フォルクスワーゲン & パサートオールトラック

【試乗】VW パサートヴァリアントTDIは回して楽しい上質・実用ディーゼルワゴン

今回はフォルクスワーゲン パサートヴァリアント TDI(ディーゼル)に試乗です。少しだけTSIにも乗って比較しています。

下記クルマ買い替え検討の記事で書いた通り、荷室も大きく実用的で奇をてらわない、ステーションワゴンのお手本といったスタイリングと充実した先進機能とが融合した非常に魅力的な車だと感じていましたが、価格的にはやや予算オーバーだったため試乗したことがありませんでした。

それが冷やかしで近所のディーラーを訪れたところ、年度末というのに加えモデルチェンジ直前というのも相まって相当お買い得である事が分かったため、急遽検討対象として浮上してきた次第です。

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さて、先日の記事(↓)の通り、筆者宅における愛車の世代交代論争が風雲急を告げて参りました。 「家庭内で急な風雲を感じているのはお前だけだろう!!」という極めて適切な突っ込みはご容赦ください。どうせ貴方・貴女だって、ここに辿り着いたからには常...

※なお、この試乗で非常に気に入ったため実際に派生モデルであるパサートオールトラックを購入し、キャンプなどで大活躍しています。そちらのオーナーズレビュー記事も最後にご紹介していますのでご参照ください。

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パサートヴァリアントとはどんな車?

日本でも普及しているフォルクスワーゲンといえども、パサートはゴルフなどに比べると割とマニアックなので少しおさらいです。

「大衆車」メーカーのDセグフラッグシップ

フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント

パサートヴァリアント(写真:フォルクスワーゲンジャパン公式HPより拝借)

いわゆるゴルフなどのCセグメントよりもやや大きめのDセグメントの車で、セダンとステーションワゴン(ヴァリアント)があります。

従来よりフォルクスワーゲンのラインナップにおけるフラッグシップに位置付けられていました。アルテオンの登場により分かりづらいポジショニングになりましたが、基本的には大体そういう事だと思います。

ただし、フラッグシップと言っても、Volkswagen=「国民の車」というブランド名が表す通り、比較的手が届きやすい価格レンジではあります。セダン、ヴァリアント共に車両本体価格は300万円台半ばから始まります(オプションを色々考慮するとメインレンジは400万円台にはなりますが)。

そういう意味ではフランスの大衆車メーカーであるプジョーのドイツ版といった感じでしょうか。プジョーで同じサイズクラスの車としては、次期愛車候補の一つである5008や、508辺りが該当すると思いますが、それらは400万円台スタートです。

なお、ステーションワゴンモデルのヴァリアントをAWD化して最低地上高を上げてラフロード対応したクロスオーバーモデルとして、パサートオールトラックという派生モデルも存在します。

フォルクスワーゲン パサートオールトラック

パサートオールトラック(写真:フォルクスワーゲンジャパン公式HPより拝借)

日本市場で初めてTDI(クリーンディーゼル)を採用

日本市場におけるパワートレインは以下の3種類です。

  • 1.4Lガソリンターボ(TSI)+7速乾式DSG
  • 2.0Lガソリンターボ(TSI)+6速湿式DSG
  • 2.0Lディーゼルターボ(TDI)+6速湿式DSG

パサートは、フォルクスワーゲンが初めて日本市場にTDI=クリーンディーゼルを投入したモデルとして話題になりました。この2リットルTDIはアウディが日本市場でも展開しているQ5 TDIや、本国ではTTクーペTDI、A4 TDIなどにも搭載されているものですね。

なお2.0リットルTDIには150PSと190PSというチューニングの異なる二種類のエンジンがありますが、日本で導入されているパサートに積まれるTDIは190PSのハイチューン版になります。

トランスミッションは、ハイパワーな2.0LのTSIを搭載したR-Lineと同様、大トルクを受け止められる湿式DSGを採用しているのもTDIモデルの美点です。フォルクスワーゲン・アウディグループのDSGというと数年前のリコールの印象が残っていますが、あれはコストと重量を落とすために導入した乾式DSGであり、湿式DSGは大量のオイルをクラッチ周りに循環させているので故障が起きにくい構造になっています。(もっともリコール対象となった乾式DSGは相当古いモデルであり、現行の乾式DSGは当然対策されたものになっているはずです)

モデルチェンジを控えた意外とレアな車

筆者の感覚ですが、結構レア度の高い車じゃないでしょうか。

都内に住んでいると色々な輸入車を見ますが、ゴルフは周知の通りかなり普及している一方、パサート/パサートヴァリアントにはこれまでに数回しか出会った事がありません。ましてやパサートオールトラックなんて一度も見たことが無いと思います(ヴァリアントと見分けが付きづらいせいかも知れませんが)。

このパサートですが、2019年に本国でモデルチェンジが発表されており、営業さんの情報によると日本にも2020年後半に上陸するようです。そのため既に昨年夏に生産終了となっており、元々レアな車である上にこういう状況なので現状新車の玉数は極端に少なく、試乗車すらかなり限られているようです。(←なので今買うとかなり勉強してくれる(〃ω〃))

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パサートヴァリアントの外観

プレーンで上質なザ・ステーションワゴン

そんなに写真が撮れていませんが、簡単にご紹介します。今回の検討対象であるヴァリアントのみになります。

冒頭でも書いた通り、ザ・ステーションワゴン、と言ったプレーンでクリーンなエクステリアで、ステーションワゴンが大好物の筆者は鼻血が出そうになりますが人前なので必死に堪えます。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/640 sec, ISO25)

プジョー308SWもそうなのですが、この、「余計なものは何も足さない」「大量の荷物を飲み込んでどこまでも走り続けるのが使命」「ロングヴァケーションの申し子」といった感じの普遍的なステーションワゴンのシルエットは、個人的には非常に好物です。

国産車にありがちなゴテゴテした装飾に頼らず、さりげないプレスラインやクローム加飾などで質感を高めるデザインセンスは飽きが来ず上質で非常にいいと思います。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO200)

このボンネットのプレスラインもとても美しいですね。車幅灯にもなるライトのLEDの列もさりげないアクセントになっています。

そしてフロントより好きかもしれないリア。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/1600 sec, ISO25)

必要以上に傾斜を付けず積載容量を確保する実用性重視のリアハッチのデザインにはグッときます。プジョー5008も、最近流行りの丸っこいSUVとは一線を画した、垂直に切り立ったリアのシルエットが非常に気に入っていますが、実用性重視という思想はプジョーと共通するのではないかと感じています。

パサートヴァリアントのデザインから実用性への拘りを紐解いてみる

少し余談ですが、フランス車に対して真っ先に「おしゃれ」というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、それ以上に実用性を重んじている節が随所から伝わってきます。この辺り、フォルクスワーゲンととても共通性があると感じています。同じドイツ車でもプレミアム御三家はスタイリング重視で積載量などの実用性を多少犠牲にしているところがあるように思います。

例えばプジョー車には未だに殆どの車種でスペアタイヤが積載されていますが(あのスタイリッシュな508でさえ)、フォルクスワーゲンも、ゴルフヴァリアントではスペアタイヤを積んでいますし、パサートヴァリアントはパンクしないモビリティタイヤを履くことでバーストのリスクをヘッジしています。やはり「国境を越えてロングヴァケーションを問題なく楽しむための乗り物」という考え方からするとこの辺りは外せないのでしょうね。筆者も以前、お盆休みに旅行先の田舎でバーストしてしまい、308SWのスペアタイヤに救われた思い出があります。

日本車は殆どがパンク修理キットになってしまっていますが、何かを踏んでバーストしたら何の役にも立ちませんからね^^;

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パサートヴァリアントの内装とラゲッジルーム

運転席/助手席周り

ハイラインのグレードを選択するとフォルクスワーゲン・アウディグループお得意の「アクティブ・インフォ・ディスプレイ」がまず目に入ります。これもオプションのDiscover Proという純正ナビを選ぶと、このアクティブ・インフォ・ディスプレイにもナビ画面が表示され、さらに手元のボタンで地図の縮尺を変えたり出来るのでとても便利です。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 運転席 コックピットApple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/120 sec, ISO50)

もちろん手元のボタンで表示モードを変える事で、アダプティブクルーズコントロール(ACC)などのADASの設定・作動状況、オーディオ関連など、何種類かの表示モードに切り替える事が出来ます。

今どきのインパネらしく多くの操作をタッチパネルで行いますが、エアコン関連が独立しているのはユーザーフレンドリーですね。また、意外と多くの仕事をステアリングホイールのボタンで行うことができます。

ところで後述しますが、ACCは全車速対応で、かつステアリングスイッチでの操作が非常にしやすく、一度これを知ってしまうと離れられないと感じるほどです^^

 

ステアリングホイールはスポーティなDシェイプを採用しています。調整幅もかなりあり、ベストなドライビングポジションを取ることが出来ます。実は現愛車の308SWでは、足元の余裕を取るためにシートを十分に後ろへ下げると、ステアリングホイールの方はそれほど手前に持ってこれないので少しだけポジションに課題がありましたが、パサートではその問題はなさそうです。

また、写真には写っていませんが、ステアリングホイールの裏側にはパドルシフト用のパドルスイッチも付いています。コラム固定ではなく、ステアリングと一緒に回るタイプで、後でご紹介しますがこの動作ロジックもよく練られていて非常に使いやすいです。

こちら↓はセンターコンソール。前方、エアコン操作部から順に、スマホを置けるトレイがあり、トレイの奥にはUSB端子があります。Apple CarPlayやAndroid Autoを使う場合はここにケーブルを接続します。残念ながら非接触充電規格Qiには対応していません。

そしてオーソドックスなシフトノブが生えており、その後方に二人分のドリンクホルダーと、電子パーキングブレーキおよびオートブレーキホールドのON/OFFスイッチ、キー置き場のような小物入れと12Vのシガーソケットが並びます。そのさらに後ろに、少し見切れてしまっていますが、肘掛けを開けたところに深めの小物入れがあり、中にAUX入力端子とUSB端子があります。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 センターコンソールApple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/30 sec, ISO640)

グローブボックスは車検証プラスαと言った感じで広くも狭くもありませんね。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 グローブボックスApple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/25 sec, ISO800)

ここにETCカードのスロットやSDカードスロットが内蔵されています。

後部座席

後部座席はとにかく広いです。身長178センチの筆者(しつこいですが最近177cmに縮んできました。なんで?)ですが、運転席を筆者のポジションに合わせた上でも、下の写真のように拳が3〜4個分くらい空きます。こんな大の大人でも余裕で足を組めます(シートバックが汚れるので子供たちには「足を組むとナマハゲが来るぞ」と言うつもりですが)。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 後部座席Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO125)

もっとも今回候補となっている車は、プジョー5008にしてもCX-8にしてもほど同等程度の膝前の広さがありますね。ただし5008は、膝前の空間は広いのですが、三座独立なので座面の幅は相対的に狭くなるので、後部座席の座り心地という点では(4人乗車が前提なら)パサートとCX-8に軍配が上がります。

座面も広く、沈み込みすぎず適度に弾力のあるナッパレザーは包み込まれるような座り心地で、すぐ寝てしまいそうです(笑)

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 後部座席Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/17 sec, ISO800)

エアコンの温度調整も独立して行えます。

ラゲッジルームの概要

さて、荷室フェチによる大好物の荷室チェックタイムです(笑)

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 荷室 ラゲッジApple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO100)

もう広大という表現がぴったりです。パサートヴァリアントの場合、5人乗車時で650Lというクラス最大級の容量を誇ります(オールトラックは639L)。

全体の写真を取り忘れたので、YouTubeのVW和光チャンネルの動画の一コマをお借りします。

二列目を倒せば、筆者とちょうど同じくらいの体格の人が二人で車中泊ができるくらいのフラットで広大なスペースが出現します。とは言え178センチの大男が二人で車中泊というシチュエーションを想像するのも珍妙なので次へ行きます。

荷室寸法

では各部の寸法を見ていきましょう。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 荷室 ラゲッジ

Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/120 sec, ISO50)
奥行:約114cm(最長部)

 

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 荷室 ラゲッジ

Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO125)
幅:約100cm

 

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 荷室 ラゲッジ

Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/120 sec, ISO80)
幅(窪み部分):左右各20cm

 

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 荷室 ラゲッジ

Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/120 sec, ISO40)
高さ:開口部約72cm、最後部約82cm

 

40:20:40可倒なので、スキーや長めのキャンプ道具などもバンバン通せます。これ、筆者にとっては大事な要素です。

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 後部座席 可倒Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/90 sec, ISO100)

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント 試乗 荷室 ラゲッジ

Apple iPhone XS, (4.25mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO160)
中央可倒部幅:約25cm

 

ミニバンと比べると高さは決して高くないですが、4人家族のキャンプ道具を積むのには全く不自由しないでしょう。

比較中のCX-8、5008との荷室寸法・容量比較

ここで現在の次期愛車有力候補の荷室容量・寸法をまとめておきます。

ラゲッジ 荷室 容量 寸法 CX-8 5008 308SW パサートヴァリアント

ボディ全長が5mに達しようというCX-8は流石に奥行き、幅共に広いのですが、豪華な三列目シートが床下に格納されているため高さが低いのと、リアハッチの傾斜が強い分不利になっていると思われます。

 

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ドライブインプレッション

※以下、どちらかというとディーゼル(TDI)でのインプレがメインとなります。

TDIのアイドリング音:走行距離が進んだ試乗車に乗ってみるべし

パサートヴァリアントTDIに積まれるのはVW製のディーゼルエンジン。

まずは、ディーゼルと来ればお決まりのアイドリング時の音量や音質についてです。あまり気にならないという人もいるかも知れませんが、筆者はエンジン音が気にいるかどうかが割と大きなポイントだったりするのです。

まずアイドリング時の音質についてはとても角が取れた音質で、今まで乗ったことのあるプジョー、マツダ、BMWの中で、いい意味で最もディーゼルらしくないと感じました。

「カラカラカラ・・・」というよりは「ブロロロロ・・・」といった丸みのある重低音という感じで、ディーゼルというよりはプジョーのPure Techガソリン三気筒エンジンに近いと感じました。とは言えもちろんどちらかと言えばディーゼルであることは分かりますけどね。

次に音量ですが、これは少し興味深い発見がありました。最初に乗った試乗車では、車内で聞こえる音量はそれなりに大きく、静かな方から順に

CX-8 ≒ BMW X5 < プジョー1.5HDi ≒ パサート <プジョー2.0HDi

といった感じでした。

ところが、この後面白い発見がありました。後日高速試乗のために別の試乗車に乗ってエンジンを掛けた瞬間に非常に驚いてしまい、思わず

「んんっ?」

と声が漏れました。

前の試乗の時に比べるとパッと分かるレベルで静かで、ガソリンエンジンそのもののようだったのです。

その反応を見た営業さんがこう話してくれました。

「やっぱり分かりますか。実はこの試乗車、先日の下ろしたてのとは違って距離が9000キロくらい行ってるんですよ。どうも距離が伸びると角が取れて音が落ち着いてくるらしいんです」

これは非常に面白い発見でした。ちなみに「個体差じゃないの?」とも思ったのですが、その後日更にもう一度試乗した際には別の1万数千キロ走った試乗車を運転させてもらいましたが、こちらも非常に静かだったので、どうもそういうもののようです。

これはもしかすると他のエンジンにも当てはまるかも知れないので、ディーゼルの音が気になる場合には可能なら複数の走行距離の違う試乗車に乗ってみるといいかも知れません。

TDIは高回転型のスポーティなディーゼルエンジン

フォルクスワーゲンが日本市場で展開するTDI(ディーゼルエンジン)は190psのものと150psのものがありますが、パサートヴァリアントに搭載されるのはハイチューンな190psの方。

このTDI、ディーゼルエンジンの中でも、高回転型のスポーティなディーゼル、という事が言えそうです。アウディTTクーペ等でも使われるパワーソースなのでそのような性格に振ってくるのは当然といえば当然かも知れません。

吹け上がりという意味ではCX-8のXDが4000回転を超えた最後までパワー感が持続する感じがありますが、このTDIも遜色ない感覚で、アクセルを軽く踏み込んだだけでギュンと軽々4000回転超まで吹け上がり、トルクの頭打ち感も少なく感じます。

その代わり、低回転での爆発的な加速という点ではプジョーなどの方が優れている感じがします。

これはTDIの性能曲線ですが、2000回転の手前でピークに達するトルクが、そのまま3500回転近くまで維持されています。道理で頭打ち感が少ないわけです。

フォルクスワーゲン パサート TDI ディーゼル 性能曲線

フォルクスワーゲンジャパン公式HPより拝借

高速道路でマニュアルモードを駆使して積極的に回していくと「ブロローーーーン・・・」というV8エンジンのような(乗ったこと無いけどw)気持ちのいい迫力サウンドを上げながら力強く加速します。巡航時とのギャップが楽しいです。

Twitterでお世話になってるUUさんの記事でも、「(アウディも同様だったように)欧州車って加速の時の音はわざと聞かせる設定なんでしょうか?」とおっしゃってましたが、もしかしてそうなのかもしれません。

【フォルクスワーゲン パサート・ヴァリアント 試乗 レビュー】Part2 動的質感編 快適重視のジェントルな乗り心地!少し気になる部分も。
パサートヴァリアント 1.4ℓターボ 動的質感レビュー!   フォルクスワーゲンの パサートヴァリアント に試乗させてもらいました! という話の2回目で 動的質感 のレビューをしていきたいと思います。 前回はエクステリアのレビュー

この辺りの気持ちよさ、出来の良さも、非常に評価の高いマツダCX-8のXDといい勝負だと感じます。

もちろん高速巡航時には2000回転以下の回転域で極めて静かなツーリングを楽しむことが出来る点は他のクリーンディーゼルと同様です。

TSI(ガソリン)も少しだけ味見

1.4LガソリンターボのTSIにも一度だけ試乗しました。

やはりTDIよりも静かで、回せばスポーティかつ軽やかに吹け上がるので気持ちがいいですね。

サウンドは、プジョーのガソリンユニットであるプリンスエンジンがすっきりスムーズだとすると、TSIはよりスポーツカー的な高揚感がある味付けな気がします。トルクという点でも、TDIが高回転型というのもあって、スペックはともかく感覚的には出だしのトルクでもTDIに負けず豪快な加速が可能です。プリンスエンジンも大好きですが、こちらも流石、よく出来たエンジンです。

ただ、2020年3月時点で既に必須条件であるパノラマルーフオプションがついたヴァリアントTSIの在庫がゼロなのと、乾式DSGというのが少し心配なのとで検討対象から外れたため軽い試乗しかしていないので、詳しいインプレは省略させて下さいm(_ _)m

DSGがすこぶる気持ちいい

スパスパ決まります。

決まるっていうか、機械がやってくれるのだから決まらないわけはないのですがw、単に変速するというよりも「キマる」という表現が相応しいほど、素早く変速します。

シフトダウンの際など、一瞬で「ふぉんッ」と回転数が跳ね上がり、瞬時に変速されます。トルコンATのような「ギュイーン」と回転数が上がる間延びした感覚はありません。これはかつてオートバイやMTのRX-8に乗っていた感覚からするとニヤけてしまうような爽快さですね^^

 

また、シフトノブやパドルによる操作性も秀逸です。

シフトノブですが、Dモードから、横へスコンとずらすとマニュアルモードになるのは良くあるパターンですが、面白いのは、下へコクっとやるとスポーツモードに入れられるギミックです。これは他の車でよくあるボタンを押すタイプよりも直感的に使いやすいですね。

画像:フォルクスワーゲンジャパン公式HPより拝借

このように、シフトノブを握ったままでDモードからマニュアルモード、さらにスポーツモードまで自在にシフト関連を操れるというのは非常に操作性がよく、途切れることがない自然な導線で加減速を操ることが出来ます。

※ところでパサートには「ドライビングプロファイル」という機能があって(詳細は後述)、シフトタイミングの他にステアリングやエンジン特性も合わせて変わるのですが、上記のシフトノブをコクっと下へ動かした時に適用されるスポーツモードは、シフトタイミングだけがスポーツモード(高回転に引っ張ったり積極的にシフトダウンしたり)に変わるようです。

 

パドルシフトの操作性も非常にいいです。まずコラム固定式ではなくステアリングホイールと一緒に回るタイプなので、ステアリング操作に集中しながらでの操作もし易いです。

また、シフトノブがDモードの状態からパドルを操作するとマニュアルモードに入り、1分ほど(実測ではなく感覚ですが^^;)の長い間マニュアルモードを保持してくれます。Dモードに戻すにはパドルを2秒ほど長押しします。例えばプジョーなどでは、パドル契機でマニュアルモードに入った後10秒くらいですぐ自動的にマニュアルモードが解除されるというロジックのものもありますが、個人的には自分が意図しないタイミングで勝手に解除されない方が嬉しいですね。この辺はMT時代の変な名残かも知れませんが・・・

まあ個人的には上の通りシフトノブの操作性が非常にいいので、パドルは有っても無くてもいいかな、くらいに思っています(笑)

ドライビングプロファイル機能が楽しい

パサート ドライビングプロファイル

パサートオールトラックのドライビングプロファイル選択画面(画像:Spyder7より)

上で少し触れたとおり、パサートには「ドライビングプロファイル」という、車の性格を変化させる機能が備わっており、以下の各モードを選ぶことが出来ます。

  • ノーマル
  • スポーツ
  • エコ
  • カスタム
  • (オールトラックには更に「コンフォート」「オフロード」モードあり)

「スポーツ」しか試しませんでしたが、シフトアップのタイミングが高回転まで引っ張る様になると共に、アクセルに対するレスポンス、トルク感が上がります。発進で「グンッ!」と押されるのが分かるほど元気になります。これは面白いですね。

ステアリングの重さは試乗の間だけではちょっと良く分かりませんでしたが、元々直進安定性も高くよく出来たステアリングフィールなのでそんなに変わらなくてもいいかな、と思いました。

ゆったりした乗り心地と地を這うようなロードホールディングが共存する足回り

基本的にはステアリングもクイックではないですし、長いホイールベースを生かした角のないゆとりのある快適な乗り心地なので、家族でゆっくりロングツーリングを楽しむには最適だと思います。

一方、高速道路の出入り口のようなコーナリングに入ると、ピタッと道路を掴んでビシッと姿勢を変えずに回っていく剛性感ある感覚に驚きました。

ロードホールディングに定評ある現愛車の308SWと比べても、心持ち姿勢変化やロールが少なく感じました。この辺りはさすがドイツ車、と言ったところでしょうか。

先進運転支援システム(ADAS)は死角なく安心感も秀逸

高速道路でのオートクルーズコントロールや一般道での渋滞時追従支援システムも試してみましたが、一度知ってしまうとこれ無しというのは考え難いほどの出来の良さでした。

まずACCですが、オンオフや上限スピード、車間距離などの設定は全てステアリングスイッチで簡単に行えます。そして前走する車の補足精度も中々のものでした。ACCをオンにして前の車を認識すると下の画像のようにアクティブインフォディスプレイ上に車のイメージが現れます。

フォルクスワーゲン ACC アクティブインフォディスプレイ

画像出典:VW茨城HPより別車種の画像

そこから、例えば別の車が突然間に割り込んでくると、一瞬車の画像が消えた後即座にそれを認識して再び車のイメージを表示するとともにすぐに減速し、予め設定した車間距離を取ります。

あるいは逆に自分が車線変更した際も、同じ様に車線変更先の前走車を即座に認識して設定された車間距離になるよう加減速を行います。

それらの認識や加減速は非常に素早く行われるので、ぶつかりそうになるといった不安を感じることはほぼありませんでした。

また突然の車線変更などの際の減速も唐突な急ブレーキではなく、非常に滑らかに減速を行っていました。

 

これと同じ仕組みで渋滞時追従支援も行ってくれます。前車が停車すれば自車も適切な距離をとって停止まで行ってくれ、すぐに前の車が動き出せば自動的に再発進し、停止してから数秒経った場合も、アクセルペダルをポンと踏むかステアリングのResumeボタンを押せば元々設定された上限速度をメモリーしていてその範囲内で自動追従してくれます。

※この辺りの使い勝手はマツダCX-8と同等だと感じました。

 

また、レーンキープアシストも使ってみましたが、車線を明らかに逸脱しそうになると、割と分かりやすくステアリングにククっと戻しを入れてくれます。マツダCX-8の場合はハンドルのアシストは弱めか、アシストが入らない場合も何故かあったので、パサートのほうが安心感が高いと感じました。

 

これらの支援機能は、スキーやキャンプで疲れた帰り道などで非常に重宝しそうです。特に渋滞時追従支援は負担が少なくて済むので、一度知ってしまうとこれ無しというのが考えられないほど便利ですね。プジョーでは508でようやくこの機能を入れてきましたが、5008など他の車種では残念ながらこの機能は入っていないので、ここは大きなポイントになりそうです。

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パサートヴァリアントTDI試乗レビュー:まとめ

総じて、

控えめに言っても楽しさしか無い

というのが感想ですね。

荷物も沢山乗って実用的で、乗り心地も良くて、気合いを入れればディーゼルにしてはよく回るTDIと接地感の高い足回りで爽快なスポーティ走行も出来て、ADASの出来もいい、と、今の所ネガティブなポイントは見つかっておらず、もっと乗っていたいと感じさせる車です。

もっともデザイン的には好みが分かれるかも知れませんね。筆者的には無駄なく機能的なデザインが好きなので非常に好感を持っていますが、人によってはつまらないデザインだと感じるかも知れません。まあデザインというやつはどの車でも同じことが言えますね^^;

 

だけどこうして並べてみると、やっぱり我が家の猫バスくんもカッコいいなあ。二人の美形に囲まれてしばしの幸福感を味わったのでした(笑)

フォルクスワーゲン パサートヴァリアント プジョー308SW 試乗

関連記事:パサートオールトラックオーナーズレビュー

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