新型シビックのデザイン深掘り&新旧比較 | 心ざわつかせる国産ファストバックの旗手はいかに生まれたか

心ざわつかせる国産ファストバックの旗手はいかに生まれたか

こんにちは。元ホンダGB250クラブマン乗りの10maxです。

新型(11代目)ホンダシビックの事が気になりすぎて今回もシビックの記事です。

これは中々珍奇なことでして、本ブログは色々な車の事を取り上げるブログではなく現在・過去の愛車であるパサートオールトラックや308SW、RX-8およびそのブランド(VW、プジョー、マツダ)の話題に閉じているのですが、いきなりホンダですよ。GB250クラブマンは本ブログに登場した事はあっても、四輪のホンダが登場するのはこの新型シビックの話題が初めてです。

つまりはこの11代目シビックに関して、それ程久々に「非常に魅力的かも知れない」感に襲われている訳です。その予兆については先日の記事で触れています。

「ジェネレーションZ」と共に美しい日本車の時代が来ているのかも知れない | 新型シビックハッチバックのデザインに心ざわめきつつ
こんにちは。プジョー、VWと欧州車を2台乗り継いでいる10maxです。 今日は次の車の話をします。といっても買い替えるのは子供達が高校卒業する頃なので6,7年後になりますが・・・ 車好きというのは、どんなに今の愛車が素晴らしくて...

上の記事の通り、新型シビックが非常に上質なデザインを纏って登場した背景には日本の若者層の嗜好の変化があるようなのですが、本記事では新型シビックハッチバックのエクステリアデザインそのものについて、何がそこまで心をざわつかせるのかを掘り下げてみたいと思います。

新型シビックハッチバック

新型シビックハッチバック(純正パーツ装着) 出典:GQ

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新型シビックハッチバックは細部ではなく全体的な造形で魅せる「上質ファストバック」

新型シビックのデザインはパーツパーツで見るとものすごく特徴的な何かがあると言う訳ではなく、むしろ現行FK型シビックと比べると地味で薄味になったと言っても過言では有りません。にも関わらず従来通りのスポーティさに加えて、今まで無かった優美な上質さをも醸し出すようになりました。

先代FKシビックから何がどう変わってこのスタイルが生まれたのか、新旧両方のシビックハッチバックを並べながら見ていきましょう。

新型シビックハッチバック デザイン エクステリア 外装

新型シビックハッチバック 出典:ホンダ公式HP

サイドは水平基調で落ち着いたプレスライン

まず大きく違うのはボディサイドのプレスラインです。現行FK型シビックではフロントからリアに向かってグッと急角度で上がっていくラインになっており、さらに後方へ向かうとリアフェンダーを囲むように緩いアールを描いてテールランプと繋がっており、躍動感やスポーティネスを表現しているのが分かります。

一方の新型シビックではより水平に近いプレスラインがスーッと引かれ、そのまま一直線にテールランプまで続いています。それに伴ってサイドウインドウ下端ラインも水平基調となり、後席のサイドウインドウ面積も大きくなり、リアクォーターガラスも設けられています。現行に比べると非常に安定感のある端正なデザインと言えます。

また、プレスライン自体もビシッと引き締まったクリーンでシャープな印象を与える造形になり、フォルクスワーゲンあたりの手法にも通じるものがあるな、と。

ホンダ シビック FK FC

先代FK型シビック 出典:モーターファン

新型シビックハッチバック デザイン エクステリア 外装

新型シビックハッチバック 出典:ホンダ公式HP

なお、ボディサイズとしては先代FKシビックと比べて全幅は変わらず、全長が30mm、ホイールベースが35mm伸び、全高は20mm低くなっており、所謂「ロング&ロー」となっています。このプロポーションの変更も、より落ち着いた安定感の方向に振っている事の表れと言えそうです。

さらに少し細部を見ていくと、このサイドのプレスラインの造形がそのままテールランプのサイドにも受け継がれてスーッと一体化していく辺り、とっても好きですね。実は現愛車のパサートオールトラックでも同じ様な手法が取られていて、好きなポイントだったりします^^

新型シビックハッチバック デザイン エクステリア 外装

新型シビックハッチバック 出典:ホンダ公式HP

パサートオールトラック 新型シビックハッチバック デザイン

SONY ILCE-7M2, TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) (63mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO100)
現愛車のフォルクスワーゲン・パサートオールトラック

余談:新型シビックのデザインはあの車から始まっていた?

このサイドビューですが、今回の新型シビックハッチバックに非常によく似た車がある事に気が付きました。並べてみます。

新型シビックハッチバック デザイン エクステリア 外装

新型シビックハッチバック 出典:ホンダ公式HP

アコード

謎の車「A」 出典:ホンダ公式HP

水平基調のプレスラインといい、下部のサイドスカート部の彫りがリアに向けて上がっていくデザインと言い、リアクォーターガラスの造形といい、実によく似ていると思いませんか?この謎の車「A」の正体、お分かりでしょうか。

はい、現行アコードですね(笑)

もちろんアコードは新型シビックよりも45cmも全長が長いので、シビックとはプレスラインのデザイン上の意図も異なるのかも知れませんが、少なくともこのアコードにも通じる水平基調のキャラクターラインを取り入れることで、より落ち着いた上質さを引き出す共に、従来のシビックより高い年齢層のユーザーを取り込もうという意図もあるのではないでしょうか。

はい、それは筆者です(笑)

フロント周りもより水平基調で落ち着いた顔つきに

フロントのライトとサイドのプレスラインの関係にも大きな変化が見られます。先代は躍動感あふれる「吊り目」で、目尻はフロントフェンダーの曲線に繋がるように上がっていき、フェンダーの後ろで一段下がったところからサイドのプレスラインが始まります。つまり、グリルから見ていくと、「低いところから、グッと上がって、もう一回下がって、もう一回リアに向かって上がっていく」という抑揚の強いデザインです。

一方新型シビックハッチバックは、グリルよりもヘッドライトの目尻が上がっていくという関係性は先代のものを継承しつつ、しかしライトの目尻への傾斜はより水平基調となり、ライトと平行に近い位置関係でサイドのプレスラインへと繋がるような、落ち着いたデザインになっている印象です。

ホンダ シビック FK FC

出典:レスポンス

新型シビックハッチバック デザイン エクステリア 外装

新型シビックハッチバック 出典:ホンダ公式HP

ただ、ではスポーティさや迫力が失われたかというとそんなことは決してありません。ヘッドライト上端と外側に鋭く走るLEDポジションランプはキリッとシャープな印象を与えます。またアダプティブ・ヘッドライトを備えるEXグレードではハイビームを3灯の中央に配置することで、黒い瞳に見えるような効果を狙っているとのこと。道路の先を力強く見つめているようで、とてもハンサムです。

ちなみにEXグレードでは、ハイビーム、ロービームに加え、ミドルビームを備えて緻密な制御を行うそう。ミドルビームとは新しい!

新型シビックハッチバック デザイン エクステリア 外装

新型シビック、ハイビーム非点灯時は黒目のように見える演出 出典:ホンダ公式HP

余談:ハッチバックとセダンでフロントノーズ形状を差異化している?

ところでちょっと気づいたんですが、下の画像を御覧下さい。こちら、新型シビックのセダンです。

新型シビックセダン フロント

出典:Yahoo!ニュース

グリルの上の鼻先の形が、ハッチバックとちょっと違いますよね?ハッチバックは先端で鋭角に折り返されて「H」ロゴが浮き出るようになっているのに対し、セダンでは緩やかな折返しで「H」ロゴと同じ面上にあります。中々芸の細かい事をしているようですね。個人的にはハッチバックのシャープな造形の方が好きです。

より伸びやかなリアセクションで「ファストバック」スタイルを得た新型シビック

さて、上で触れたサイドのキャラクターラインの変化により大きく影響を受けた部分があります。リアセクションです。

先代FKシビックではプレスラインが後方に行くに従って上に上がることで結果的にお尻の部分が腰高になり、テールランプの上端が上に上がり、ランプ自体の造形も大きなものになっています。同時にリアハッチの窓のサイズも上下方向に狭く、その名の通り非常にスポーティでホットなハッチバック的シルエットとなっています。

対する11代目の新型シビックハッチバックですが、現行とは逆にプレスラインがほぼ同じ高さを保ったままリアに到達するため、テールランプの位置は低く、より細身でシャープな造形のライトとなっています。同時にリアハッチはボディ後端に向けてスーッと低いところまで伸びる形となり、ハッチバックよりもずっと伸びやかなシルエットを身に纏うことになりました。つまりクーペライクな「ファストバック」の出来上がりです。

ホンダ シビック FK FC

先代FK型シビック 出典:ホンダ公式HP

新型シビックハッチバック デザイン エクステリア 外装

新型シビックハッチバック 出典:ホンダ公式HP

細部を見ていくとさらにファストバックとしての資質が見えてきます。リアハッチ自体も樹脂製とすることでヒンジのサイズや形状、位置を工夫する事が可能になり、凹凸の少ない艶のある形状を実現しています。

加えてそれは恐らくルーフが低くなる事による後席の居住性の低下を抑える事にも寄与していると思われます。何しろホイールベースを35mm長くすると同時に前席と後席の間隔も35mm伸ばしているとのことなので、当然頭上空間は不利になるはずですが、その問題をこのリアハッチの素材とヒンジ形状でカバーしているという事のようです。こうした深く考えられた工夫にはグッときますね^^

また、このリアウインドウの大きさ!どこかしらノスタルジックなスポーツカーの雰囲気も感じます。

新型シビックハッチバック デザイン エクステリア 外装

新型シビックハッチバック 出典:ホンダ公式HP

そしてテールランプは、従来通り「C」のモチーフを継承しつつもシャープで落ち着いたデザインとなっています。ファストバックにはこのスッキリしたテールランプの方が似合うでしょう。

かくして新型シビックハッチバックは上質ファストバックボディを手に入れた

まとめると、こう言う事が言えるのではないかと思うのです。

  • サイドのキャラクターラインは水平基調で大人しく
  • フロント周りも水平基調で大人しく
  • それによりテールランプ周りの造形も低くすっきり大人しく
  • テールゲートもツルッと大人しく

→でも気づいたら心ざわつかせるファストバックスタイルの出来上がり!!

つまり、部分部分を見ると先代FKシビックよりも地味で大人しい意匠へと変えたにも関わらず、それによって出来上がった全体の姿を見ると非常に上質で美しくもカッコいいファストバックになっていた、という訳です。

「いやいや、とどのつまり最初からファストバックスタイルにしたかったんでしょ?」と言われればそうかも知れませんが、躍動感あふれるホットなハッチバックというキャラクターを持った先代FKシビックからの変化という視点で考えると、実は結構チャレンジングな路線変更だったんじゃないかと想像されるのです。

それにより、従来のシビックとは違う層のハートをざわつかせる事になっていくのではと思います。例えば、筆者のことです。

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今まで有りそうで無かった国産ファストバックの旗手

新型シビックでも従来どおり「セダン(日本導入予定なし)」と「ハッチバック」の2種類のボディタイプが用意されますが、上記の通り「ハッチバック」と銘打たれたモデルはどちらかというと「ファストバック」と言うべきシルエットを身に纏っています。

で、この新型シビックハッチバックが筆者を含む一部の車好きをざわつかせる理由の一つとして、今まで有りそうで無かった「国産ファストバック」という分野を斬新にも切り拓こうとしているからでは、というのが有るような気がします。

「いや、ファストバックならマツダ3ハッチバックがあるじゃないか」というお話も有るかと思います。

しかしマツダ3ハッチバックは、個人的には限りなくハッチバックなのでは、と思うのです。素直に考えて、「マツダ3はアクセラ最終モデルからのモデルチェンジで従来のハッチバックスタイルから大きく路線を変えてきたな」という印象を持たなかったんですよね。もちろんその美しさは疑いようもありません。あくまでも「ボディタイプ」の話です。

マツダ3 ファストバック

この「ファストバックとハッチバックの違い」という話は非常に曖昧で、厳密な定義は無いと言って良いでしょう。なのでここでは話を分かりやすくするために、ファストバックの言い換えとしてしばしば用いられる「5ドアクーペ」という表現をしてみます。

5ドアクーペとも言い換えられるファストバックという意味では、筆者の知る限り現状では高価な輸入車にしか選択肢が無いように思います。

1960年代とかの話は置いておいて、最近ではメルセデスのCLS辺りが始めたトレンドではないでしょうか。

メルセデス CLS ファストバック

メルセデスベンツCLS

その後アウディのA5スポーツバックなど他のプレミアムブランドのモデルにも波及し、続いてフォルクスワーゲンやプジョーなどのノンプレミアムブランドも、アルテオンや508で参入してきました。

しかし、いかにフォルクスワーゲンやプジョーがノンプレミアムブランドとはいえ、ファストバックモデルはいずれもフラッグシップ。日本市場においては、508セダンでも500万円超、アルテオンに至っては600万円超スタートとなり、決して手軽な価格帯とは言えません。

プジョー508ファストバック

そこへ殴り込んできたのが11代目の新型シビックハッチバックという訳です。新型シビックの価格はまだ発表されていませんが、先代FKシビックはギリギリ200万円台スタート。高性能モデルのType-Rでも400万円台に収まっています。多少の価格上昇があったとしても、輸入車勢と比較すれば十分にお手頃感があります。

そしてもちろんそれ以前に大切なのは、欧州車と比べても遜色ない上質な内外装。

こういう車を待ち望んでいた人、結構多いんじゃないでしょうか。

はい、筆者です(笑)

2022年にはType-Rも

さらに2022年にはe:HEVとType-Rの発表が予告されています。新型シビックType-Rの予想画像もちらほら出てますが、この落ち着いたフォルムがType-Rになると実に上質なスポーツクーペが出来上がるような予感がして、非常に楽しみです。

新型シビック Type-R 予想イラスト

新型シビックType-R 予想イラスト

新型シビック Type-R 予想イラスト

新型シビックType-R 予想イラスト

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さいごに:「やるじゃん、ホンダ」

色々と御託を並べてきましたが、ちょっと冷静になってみます。

赤裸々に言えば、実は筆者個人としての「ざわつき」の原因は、ここ10年ほどプジョーやフォルクスワーゲンを乗り継いて欧州車に傾倒していたところに、この新型シビックを契機としてほぼ初めてホンダ車に興味が湧いた事なのかも知れません。箱型のミニバンや丸っこいSUVだけじゃないぞ、と。先日の記事で触れた通り、トヨタも日産も最近メキメキと質感を上げてきている。そしてホンダについては、ヴェゼルであり、このシビックです。ちゃんといい車作るんだな、と。

やるじゃん、ホンダ。

殆ど乗ってもいないくせに大変失礼な話ですね(笑)

でもこの発見にこそ、筆者の心はいい意味でざわついているのかも知れません。上であえて赤裸々な心情を吐露しましたが、それは逆に言えばそういう層をも振り向かせる魅力がこの新型シビックにはあるのでは、と思っているが故です。

楽しみがまた一つ増えました。早く実車にお目にかかりたいものです^^

新型シビックハッチバック ホンダ 2021

新型シビックハッチバック(純正パーツ装着)出典:Autosport web

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