カーライフコラムフォルクスワーゲン & パサートオールトラック

ゴルフ8の日本上陸は本当に遅かったのか?コロナ影響は?| 輸入車の日本上陸時期を調べて分かってきたこと

こんにちは。パサートオールトラックに乗りつつ大衆系輸入車ウォッチャーをしている10maxです。

先月6月15日、ついにゴルフ8が国内発売されました。本国より約1年半遅れての発売です。その事に関して、「日本はだいぶ待たされた」という声をちらほら聞くのですが、「本当に普段より遅かったのか」「どの程度遅かったのか」というのが気になったのでちょっと調べてみました。

それとやはり気になるのは、コロナの影響がどの程度あったのかということ。もちろん「コロナが無ければ何ヶ月で発売になったのか」というのは神のみぞ知るですが、ゴルフ8と同じく2021年になって発売された他車種と比較することで、ゴルフ8に限らず一般的に発売時期に影響があったのかどうかを少し調べてみました。

新型ゴルフ8 新型プジョー308 日本導入 発売時期 遅い

ゴルフ8

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輸入車17車種の最近の本国・日本発売時期比較

あまり手を広げると際限ないので、とりあえずゴルフ8と同じノンプレミアム系のブランドを中心に本国と日本の発売時期を調べてみました。と言いつつ、2021年に日本で販売開始済みの(マイナーチェンジを除く)ノンプレミアムブランド車があまり無かったのでいきなりアウディA3が入ってますが・・・

本国発売 日本正式発売 日本正式発売までの期間
VWゴルフ8 2019年12月 2021年6月 1年6ヶ月
VWティグアン 2020年7月 2021年5月 10ヶ月
アウディA3 2020年3月 2021年5月 1年2ヶ月
パサート8.5(MC) 2019年6月 2021年4月 1年10ヶ月
ルノーキャプチャー 2019年10月 2021年2月 1年4ヶ月
ルノールーテシア 2019年5月 2020年11月 1年6ヶ月
プジョー2008 2020年1月 2020年9月 8ヶ月
アウディQ3 2018年11月 2020年8月 1年9ヶ月
VW T-Roc 2019年8月 2020年7月 11ヶ月
プジョー208 2019年10月 2020年7月 9ヶ月
メルセデス GLB 2019年12月 2020年6月 6ヶ月
VW T-Cross 2019年4月 2019年11月 7ヶ月
プジョー508 2018年3月 2019年3月 1年
プジョー3008 2016年5月 2017年3月 10ヶ月
VWティグアン 2016年3月 2017年1月 10ヶ月
VWパサートB8 2014年11月 2015年7月 8ヶ月
VWゴルフ7 2012年11月 2013年6月 7ヶ月

※正式導入前の限定版は除く

ではここから見えて来ることを考えてみたいと思います。

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ゴルフ8の日本導入だけが遅かったわけではなさそう

まず最初のお題である「ゴルフ8だけが目立って導入が遅かったのか」という点に関しては、同時期に日本発売となった他車種と比べてみると、実は特別に遅かったという訳ではなさそうだ、と言えます。

フルモデルチェンジのあったアウディA3も本国から1年2ヶ月と大きく違わないですし、マイナーチェンジのパサートB8.5に至ってはゴルフ8よりも長い1年10ヶ月遅れでした。

ルノーキャプチャーとルーテシアのFMCについても似たような期間遅れています。

パサートヴァリアント 改良新型 2021 日本導入時期

Canon EOS 5D Mark IV, Volkswagen Passat Variant R-Line Edition (40mm, f/4, 1/15 sec, ISO200)
パサート8.5 出典:Volkswagen Newsroom

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全体的な長期化は、コロナとソフトウエア比重増加のダブル影響か?

もう一つ見て取れるのが、2020年日本上陸の車種を中心に全体的に以前よりも長期化傾向が見られることです。それまでは1年未満の車種がほとんどだったのに、ここ1年位で上陸した車種の殆どが1年以上かかっています。

一つにはコロナ影響は間違いなくあるでしょう。車両の開発段階におけるローカライズや、輸入に関する税関手続きなど、様々なところで渡航制限が影響するからです。

では同じ様にコロナ禍の最中に日本上陸したプジョー208や2008は何故8〜9ヶ月で導入できたのか。また、ティグアンも8ヶ月という短期間で導入を果たしていますが、何故でしょう?

正解はもちろん分かりませんが、一つには先進運転支援システム(ADAS)やインフォテイメント部分の日本向けローカライズの要否があったのではないかと想像したりしています。

というのもゴルフ8やパサート8.5では、MIB3(第3世代モジュラー・インフォテイメント・マトリックス)やTraffic Assistと言ったADASやインフォテイメントの大幅な世代交代がありましたが、一方ティグアンについては、同じアップデートはあったものの本国での発売はパサートより約一年遅かったため、MIB3やTraffic Assistと言ったソフトウエア部分はほぼパサートのキャリーオーバーが可能で、開発工程が大きく短縮出来たのではないかと考えられます。

208や2008の日本導入が早かった理由の一つにももしかすると同じ事情があったのでは、と想像しています。ADASやインフォテイメントは先行する508で既に大幅刷新しており(こちらは日本発売まで一年掛かっている)、やはり508のキャリーオーバーが可能だった事が日本への早期導入にある程度寄与したのではないでしょうか(3D化などのマイナーチェンジはあったものの)。

そうなると、ゴルフ8やパサート8.5と同様にADASやインフォテイメントなどのソフトウエア制御が大きく進化するプジョー308などがいつ頃日本導入されるのかが注目されるところです。

もっとも、初めてデジタルメータークラスターのi-Cockpitが導入された3008はたった10ヶ月で導入されていますが、日本ではマップ表示も非対応だし、表記の誤訳なんかも結構多かったんですよね・・・新型308では、日本ローカライズの詰めが甘い故に早期導入出来た、なんてオチは止めてほしいところです(笑)

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プジョー 308 新型 2021年 2022年 日本導入時期

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新型プジョー308

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さいごに

昨年4月からパサートオールトラック(MC前のB8)に乗っていて思ったのは、とにかく日本ローカライズには非常の多くの手間が掛かっているだろうな、という事。デジタルメータークラスターからインフォテイメントに至るまでの日本語化だけでなく、状況に応じて半自動運転を実現しつつあるADASは各国の交通状況に合わせて最適化しないと、事故に繋がる危険性もあります。

今後ますますそれらのソフトウエアの活躍する比重が増すに連れて、さらにそこに長引くコロナの影響も相まって、輸入車の日本市場導入というのは大変な作業になってくるのだろうなと想像します。

逆にそこに手を抜くとどんどんボロが目立つことになりかねないので、各輸入車ブランドの日本法人の重要性は高まってくるのでしょうね。業界の皆様お疲れさまです・・・。

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