm, f/2.8, 1/2000 sec, ISO100)

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 駿河湾 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/8, 1/400 sec, ISO100)

伊豆スカイライン 展望台 愛車撮影スポット 富士山 駿河湾 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (40mm, f/5.6, 1/640 sec, ISO100)

マスクはおろかカメラさえ吹き飛ばされかねない強風の模様を動画で感じ取って頂きたい。

やはり前日と同じ芦ノ湖越しの富士山展望スポットへやってくる。ここについてては順光から斜光になる昼過ぎまでが圧勝だ。手前の紅葉が鮮やかに浮かび上がる。

箱根 芦ノ湖 富士山 展望台 愛車撮影スポット 紅葉 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/8, 1/250 sec, ISO100)

土産物を調達すべく、アネスト岩田スカイラウンジへ立ち寄る。ここからの眺望は上の展望スポットには劣るが、芦ノ湖と富士山を背景に愛車も含めた撮影を行うことが出来る。

箱根 芦ノ湖 大観山展望台 富士山 愛車撮影スポット 紅葉 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/8, 1/200 sec, ISO100)

箱根 芦ノ湖 大観山展望台 富士山 愛車撮影スポット 紅葉 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/11, 1/250 sec, ISO100)

箱根 芦ノ湖 大観山展望台 富士山 愛車撮影スポット 紅葉 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (54mm, f/2.8, 1/1600 sec, ISO100)

箱根 芦ノ湖 大観山展望台 富士山 愛車撮影スポット 紅葉 ドライブ旅SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (75mm, f/2.8, 1/5000 sec, ISO100)

https://www.htpl.co.jp/

ドライブの醍醐味を何に求めるかと言った命題に対する答えは一つに定まらない。しかし、個人的にある程度普遍的に共通するのではないかと思うのは、その車の最も気持ちの良い乗り方を引き出してあげるというものだ。

もしそうだとするなら、パサートオールトラックにとって伊豆スカイラインは最も適したステージの一つだと言えるかも知れない。

もっとも、生まれ故郷のヨーロッパで試す事が出来たならばどんな表情を見せてくれるのかと常に悶々とせずにはいられないのだが。

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