こんばんは。元T7型プジョー308SW乗りの10maxです。
本日3月18日、突然Web上で新型プジョー308の内外装と概要が公式に発表されました。本国では2021年から販売開始とのことなので、現行T9型308が販売開始が2013年なので8年ぶりのフルモデルチェンジになります。
それにしても急過ぎるんですよプジョさん。おかげで今日は仕事が終わったらジムに行く予定だったのですが急遽返上でキーボードとにらめっこ。だって、筆者にとってもガチンコで次の愛車候補の1つですからね。気になる事が山ほどあるわけです。
本記事では現時点で公開されているエクステリア、インテリア、インフォテイメント、先進運転支援機能(ADAS)、パワートレイン関連の情報を44点の写真・動画と共にざっと予習・予想すると共に、旧プジョー308SWからフォルクスワーゲン車へと渡り歩いたオーナーならではの視点での期待と不安をお伝えしたいと思います。一言で言えばタイトルの通り、
デザインは申し分なし!そして隠れた肝は大幅に進化した先進運転支援機能(ADAS)とインフォテイメント。でも日本向けの詰めは大丈夫?もう言い訳はきついぜプジョさん。
という感じです。後で触れますが、新型308のポイントはデザインだけではなく、同じくらいインフォテイメントやそのUI、そして半自動運転を意識したADASの進化にあるように見受けられます。それは即ち最大のライバルであるゴルフ8を強く意識しているとも言えます。だとすると日本向けローカライズを怠ると痛い目を見るかも?グループPSAジャパンの中の方、暇なら読んでね。では行ってみましょう。
(後日追記)2021年9月3日に六本木ヒルズで開催された日本初お披露目会「LION EXPERIENCE 2021」で新型308の実車の写真をたらふく撮ってきました。こちらも御覧下さい。
新型308のエクステリアは長兄の508顔を踏襲しつつ進化
まあそうは言ってもやはりカッコいいのは正義。車好き界隈が沸いたクールなエクステリアの特徴を、サイズ感なども含めて見ていきましょう。
308伝統のシャープさと柔らかさの両立は健在
さて、昨年新型308のデザインを占った記事で、これまでのプジョー車のデザインの系譜についてご紹介しました。今回発表された新型308は、その時の予想通り508の顔を継承しつつ、プジョーファミリーの中でデザイン面では最後発のポジションを生かして非常に熟成されたデザインをまとって登場したと言えそうです。
当時、現行508に続いて208が登場した際に、フロントの牙のようなポジションランプなど基本路線を踏襲しつつもややポップな方へ振った感じがあったので(508と208の関係はこれまでもそうだった)、「308はどうなってくるのかな。出来れば308のキャラクター的には508みたいなシャープ寄りがいいな、プジョさん」なんて事を書きましたが、今回発表された308のマスクは明らかに508寄り、むしろ508よりもいかつい感じで出てきました。
こちらが公式発表前にリークされた308のスパイショット。いやむしろかなりイカツイ!!
リアセクションが隠れていたのでフロントからサイド周りだけでの印象ですが、目付きの悪さといい、フロントフェンダーから肩周りの筋肉質な彫りといい、これはとんでも無くゴリゴリなのが出てきそうだぞ、と(笑)あまり可愛らしすぎるのもどうかと思うけど、あまりゴツいのはフランス車らしいカッコ可愛い個性が薄れてしまうのでは・・・なんて思ったものです。
しかし今回リアセクション含めて明らかになった全貌を見てホッとしました。
フロント周りだけ見るとたしかに結構コワモテですが、この前方のの深い彫りはフロントドアあたりで一旦弱まり、リアフェンダー辺りで再度シュッと現れることで、ドイツ車的なシャープさとはまた違う美しい抑揚を見せています。
このリアフェンダー上のプレスですが、よく見るとテールライトから連続した造形になっていて、ものすごく豊かな表情を生み出していますね。Cピラーに対して盛り上がっているところも、どっしりと地面に脚を踏ん張っているような印象を生み出しています。
そしてCピラーからお尻へかけての曲線もどこか女性的で、フロントマスクのいかつさを上手く和らげています。この丸っとしたお尻周りの豊かさは308の伝統芸能ですよ。
そういえば今気づいたんですけど、リアビューにブランドロゴ以外に「PEUGEOT」の文字が無い、ですよね?非常にシンプルで良いと思います。
Canon EOS 5DS R, (24mm, f/8, 1/250 sec, ISO100)
プジョー308って昔から、スポーツカーのようなシャープな顔とふくよかなボディを上手く組み合わせてくるんですよね。下の写真は筆者の前愛車308SWと、たまたま駐車場でお隣になったスポーツクーペ、RCZですが、全く性格の違う車なのに顔はほぼ同じなんです。不思議でしょ?
今回もそのデザイン手法を汲んできたなあ、と感じています。
プロポーションはよりロー&ロング&ワイドに
一方、一見してのプロポーションは確実にスポーティなものになった印象で非常に格好いいですね!ここで歴代308のボディサイズを比較してみます。
新308 | T9型308 | T7型308 | |
全長mm | 4360 (+107) | 4253 | 4315 |
全幅mm | 1852 (+48) | 1804 | 1820 |
全高mm | 1450 (-20) | 1470 | 1515 |
ホイールベース | 2675 (+55) | 2620 | 2610 |
最小回転半径 | 5.25m | 5.4m | 5.5m |
新308のカッコ内は現行T9との差分ですが、つまり一言で言えばよりロー&ロング&ワイドになっているのが分かります。ホイールベースも55mm延長されているので、プロポーション的にはより四隅で踏ん張るような安定感が増すとともに、居住性の改善に貢献しそうです。
この従来よりも低く広く長いプロポーションは先日発表になった新生DS4にも共通する最近のPSAのCセグメント車の方向性なのでしょう。
ただし全幅の1852mmというのは少し広いと感じる人が多いかも知れませんね。立体駐車場を使っている場合には注意が必要そうです。以下に車幅の詳細です。
新308 | T9型308 | T7型308 | |
トレッド幅(前/後) | 1559/1553mm | 1559/1553mm | 1526/1521mm |
ドアハンドル間(=全幅) | 1852mm | 1804mm | 1820mm |
ミラー間(閉状態) | 1859mm | N.A. | N.A. |
ミラー間(開状態) | 2062mm | 2043mm | 2036mm |
一方小回り感覚では、最小回転半径が5.25mと従来より小さくなっているようなのであまり気にはならないかも知れません。筆者はT7型308SWの1820mmから35mm幅広の1855mmのパサートオールトラックに乗り換えましたが、一方で最小回転半径が5.5mから5.4mへと小回りが効くようになったので細君は運転しやすくなったと言っています。
※個人的には新型308の車幅よりも、旧T7型308から現行T9型308で全幅が狭くなっていたというのが驚きでした・・・
プジョーの新ブランドロゴを初めて採用:ブランド名はロゴで完結
そうそう忘れるところでした。この新型308は、今年2月に公開した「顔だけ」の新ブランドロゴを初めて採用する車種になります。ADASのセンサー類もここに格納しているようですね。個人的には従来の手と足のある立体的なロゴの方が好きだし、少し地味な感じもします。ただ、最近のプジョーのトレンドであるこのフレームレスグリルが、中央に向かうに従ってシルバーのフレークが小さくなることで真ん中に吸い込まれるような視覚効果が有り、それによってこの新しいエンブレムを際立たせる効果が現れているような気がします。
そして上の方でも触れた通り、リアのボディには「PEUGEOT」の文字が入らないように見受けられますが、それはおそらく今回からブランドロゴ自体に「PEUGEOT」の文字が入るためでしょう。上で「ロゴ自体は前の方が良かった」などと申し上げましたがこの処理はパット見の印象がすっきりシンプルになるので、結論、良いと思います(笑)今後のモデルも踏襲するんでしょうね。
ボディカラーは7色スタート:新色「Olivine Green」はいいぞ(きっと)
報道機関向け公式資料によるとボディカラーは次の7色が用意されているようです。
- Olivine Green
- Vertigo Blue
- Elixir Red
- Pearl White
- Ice White
- Artense Grey
- Perla Nera Black
この1番目のOlivine Greenという色が新型308のプロモーションでフィーチャーされている新色ですね。このブログデザインからもお分かり頂けるかと思いますが、筆者は個人的に緑色が大好きなのもあって、この色に超絶期待ですね。以前5008などで用意されていたアマゾナイトグレーも深い緑系の魅力的な色でしたが、画像だけで見るならこの「Olivine Green」の方が好きかも知れません。都会でも映えそうだし、山や森などの自然にも優しく溶け込みそうな不思議は深みがありそうです。早く実車で見てみたいものです。
新型308のインテリア(コックピット周り)
インテリアは昨今の流行に乗ってボタン、レバー、スイッチ類を極力廃したスッキリしたものになりました。ゴルフ8を彷彿させます。並べてみましょう。
どうでしょうね。こればかりは実際の素材感を実車で見るまでは判断できません(一部レビューではゴルフの素材のチープ化が指摘されている)が、全体的な造形としては画像だけでは甲乙つけがたい感じです。強いて言えば308の方がより包まれ感を強調しているような気がします。
ただそもそもの話、少なくともここ10年くらいはインテリアのデザイン(注:質感ではなく、デザイン)ではゴルフなどはどちらかというと地味な部類であり、プジョーの方がずっとアバンギャルドで先行していた気がするのですが、ここへ来て比べられるレベルになったというのはフォルクスワーゲンの進化も流石だなと思います。
・・・とうか両社の公式画像、アングルもほとんど同じ。教科書でもあるんですか?(笑)
まあおかげで比べやすいですね。まずシフトレバーが完全に無くなりました。元々プジョーはこの辺の電子化をフォルクスワーゲンよりも先に進めていて(←褒めてない)、まあ無くなるんだろうなとは思いましたが、残念ながら予想通りと言ったところです。
SONY ILCE-7RM4, (52mm, f/6.3, 1/20 sec, ISO320)
この写真から想像するに、PとBはボタンで選択し、R-N-Dをレバーで選択するんでしょうか。これ最近多いんですが、慣れるの大変そうだなと思うんですよね。今どのポジションに入ってるかをメータークラスタで確認するしか無いという。でもまあ、プジョー車について言えばしばらく前からそうなので、それこそ慣れの問題でしょうね。
ところで「P」はパーキングで間違いないと思うんですが、「B」というのがよく分かりません。報道機関向けの資料には次のようにあります。
a new compact control for impulse selection of the modes (Reverse, Neutral, Drive) and 2 buttons (Parking and Manual) of the 8-speed automatic gearbox
Source: int-media.peugeot.com
Parking and 「Manual」とあります。マニュアルシフトモード・・・?PHEVだとBで回生ブレーキの強さを変えたりしますが、そのことかなあ?もしかすると、後述の通りパワートレインはPHEV、ガソリン、ディーゼルの3種類があるので、ガソリンやディーゼルモデルでは「M」とかの表記なのかも知れません。
ところで欲を言えばマニュアルシフトチェンジはやはりシフトレバーで行いたいんですが、もうそんなことを望める時代では無いのは分かってますよ、ええ・・・。
そして、このシフトスイッチ?の後方にドライブモードを変更するスイッチがあります。同じく公式資料によれば「Electric, Hybrid, Eco, Normal and Sport」を選択できるようです。
ところでプジョー界隈の人なら昔から気になっている「『オートブレーキホールド』っていつ付くの?」問題ですが、この写真から想像するに、今回も無さそうです(涙)見てくださいよ、ドライブモードセレクターの後方に一人ポツンと淋しげに設置されている「( P )」のボタンを(笑)
もしかするとここではなく、インフォテ画面の設定からオン/オフを選べたりするのかも知れませんが、そうだとすると使い勝手が悪いので常にオフにしそうだな・・・
なお後述しますが、これもプジョーの謎のお約束で、普段はオートブレーキホールドを使えないにも関わらず、アダプティブクルーズコントロール使用中はオートスタート・ストップが可能です。う〜ん。
他にも内装の話を。この画像のグレードでは黄緑色のステッチが見えますね。ステアリングの下部には「GT」とあるので、PHEVのハイパワーモデル(225ps)グレードには電気を表す黄緑のアクセントが用いられるんでしょうか。
こんな青系のレザーシートのモデルも有るようです。
ちなみにアンビエントライトは新型308は8色から選べるようですが、ゴルフ8は30色をさらに好きにミックスできます。ゴルフさん流石にやりすぎじゃない?(笑)
新型308のインフォテイメントとADAS:ここが頑張り所
「i-toggle」と「i-Connect」
NIKON D850, (48mm, f/6.3, 1/25 sec, ISO125)
公式資料によれば新型308のインフォテイメントのキーワードは以下の2つです。
- i-toggle
- i-Connect
これまでのi-Cockpitからさらに「i」が増えましたね。ドコモさんはどう思ってるのかな。って最近は「iモード」なんて知らない人すら居そうだな・・・
物理スイッチ省略を補ってくれそうな「i-toggle」
さて、「i」が増えるということは様々な電子制御やソフトウエア制御が増えるという事が容易に想像できます。まず分かりやすいのが「i-toggle」。3008から採用され、今ではすっかりプジョーお得意のピアノ鍵盤的なトグルスイッチですが、何と新型308から2段に増えます。お馴染みの物理トグルスイッチの上に、青い絵が表示されているのが「i-toggle」だそうです。なんだか鍵盤が二段になったオルガンを思い出しますね。
この「i-toggle」はタッチパネルになっていて、公式資料にはこう書かれています。
the new PEUGEOT 308 includes fully configurable virtual i-toggles which replace the physical air conditioning front panel.
Each i-toggle is a touch-sensitive shortcut key to the air conditioning settings, a telephone contact, a radio station, an application launch…set up according to the user’s choice.
つまり、この「i-toggle」ボタンに割り当てる機能を何かしらカスタマイズすることが出来るようですね。どのようにカスタマイズ出来るのかは分かりませんが、物理スイッチが省略された不便さを少しでも補える可能性があります。
ワイヤレス&スマホ2台接続可能な「i-Connect」
下の写真のような「Qi」規格によるワイヤレス充電は従来から可能ですが、新型308では「Apple Car Play」「Android Auto」といったインフォテイメント画面へのスマホのミラーリングもワイヤレスになります。ちなみにフォルクスワーゲンでは2019年発売(本国)の車種から可能になっています。筆者宅のパサートオールトラックは本国では旧モデルなので未対応・・・
そして同時に接続可能なスマホ台数は2台とのこと。おそらく予め登録しておいて、適宜切り替えられるのでしょう。これはいいですね。
「OK、プジョー」と言うと応えてくれる?
また公式資料には、「OK、プジョー」というと応えてくれる音声認識コマンドが備わっているとあります。まあ、英語ならともかく、プジョー車を日本語音声コマンドで操作するというのはそれはそれで空恐ろしいものがあるので、使えたらラッキー程度に思っておきましょう。
i-Cockpitは3Dメーターとステアリング保持検知機能採用
こちらはお馴染みの小径ステアリングホイールに208などで採用されているデジタルメータークラスターを組み合わせた進化版という事になります。公式資料によるとGTグレードのみメータークラスターが3D表示になるようです。
NIKON D850, (38mm, f/5.6, 1/2.5 sec, ISO125)
また、ステアリングにはドライバーがハンドルを保持しているかどうかのセンサーが備わるそうです。以前フォルクスワーゲン車が備えていた動作感知式か、最新モデルに搭載される静電容量式かは分かりません。いずれにしても、ADAS使用時にハンドルから手を離していると怒られる、あれですね。
なおADASではないですが、オプションでステアリングヒーターもあるようです。
先進運転支援システム:「Drive Assist 2.0 pack」で半自動運転の世界に近づく
ADAS(先進運転支援システム)について詳しく説明していると夜が明けるのでキーワードだけ並べておきますが、新型308に搭載されるプジョーの新生代ADASを統括するキーワードが「Drive Assist 2.0 pack」です。
公式資料によれば「A further step towards semi-autonomous driving(半自動運転に向けたさらなるステップ)」とあります。この「Drive Assist 2.0 pack」は以下の機能で構成されます。
- アダプティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)
- レーンキーピングエイド
- 半自動車線変更(時速70〜180kmの間で機能)
- 速度制限標識に応じた車速の推奨
- カーブでのスピード調整
例えば「速度制限に応じた車速推奨」というのが具体的にどのように「推奨」してくれるのか、とか「カーブでのスピード調整」を何の情報に基づいて行うのか(フォルクスワーゲンの「Travel Assist」はナビやカメラなどを複合的に活用)など、詳細は分かりません。
しかしこの内容、かなりゴルフ8を意識してきてますね。後発だから当然ですが、やはりプジョー308と言う車はゴルフと比べられる運命にあるので、ここは力を入れたいところでしょう。
新型308のその他の先進機能
その他資料から読み取れる先進機能を挙げておきます。報道向け資料の原文が英語のため一部よく理解できないものがありますがご了承下さいm(_ _)m
- 長距離ブラインドスポットモニタリング(75メートル)
- 後方交通警報(後進時、近づく車両等を警告)
- クリーニングノズルを備えた高解像度180°反転カメラ
- 4台のカメラ(フロント、リア、サイド)による360°駐車支援
- 近接ハンズフリーアクセス(Proximity hands-free start access。スマートキーの進化版のような機能じゃないかと)
- フロントガラスヒーター
- リバースギア連動バックミラーへのインデックス付加(Indexing the rearview mirrors when engaging reverse gear。これもちょっと良く分かりません)
- 自動緊急ブレーキ(昼夜問わず、歩行者と自転車を検出。7〜140km/h)
- 意図しない車線変更に対するアラート
- ドライバー注意アラート(長時間運転中のステアリングホイールの動作を分析)
- 自動ハイビーム切り替え
- 交通標識認識(停止、片道、追い越しなし、終了なし追い越し禁止等)
伝統の「クルコン棒」をついに廃止!
ところでプジョー界隈の皆さんならお馴染みかと思いますが、プジョーの(アダプティブ)クルーズコントロールといえばこれですよね。
はい、ステアリングホイールの左の奥に生えてる棒です。これは筆者の前愛車T7型308SWにも搭載されていた「アダプティブ」が付かないただの定速走行のクルコン時代からの伝統でした。しかし、下の画像ではそのクルコン棒が見えません・・・
この画像をクリックして拡大して見て頂くと分かるのですが、ステアリングホイール左側の操作部にスピード調整や車間距離調整のボタンやスイッチが並んでいるのが見えるんです。
ということで、ついにプジョーも伝統の「クルコン棒」を廃止してしまったようです。これはこれでブラインド操作がしやすくてプジョーオーナーの間では好評だったんですけどね。
マトリックスLEDヘッドライド
上の画像のメインライトの縁に「PEUGEOT Matrix LED Technology」と書かれています。公式資料には次の様にあります。
On the GT/GT Pack levels, the Full LED headlamps are even thinner and have PEUGEOT Matrix LED Technology, for greater efficiency and safety in everyday use.
おそらく上位グレードにはフルLEDヘッドライトが採用され、アダプティブヘッドライト的な動きをしてくれるものと推察されます。
問題はどこまで「日本ローカライズ」してくれるのか
さて、ここまで新型308の新しいユーザーインターフェースやインフォテイメント、ADASなどについて触れてきました。これらを見るに、やはり新型308の大きな目玉はタッチパネルをヒューマンマシンインターフェースとしたソフトウエア制御であったり、より自動運転に近づけるための「Drive Assist 2.0 pack」であることは間違いないでしょう。だって、最大のライバルであるゴルフ8がその辺りを売りにして登場したんですからね。
ところが従来ここが日本向けのプジョー車の最大の泣き所なんですよね。単に画面表示の日本語がひどい誤訳だったりという次元の低いものから、デジタルメータークラスターにマップが表示されない、純正ナビが使い物にならない、そもそもインフォテイメント画面サイズが本国よりかなり小さくて残念、といったものまで、至るところで日本のオーナーは妥協を強いられてきました。これは(日本向けローカライズが入念に行われている)フォルクスワーゲン車に乗り換えて殊更強く感じた部分です。
もしもこの新型308で、「i-toggleのカスタマイズは出来ません」「純正ナビでは使い勝手が悪いのでApple Car Playがおすすめです」「メータークラスタでのマップ表示は出来ません」なんて事が多発すると非常に格好悪いというか、売りは何でしたっけ?という話になります(デザイン?それだけならもっと安くならないと)。
もしもこうした先進機能によって本国での車両価格が大幅に上がるような場合、かつ日本でそれらの主要な機能の一部が使えない事態になった場合、価格の上昇だけを被るという惨事になりかねません。
さてさて新型308の訴求ポイントであるこれらの新機能をどこまで享受することが出来るのか、本国とグループPSAジャパンの密なる連携に期待したいところです。
新型308のパワートレインラインナップ
パワートレインはPHEV(HYBRID)2種類、ガソリン(Puretech)2種類、ディーゼル(BlueHdi)1種類の5種類のラインナップになっています。
トランスミッションは8AT(EAT8)が基本で、欧州ではガソリンとディーゼルに6MTがラインナップされるようです。駆動方式は全て前輪駆動(FF)で、今の所508や3008に設定されるようなPHEVのAWDモデルについては特に情報はありません。
燃費等さらなる詳細は追って発表があるようなので随時追記していきたいと思います。
最大出力 | 最大トルク | 車両重量 | |
HYBRID 225 | 225ps | 360Nm | 1633kg |
HYBRID 180 | 180ps | 360Nm | 1603kg |
Puretech 130 | 130ps | 230Nm | 1258~1289kg |
Puretech 110 | 110ps | 205Nm | 1254kg |
BlueHdi 130 | 130ps | 300Nm | 1340~1361kg |
新型308の欧州・国内発売時期
欧州では2021年後半に発売されるとされています。
日本国内発表の時期は明らかになっていませんが、過去のケース、例えば現行508の場合に倣うと、最もスムーズに行けば早ければ2021年内にファーストエディションという形で限定販売、続いて2022年春頃に正式導入になるでしょう。
ただし新型コロナウイルスの影響で通常より遅れる可能性もあるでしょうね。508はワールドプレミア後1年で国内販売開始していますが、208は1年4ヶ月かかっています(下表)。遅れたのは他の要因もあるかも知れませんが、実際フォルクスワーゲンでも2021年モデルの国内導入がコロナ影響で数ヶ月遅れています。ということでコロナの影響次第では日本導入は2022年後半までずれ込むかも知れません。
発表 | 日本限定モデル導入 | 正式販売開始 | |
508 | 2018年3月 | 2018年11月 | 2019年3月 |
208 | 2019年3月 | - | 2020年7月 |
さいごに:新型308は「日本仕様は妥協」では許されない!
突然Web上で発表された概要に車好き界隈が沸いた一日となりました。何よりもインパクトがあったのはそのルックスでしょう。508で始まった新しいプジョーデザインの流れから、常に期待と不安が混ざる中で待望された真打ちは、想像を超えてクールなエクステリアを引っさげて登場しました。
一方でこの車が真の価値を提供できるかどうかは、様々なソフトウエア制御の日本向けローカライズがどこまで対応されるのかに懸かってきます。少なくとも本国ではここまでインフォテイメントや先進運転支援機能に対して投資し、訴求してきているのだから、これまでのように「まあフランス車だしよく動く脚さえあれば多少の日本語の間違いくらい許してやるよ〜」なんて呑気なことを言っていられる時代はもう過去のものになったと言うべきでしょう。そしてそれは我々ユーザー側も認識しなければ割を食う時代になっているのではないでしょうか。
グループPSAジャパンの中の皆さん、読んで下さってますか?日本市場向けにも妥協せず最後まで魂を込めて下さいね!(笑)
いずれにしても魅力的な車であることは間違いないので、今後の新情報が楽しみです^^
プジョー308/308SW関連記事一覧
6月22日にはステーションワゴンモデルである308SWのモデルチェンジも正式発表となりました。新型308SWに関する記事はこちらです。
上でもご紹介した六本木ヒルズの実車お披露目会の記事です。
それ以外の308/308SWに関する記事一覧はこちらです。
新型プジョー308 フォト/動画ギャラリー
Canon EOS 5DS R, (22mm, f/9, 1/160 sec, ISO100)
Canon EOS 5DS R, (24mm, f/8, 1/250 sec, ISO100)
Canon EOS 5DS R, (22mm, f/6.3, 1/250 sec, ISO100)
SONY ILCE-7RM4, (61mm, f/9, 1/15 sec, ISO100)
SONY ILCE-7RM4, (70mm, f/9, 3.2 sec, ISO100)
SONY ILCE-7RM4, (57mm, f/10, 1/13 sec, ISO100)
SONY ILCE-7RM3, (47mm, f/2.8, 1/1250 sec, ISO200)
SONY ILCE-7RM3, (30mm, f/5.6, 1/30 sec, ISO100)
Canon EOS 5DS, (70mm, f/6.3, 1/15 sec, ISO200)
Here comes the new face of Peugeot. New #Peugeot308 #PlugInHybrid pic.twitter.com/c7oQZGlBnO
— Peugeot (@Peugeot) March 18, 2021
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