フランス・ソショー生まれの彼が「路面に吸い付くような」というのであれば、ドイツ・エムデン生まれの彼は「地を這うような」とでも言えばそこそこ当たっているだろうか。
それはともかく2020年は、足掛け9年家族として過ごした猫バス君ことプジョー308SWという素晴らしい車と別れ、パサオ君ことVWパサートオールトラックという素晴らしい車を新たな家族として迎えた節目の年となった。
フランスの大衆車からドイツの国民車へと国境を跨いでみて見える景色に一体どんな変化があったのか、無駄にダラダラし過ぎて気付いたら差し迫っていた年の瀬に追われつつ振り返ってみたい。
なお、個々のスペックなどと言うよりは、両ブランドの設計思想や車づくり全体に通底するものを中心に見て行きたいと思う。
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (31mm, f/3.7, 1/640 sec, ISO200)
フランス車からドイツ車に乗り換えた当初の思い
敢えて告白してしまうが、プジョーからフォルクスワーゲンという「ブランド」の乗換えについては少し寂しい思いもあった。人と被る事を好まない筆者の性格からして、日本においてより知名度の高いブランドへの移行は少しだけ躊躇われる要素であったのは否定できない。
ヤナセの功によりフォルクスワーゲンというブランドは日本における輸入車の(高級でない方の)代名詞的な存在にまで育て上げられたと言っても過言ではない。一方のプジョーは筆者が308SWを購入した2012年時点での国内年間販売台数は5千台程度、現在でもようやく1万台を超えた程度であり、マニア心をくすぐるものがある。
しかし一方でこのような思いも抑える事が出来なかったのだ。
「輸入車を語る上で欠かせないドイツ車というものを一度知っておきたい・・・」
輸入車を語る必要も資格も全くない訳であるが、車好きの方なら何となく言わんとする事を分かって頂けるのではないだろうか(一方で細君にこう話しても0.5秒で別の話題に変わってしまうのだが)。この思いについては下記の記事で「Transporter」のジェイソン・ステイサムなどにも出演して貰いながらより赤裸々に述べているので年末年始で暇な方はどうぞ。
ちなみに「人と被ならい」という点に関して、「プジョーとフォルクスワーゲン」という比較であれば圧倒的にプジョーに軍配が上がるが、「308SWとパサートオールトラック」という車種で比較すれば圧倒的にパサートオールトラックの方がレアだと感じる。何しろ今まで一度も自車以外の実車にお目にかかったことがない(購入検討時の試乗はヴァリアントのみ)。
デザインの違い – アンニュイさが愛に変わるフランス車とスルメのようなドイツ車
よくフランス車は「お洒落」「可愛い」などと評され、ドイツ車は「端正」「質実剛健」などと表現されるが、それはそれとして、ここでは筆者が感じた、オーナーならではのインプレッションと、そこから生まれるオーナーとしての「所有の喜び」に何か違いがあるのかをお伝えしたい。感覚的なものなので万人が同じように感じるとは言わないが、ご参考まで。
フランス車へのアンニュイな第一印象はやがて愛に変わる
まず、第一印象ではプジョーを始めとするフランス車は、より前衛的で人によっては「ちょっとアンニュイ(妙ちくりん)だな」と感じる場合も多いと思う。何を隠そう筆者がそうだった。
しかし、(元)オーナーは語る。フランス車の初見の「アンニュイさ」は、徐々に愛に変わる、と。
最初にプジョー308SWを見た時の不思議な感覚は今でも忘れない。「何だこの不思議な造形は(特にお尻)」と思ったものだ。しかし徐々にそれが病みつきになって来る。この件については308SWのオーナーズレビューで詳しく触れているので、お節料理でも食べながらご覧頂きたい。
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (60mm, f/4, 1/1600 sec, ISO200)
ドイツ車は実車を見てスルメのように恋に落ちる
一方でドイツ車、こと国民車であるところのフォルクスワーゲンの内外装デザインについては「機能的だが地味である」と評されることが多い。間違ってはいないだろう。何を隠そうパサートヴァリアント/パサートオールトラックに関して筆者がWebなどで見ていた際の感想もそれに近かった。
しかし、オーナーは語る。フォルクスワーゲン車のデザインは実車を見ればスルメの如く恋に落ちる、と。
※「スルメの如く恋に落ちる」事などあるのか、と言う話はあるが、かなりゆっくり落ちていく様子を想像して頂きたい。
エクステリアもそうであるが、特にインテリアである。まずはドライバーズシートに座ってみて頂きたい。どこがどう、と説明するのが難しいのだが、全体としてとても精緻で密度が高く、清廉な空気に包まれるような心地よさがある。ネット上の写真では伝わらない、実際に目で見て触れてみて初めて伝わってくる質感や造りの丁寧さがじわっと所有感を満たしてくれるのだ。
パサートオールトラックのデザインのスルメのような魅力については下記でまとめているのでお屠蘇の肴が欲しい方はどうぞ。
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (25mm, f/3.5, 1/320 sec, ISO200)
プジョーデザインの「特別感」
ということで、プジョー、フォルクスワーゲンのデザインに対する一般的な評価と、オーナー目線での評価について触れてみたが、プジョーにはやはりフォルクスワーゲンには無い独特な世界観があるというのも確かだろう。
フォルクスワーゲン車のドライバーズシートに収まった時の景色で特別驚かされる事はさほど多くない。極めてオーソドックスであり、操作に迷うこともない。悪く言えば「普通」である。
一方で昨今の、こと「i-Cockpit」と呼ばれる手法を取り入れ始めてからのプジョーのコックピットには少なからず意表を突かれる。小径ステアリングに、ドライバーを包み込むようにせり上がったセンターコンソール、クロームのトグルスイッチやステッチの色使い、素材のチョイスなど、「特別なもの」「人とは違うもの」に乗っている感をより強く得ることが出来るというのは、両ブランドの車を所有した筆者も感じるところだ。これでプジョーを選ぶという人も多いだろう。
ドイツ車とフランス車に共通する「センスの良さ」
さて、この両ブランドのデザインについては共通するものもあると感じているので触れておきたい。それは非常に曖昧な代物なのだが、それは押し付けがましくない「センスの良さ」だ。
あからさまな造形や押し出しの強さを良しとしない、面と線、それを作る素材の巧妙な組み合わせで生み出される、さり気ないシンプルな、しかし濃厚な格好良さ。一部の国産車種のように大量のクロームメッキをゴテゴテと貼り付けて「押し出し感を強くしました」などとは決して言わない(もっとも最近の両社のコンパクトSUV界隈のデザインには少々危惧を抱いているところではあるのだが・・・)。それ故に、飽きが来ず、長い間愛する事ができる。
結局のところ、どうなのさ
上でも触れたとおり、こと「デザイン」というフィールドではフランス勢にアドバンテージがあるかも知れない。特に「所有」という観点ではエクステリアよりも、ほとんどの時間を過ごすインテリアが重要であり、フランス車のインテリアには他にはない表現が用いられている。
で、実際の所308SWのインテリアはやはり特別感が漂っていた。クロームの使い方や曲線の活かし方、ダッシュボードのソフト素材のシボなど、スポーティさと優雅さが両立したインテリア、乗り込む度に喜びを覚えたものである。
しかしパサートオールトラックの内装とて負けてはいない。何しろスルメである。オーソドックスな中にも、日々乗るほどに感覚に染み込んでくる密度と上質さは気づけば大いに満足感を与えてくれる。
「特別感」という点でプジョーが一歩リードするかも知れないが、それはかなりレベルの高い戦いだと言うことが出来る。
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (12mm, f/3.2, 1/200 sec, ISO200)
ドライブフィールの違い – 運転者の意図に添うドイツ車と細かい事は車に預けるフランス車
デザインについては「特別感」という点でプジョーが一歩優位に立ったが、運転操作に対する考え方という点ではフォルクスワーゲンが優勢に立つかも知れない。
もちろん、プジョー、フォルクスワーゲン共に運転の楽しさを提供する点では間違いなく一致している。シャシーの剛性感や路面を執拗に捉える足回りなど、個性の違いはあれど、どちらに乗っても車好きに大きな不満を抱かせることは無いだろう。
しかし運転操作に対する考え方については、一言で言えばフォルクスワーゲンの方がよりユーザーの意図や好みにきめ細かく応えてくれるのだ。従って、スポーツ走行を好むドライバーはフォルクスワーゲンの操作系統を好む場合が多いのではないかと思う。
SONY ILCE-7M2, (75mm, f/2.8, 1/2000 sec, ISO100)
シフトチェンジ操作に表れるユーザビリティの違い
最も顕著な違いはシフトチェンジに関わる操作である。最近のプジョー車の多くにはシフトパドルが備わっているのだが、この操作性があまり芳しくない。意図したタイミングで変速してくれなかったり(連続シフトダウンが出来ない等)、マニュアルモードの呼び出し方が煩わしかったりと気になる点が多い。また、エンジンの出力特性やステアリングの重さなどを変えられるドライブモード機能についても、それぞれの項目を個別に設定できなかったりと制限が多い。パドルシフトのタイミングについては下記の試乗記で詳しく触れているので餅が噛み切れなくて手持ち無沙汰な方はご覧頂きたい(喉に詰まらせないように)。
一方のフォルクスワーゲンは、お得意の内製トランスミッションDSGを中心に据えて非常に柔軟な設定を可能にしている。まず、上で触れたようなマニュアルモードでのシフトチェンジのタイミングに関する問題は皆無であり実に俊敏に意図に添ってくれる。また、シフトプログラムに加えてステアリングの重さやエンジン出力特性といった項目を変えられるドライビングプロファイル機能については、スポーツ、コンフォート、ノーマルといった予め備わったプリセットモードとは別に全ての項目を独立して設定出来るのはもちろん、各プリセットモードを使用中にシフトプログラムだけをシフトレバーで瞬時にSモードに出来る、と言った塩梅にドライブ好きの琴線に触れるユーザビリティを備えている。パドルシフトの操作に関しても、詳細は省くがプジョーのそれに比べるとよりドライバーの意図を重視したロジックが組まれている。
これは見方によっては、プジョーは、ややこしいことはある程度車に任せて快適なドライブを楽しんでもらう、という思想なのかも知れない。しかし、フォルクスワーゲンでは車任せのドライブが出来ないかと言うとそうではなく、あくまでも選択肢が多いという事なので、普段は車任せだが時折はマニュアルに近い運転操作をしたい、と言った場合はフォルクスワーゲンの設計の方が望ましいと言えそうだ(逆に言えばある程度車任せで良いという場合はどちらでも良いという話になる)。
これはもしかするとトランスミッションを外注せず内製しているからこそ出来る技なのかも知れないし、逆に言えばこうしたドライバビリティを手放したくないがために内製に拘り、改良を続けている可能性もある。
何より、DSGの長年に渡る改良により着実に高い品質と快適性(ギクシャクしない)を実現しつつある姿勢に真面目さを感じる。DSGに関しては下記で触れているので余ったお節料理でもつまみながらご笑覧頂きたい。
また上で少し触れたパドルシフトの制御については下記で解説しているのでご参考まで。
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (17mm, f/3.1, 1/60 sec, ISO320)
ではオーナーとしての喜びについてはどうか
ここでもまた、一概には言えないという結論にせざるを得ない。ドライブに何を求めるかに拠るし、その要素は乗り心地やサウンド、ステアリングフィールなど多岐に渡る。上記の通り、もしもよりスポーティな走行やマニュアル的な操作性を重視するなら、フォルクスワーゲンに軍配が上がる。
ただ一つ言えるのは、これもやはり非常に高いレベルでの比較であるという事だ。基本的なシャシー性能やステアリングフィール、パワーソースはプジョーもフォルクスワーゲンも実に秀逸であり、一般的な車好きであれば間違いなく一定以上の満足を得られる事は保証が出来る。実際筆者は、どちらの車に乗り込む時にも喜びを覚えていたし、週に何度も何かしら理由をこじつけて運転していたものである。
OLYMPUS E-P3, LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S. (61mm, f/5.2, 1/20 sec, ISO1600)
ツッコミが楽しくなるフランス車・感心が愛着に変わるドイツ車
さて、欧州車ライフの楽しみの一つに「ツッコミを入れる」という営みがある。車を運転したりユーティリティを使用したりしていて妙ちくりんな場面に出会うと、関西人でもないのに「なんでやねん!!」とツッコミを入れながらSNSに投稿したくなるという、日本車ではあまり遭遇しないアレである。
それに関して言えば、案の定、というか、想像通り、というか、今の所プジョー車の方が多い感じがする(まあもちろん308SWで欧州車に慣れてからのパサートオールトラックなので多少割り引いて見る必要はあるが)。
ツッコミには悪いケースもあれば良いケースもある。
例えば308SWのクーラントセンサーは故障すると治せない。具体的には、クーラントの水量は十分あるのにピーピー警告音が鳴るという症状に陥ったのだが、サービスの回答は「これは治す方法が無いんです。なので警告音が鳴らないようにセンサーを抜いてしまうしかありません」との事であった。なんでやねん!!
しかもその後、308にはクーラントセンサー自体が廃止されてしまったとのことだ。何とも潔い・・・なんでやねん!!
上記は悪い意味での「なんでやねん!!」なのだが、致命的なものでもないのでそこはかとなく笑えてしまうエピソードである。
一方で良い意味で予想を裏切られた際の「なんでやねん!!」もある。例えば、308SWの2列目・3列目座席は全て取り外すことが出来る。また、2列目は何と前席シートバック側にガバっと跳ね上げることも出来る。この神がかったシートアレンジの柔軟さを発見した時には思わず「なんでやねん!!こんなんよく思いついたな!」と称賛を贈ったものである。別の車だが、プジョー・リフターやルノー・カングーなどはこの手の最たるものであろう。
※なお、フォルクスワーゲンのゴルフトゥーランにも同様のギミックがあるのだが、トゥーランの様なミニバンではなく308SWという5人乗りハッチバックに毛の生えた様なサイズの車にこのユーティリティを採用したところがマニアックだと感じている。
VWは真上に賢く、プジョーは斜め上にぶっ飛んでいる?
この様に308SWを始めとするプジョー車にはこうした良くも悪くも意外性の高い「ツッコミどころ」が枚挙に暇がないのだが、パサートオールトラックについては今の所大きなツッコミどころは見つかっていない。むしろ「ほほぉ〜、よく考えられてるのう」と感心するケースのほうが多い。
例えばパサートオールトラックのアイドリングストップ機能(最近は常にオフにしているが)について、通常は車両が完全停止する直前にエンジンが停止するのだが、ACCで渋滞時追従支援を使っている際には、逆に車両が完全停止して1〜2秒経ってからエンジンが停止する制御になっている。これは、前の車が極微速で止まるか止まらないかくらいの停止・再発進を繰り返すような場合の無駄なエンジン停止・再始動を避ける目的だと思われる。このような細部まで考えられたギミックに遭遇する度に、開発者の熱が伝わると共にこの車への愛着が深まっていく。
同じ様に感心するようなケースでも「なんでやねん!」となるか「よく考えられてるのう」となる差はどこから来るのかと考えてみたのだが、フォルクスワーゲンの場合は恐らく真っ直ぐ上方向に賢い(=スマート)のに対して、プジョーのそれは斜め上方向にぶっ飛んでいるためではないだろうか。あるいは常識に囚われていないと言っても良いかも知れない。
この点についてもどちらが良いのか明確に評価するのは難しい。欧州車のある暮らしというある意味「非日常」を楽しむ上では、プジョー車のような斜め上の良さ(あるいはトラブル)にツッコミを入れながら楽しむというのも魅力の一つであるし、微笑ましく愛着が湧く所以にもなる。しかし、その「ツッコミどころ」が「修理対応費用」に形を変えた場合、家庭内円満という観点から楽しんでばかりもいられない。※こんなことを言っている時点で頭の芯まで欧州車に毒されて(ry
もっとも、パサートオールトラックとの付き合いはまだ1年も経っていないわけで、今後どのようなツッコミどころが発見されるか分からない。継続して続報をお届けしていきたい。
SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (28mm, f/2.8, 1/800 sec, ISO100)
とはいえ共通点の多い2台:「ステーションワゴン」に通底する欧州車的世界観
さて、ここまでデザインとドライバビリティ、あるいは「ツッコミどころ」についての独仏の違いなどを並べてみたが、結局の所この2台の性格はかなり似通っている。即ち、家族で遠くまでバカンスに出かけるのに最高の相棒と言う点である。それもそのはず。筆者はプジョー308SWのそのような美点に惚れ込んでおり、その美点をさらに高い次元で叶えてくれる跡継ぎとして、パサートオールトラックを選んだのだから。
大きな荷室は旅行はもちろんキャンプやスキーの道具を余す所無く飲み込み、よほどでなければ積載に関して我慢を強いられることはない。コシと包み込み感の両立した快適なシートは、数百km程度のロングドライブで腰が音を上げる事はまずない。
そして何よりしなやかな脚と高い直進安定性はどこまででも走っていけそうな快適性と信頼感をもたらし、排気量の枠を超えた十分以上のパワーソースは高速道路の追い越しなどを呼吸する様に楽々とこなす。308SWに乗った友人は「これほんとに1.6L?」と驚いていた。
もちろんただ人と物を運ぶだけでなく、この優秀な足回りと程よく爽快なエンジンサウンドは、峠道ではニンマリとしてしまうようなFun to Driveを提供してくれる。これが無ければ台無しだ。
こんな欲張りな注文を叶えてくれるのがこの2台であり、従って9年目に入った308SWの維持費が嵩まなければ買い換えることも無かっただろうし、このような欲張り条件故に買い替え候補の検討には相当苦労したが、パサートオールトラックという車に出会ってようやく後を託せる跡継ぎが見つかったという訳だ。その検討の成り行きについては下記の記事で無駄に小説風にまとめているので寒波で外に出るのが億劫な方は暇つぶしにどうぞ。
で、困ったことに、本記事の趣旨に従って上で「プジョー車とフォルクスワーゲン車の違い」についてつらつらと述べてみたものの、結局の所「違い」よりも「ヨーロッパ車に共通するロングドライブ志向」という共通点の方をより強く感じてしまっているというのが正直なところなのだ。
そしてそれは、日本では絶滅危惧種となりつつある「ステーションワゴン」というボディタイプを今でも愛するヨーロッパの車づくりに通底する思想なのかも知れないな、などと感じている。ステーションワゴンを愛する人は間違いなく旅好きであろうし、車に求めることも似通ってくるのだろう。
さて困った。別に困る必要など無いのだが、とりあえずこの記事をどうまとめようか。
さいごに:フレンチ・エスプリとゲルマン魂が何たるかを語るにはまだ早い
何ともまあ尻すぼみな結論で恐縮の至りであるが、足掛け9年乗ったプジョーに対し、フォルクスワーゲンにはまだ9ヶ月しか乗っていないのであるからして仕方がないのだ。ただでさえコロナ禍で遠出の少ない1年だったし、まだ雪道だって走っていない。それに故障も一度もしていない。いや、別に故障して欲しいわけではないのだが・・・。
ということで、2020年はまだ引き継ぎ期間。これからまだまだフレンチ・エスプリとゲルマン魂の違いと共通性についてじっくりと楽しんでいきたいと思っている。せっかく「ドイツ車にも乗ってみたい!」と思ってこの車を選んだのに、そうそう簡単に楽しみが終わってしまっては堪ったものじゃない。年が明けて2021年以降のスルメのような味わいが楽しみである。
そして改めて、猫バス君ありがとう。パサオ君、来年からもよろしくな。
SONY ILCE-7M2, (50mm, f/1.8, 1/320 sec, ISO100)
余談:VINから愛車の出身地を知る
ところで冒頭で触れた通り筆者の308SWはフランスのソショーという町で生まれ、パサートオールトラックはドイツのエムデンという町で産声を上げたのだが、何故分かったのかと言うと、愛車の生産工場はVIN(Vehicle Identification Number:車台番号)で判別する事が出来るのだ。プジョーやフォルクスワーゲンの場合、VINの11桁目が生産工場を示しており、我が家のパサートオールトラックの場合「E」とあり、「Emden工場」である事が判る。アルファベットごとの工場名については他サイトで纏めていたりするので検索してみて頂きたい。
OLYMPUS E-M1MarkII, LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (15mm, f/5.6, 1/200 sec, ISO200)
[PR] 一括査定より簡単で安心オークション形式♪1回の査定で最大5,000社が愛車に最高金額提示!
コメント