こんにちは。プジョー、VWと欧州車を2台乗り継いでいる10maxです。
今日は次の車の話をします。といっても買い替えるのは子供達が高校卒業する頃なので6,7年後になりますが・・・
車好きというのは、どんなに今の愛車が素晴らしくても、別の車や新しい車の事がついつい気になってしまう生き物なのです。別に今の愛車と別れて新しい車をパートナーにしたい、と思っている訳ではなく、単に気になってしまう性なのです。
(誰ですか?上の文章の「車」や「愛車」をわざわざ「女」とか「彼女」に置き換えて読んでいるおせっかいな人は!!)
という事で単に今気になっている車についてのお話なのですが、実は今までと少し違うムーブメントが来ているような気がするので少しお話してみたいと思います。
今までは個人的に欧州車一辺倒だった
この段落、デザインという抽象的なものに関する完全に個人的な趣味嗜好に基づいている点を何卒ご了承下さいm(_ _)m
初めてのマイカーはマツダRX-8でしたが、その後プジョー308SW(T7)、そして現愛車のフォルクスワーゲン・パサートオールトラック(B8)と乗り継いできて、少し前までは「自分は今後も欧州車を乗り継いでいくんだろうな」と思っていました。
欧州車には日本車にはない魅力を感じています。艶があり全体の統一性が取れたエクステリアデザイン、質感が高くセンスの良いインテリア、スペックには現れない奥深い走行性能など、明確には言葉で言い表せないものの、車づくりに対する基本的なスタンスが違うのではないかと思わされるような魅力があります。特にデザインについて言えば、過剰な演出に頼っていおらず「カッコいい」と「美しい」が同居しているため、様々な年代やシチュエーションに合わせられる、という感覚があります。
対して日本車は、デザイン面ではどちらかと言うと面積の広いクローム等による押し出しの強さやメカメカしいスポーティさの演出など、やや「コテコテした格好良さ」という方向性が強く、若い年代には良くてもアラフォー以上の年代には少々勇気のいる車が多い印象でした。
例えば後でも触れるホンダシビックですが、現行のFK8、非常に格好いいと思うんです。クーペのような流れるような後半のルーフラインはとてもスポーティだし、ガンダムのようなメカニックな造形は男心をくすぐります。しかし、アラフォー以上がファミリーで乗り込むというシチュエーションを想像すると少々気がひけると言うか、単に「少し違うかな」という感じがするのです。格好いいとか格好悪いとかいうのとは全然違う話で、シチュエーションを選ぶ、あるいは、ハマるところにはハマるけれど守備範囲は狭め、という言い方も出来るかも知れません。
そのような状況で、マツダについては日本車の中で内外装の質感が頭1つか2つ抜けている、という評価が見られましたが、いずれにしても傾向としては、味が濃い目の日本車、すっきり質感の高い欧州車、というイメージが強く、個人的には後者の方が好みやライフステージに合っていたのです。
しかし、ここ最近、少し見方が変わってきました。理由は2つあります。
「MTに乗りたいなら日本車」になりつつある
時代に逆行しているようですが、個人的に次の愛車も内燃機関を選ぶ可能性はそれなりに高いと思っています。特に筆者のように遠出が多い場合、相当な技術的ブレークスルーが無い限りEVは現実的ではないと言うのと、個人的に車選びの要素として「サウンドが好みかどうか」が非常に大きなウェイトを占めているためです。その点EVやPHEVは少し味気ない。
そして「どうせ内燃機関を選ぶならMTに乗りたい」と最近思うようになりました。元々MTのRX-8に乗っていましたし、それ以前にはオートバイにも乗っていました。子供達が独立した後は細君も運転しなくなるのでいっそMTで思いっきり楽しもうかと。
しかし、そうなると欧州車は殆ど選択肢が無くなります。
少し前まではプジョーのGTi系やVWゴルフ、BMWミニなどいくつかの選択肢がありましたが、全て日本市場では選べなくなってしまいました。最後の望みであるルノー・メガーヌR.S.トロフィーも、次のモデルチェンジでMTが(日本向けに)残されるかどうかはかなり怪しいところです。
つまり、内燃機関モデルの縮小という時代の流れによって、欧州車×MTという組合わせは非常に現実味を失ってきつつあります。
しかし、これだけでは「本当は欧州車に乗りたいけどMTが無いから日本車で妥協する」という消極的な話にしかなりません。しかし、ここからが本題です。「今後は積極的に日本車を選びたくなるかも知れない」という予感をここ最近じわじわと感じつつあるのです。
※「いやいや、今でも積極的に日本車選べるだろ!」と突っ込みたい方には申し訳有りません。あくまでも「欧州車好き」という個人的な趣味嗜好を前提とした話である事をご了承下さい。
日本車のデザインセンスが「良いもの感」を醸しつつある
これです。
ここ最近、日本車メーカーのデザインの方向性がにわかに変わってきたな、と感じるようになりました。最初に「おっ?」と思ったのは2019年の現行カローラ辺りだったような気がします。特にステーションワゴン好きの筆者としては、今は日本車におけるの同カテゴリーが絶滅危惧種化する中で、カローラツーリングのすっきりと伸びやかな造形は心強く感じました。
また、ヴィッツ改めヤリスなんかも随分と垢抜けたなという印象です。あのデザインならプジョーやルノーなんかのコンパクトカー達と一緒に並んでいても全然違和感が無いんじゃないかと思います。MTかつAWDのGRヤリスなんて、個人的に今欲しい車の筆頭です。
その後、日産が底力を見せ始めました。印象に残っているのはEV用ブランニューモデルのアリアです。特にインパクトが強かったのはインテリア。凝った装飾がある訳ではないのに、全体として統一感の取れた上質感が期待できます。あのインテリアを見て、だいぶセンスが良くなったな、と。
マツダも、元々質感は国産車随一とは言われていたもののここしばらくマンネリ感が否定できませんでしたが、MX-30でだいぶいい意味でのチャレンジをして来ました。
何となく国内各メーカーとも、「良いもの感」を出してきてるな、と言うのが最近の印象です。あからさまには主張しないけれども、ちゃんと「良いものに囲まれてるな」って感じを出そうとしてる。やれば出来るじゃん、って感じです。
新型ホンダシビックの爽やかな内外装に心がざわついた
そしてホンダです。
最近のホンダ車のデザインにおける大きな地殻変動を挙げるとするなら、ヴェゼルでしょうか。最初に見た時「何が起こったの?」と思ったものです。いい意味で、ものすごく色々なものを削ぎ落としてきたな、と。若さと躍動感を押し出していた先代に比べて、非常にフラットで、かつノスタルジックな風合いも感じます。
そして、それに続いて登場したのが新型シビックです。筆者はこの新型シビックの写真を見た時にまず「ずいぶんと上質な造形になったな」と思い、そして次に「ああ、これなら我が家の車庫にも違和感なく納まるな」と感じたのです。つまり、若い世代に向けた先鋭なフォーカスは少し和らぎ、ヨーロッパ車的な落ち着いたカッコよさを手に入れたなと。
いや、控えめに言いすぎました。はっきり言うとかなり好きです。夜な夜な動画を見てしまう程度には心に刺さってきてます。
年齢層・シチュエーションを選ばず居心地の良さそうなインテリア
そして個人的にこの新型シビックで一番惹かれたのはインテリアなんですね。従来のシビックのインテリアはどちらかといえばヤンチャな雰囲気の、コックピット感の漂うものでした。それはそれで全然いいと思うのです。
一方新型シビックは大きく方向性を変えてきました。これは新型ヴェゼルにも共通しているのですが、ものすごく清楚ですっきりしていて、そして見るからに質感が高いなと。実車を見ないと分かりませんが。何度も言いますが、年齢やシチュエーションに関わらず「良いものに囲まれてる感」が楽しめそうです。
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一体新型シビックのこのデザインはどんなところから生まれてきたんだろう、と気になってたところに、まさにそれに答えてくれるインタビュー記事が出ました。本田技術研究所 デザインセンター オートモービルデザイン開発室 プロダクトデザインスタジオ アシスタントチーフエンジニアデザイナーの浅野一麿氏へのインタビューです(いや肩書き長っ(笑))。
こちらもちょっと長いですが、浅野さんの発言を引用します。
先代(シビック)はどちらかというとジェネレーションYの世代(1980年代前半から1990年代中頃までに生まれた世代)をターゲットにしたようなデザインでした。一方のジェネレーションZ(筆者注:1990年代半ばから2000年代前半に生まれた、生まれながらにしてインターネット環境で育った人たち)は、すごく特別感がありながらも、親しみやすくて、使い勝手が良くて、本質的なものを選ぶ世代だと考えています。
彼らの使っているようなものを色々見ていくと、すごくものが主張して、これを持っているんだ!というような、例えば時計や靴のブランドを見せていくような、そういう世界ではなく、本当に自分が美しくて、良いものだと思うものをチョイスするように変わってきているのです。(中略)時計を例に挙げれば、いかにもブランドが分かりやすいものがありますよね。でもそういう世界ではなく、凄くシンプルでカチッと出来ていて綺麗だけれど、すごく高いものを選んでいるわけでもなく。単純に「シンプルなデザインが良いよね」という観点で身に着けている。(中略)ブランドにこだわらずに、いろんな情報から知識を持ったうえで、良いモノをきちんとチョイスしていく人たちなのではないかなと思っています。出典:レスポンス:【ホンダ シビック 新型】“爽快”ではなく“Sokai”、新型のデザインは何を目指したのか…エクステリアデザイナー[インタビュー]
筆者はこれを読んで目から鱗が落ちると同時に少し驚きました。
あまりあからさまには主張しないけれど良いものに囲まれてる感、という雰囲気はこうしたデザインコンセプトから来ているのだな、というのは非常に納得感が得られると同時に、これが「日本市場の最新トレンドを追求した結果」であるという点はものすごく意外でした。てっきり欧州などの市場を意識して上質な方向にコンセプトを変えてきたものとばかり思っていたからです。
そこでちょっと頭をよぎったのがホンダeや最新のホンダフィットです。思えばこれらの車種も、方向性としては共通するものがあったのかも知れません。つまり「コッテリした格好良さから、主張は控えめだけど心地よい良いもの感」を狙ったのだとすれば思い当たる節があるデザインである気がします。
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ということで、新型ホンダシビックにはかなり興味津々です。いくつかのインプレッション動画では写真よりも実車の方がだいぶカッコよく見える、という話がありましたし、写真を見る限り特に心に刺さりまくっているインテリアの質感も早く確かめたい・・・。
動的質感も気になりますね。まずは1.5LターボにCVTと6MTの二本立てという事のようなので、筆者個人としてはMT狙いと言うことになりそうですが、そうなると2022年発表予定の新型シビックType-Rの存在が気になってきます。また、同じく2022年にはPHEVも登場するそうなので、そちらも気になります。
そして、ホンダシビックに限らず、もしこのような上質で良いもの感を醸し出すデザインが日本の新しい世代「ジェネレーションZ」の嗜好を反映したものだとしたなら、「ジェネレーションフリーで美しい日本車」の時代が幕を開けつつあるのかも知れない、などと期待してしまいます。
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