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α7Cを購入した理由 – α7 IV、α7 IIIと比較して辿り着いた結論

あけましておめでとうございます。10max(@10max)です。

何がおめでたいって、2022年が明けたのもおめでたいのですが、先日図らずもα7Cを購入しまして、本日記録的な大雪の中着弾した箱を開けたのがおめでたい、という話です。

「『図らずも』じゃないだろ!」というツッコミが入りそうですが、実は先日ソニーが半導体不足によりα7C含む数機種の新規注文受付停止を発表したため予定より早く駆け込んだ、というのは本当なのです。

α7C購入に当たってはα7 IVおよびα7 IIIと実に迷いまして、迷っている間に頭髪が全て抜け落ちるんじゃないかと思ったほどです。本記事ではα7 IVおよびα7 IIIを退けてα7Cを選んだ理由を詳しくご紹介することで、同じ様に迷っておられるの方の頭髪が抜けないよう・・・もとい、ご参考になれば幸いです。

なお、α7Cはその軽量コンパクトさ故に妥協している点もあります。別記事で、α7Cの「人によっては気になるかも知れない点」と「それらが筆者にとっては問題なかった理由」を別の記事でご紹介しています。ご自身の利用シーンや求めるものと照らし合わせて頂ければと思います。

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ちなみに、筆者はこれまでα7 IIとOM-D E-M1 Mark IIを使ってきました。

α7C α7II E-M1 Mark IIApple iPhone 12 Pro, (6mm, f/2, 1/40 sec, ISO800)

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α7 IVを見てから決めようと思っていた

さて、α7Cについては登場当時から非常に注目していました。もともと旅でカメラを持ち歩くことが多かった筆者は、カメラに「軽量コンパクトさ」を強く求める性癖があり、フォーサーズからデジイチ沼に足を踏み入れました。その様な中α7Cは、従来の「エントリー向けに妥協した小型軽量なフルサイズ」とは少し異なる、「小型軽量だけどちゃんと高性能なフルサイズ」という斬新なポジションで、実に魅力的だと感じていました。

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しかし、それでもすぐには購入しませんでした。それは、α7Cに続いて近い将来間違いなく「α7 IV」が登場することが分かっていたからです。それに、α7Cの小型軽量さは魅力的とは言え、α7 IIやα7 IIIクラスのサイズでも十分に小型軽量であり、かつα7Cにはその小ぶりなグリップを始めとして多少の妥協ポイントが存在したという事もあります。なので、α7 IVを見てから最終決断しよう、と思っていました。いやむしろ、α7 IVが想像通りの代物だったならば「α7 IVこそが本命だ」とすら思っていたのです・・・が、蓋を開けてみると少々事情は異なりました。

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では具体的に今回α7Cに白羽の矢を立てた理由を見ていきたいと思います。

α7C 外箱

Apple iPhone 12 Pro, (6mm, f/2, 1/50 sec, ISO640)
購入したのはシルバーなのだが箱にはブラックモデルが描かれていた

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α7 IVと比較してα7Cを選んだ理由

跳ね上がった価格

発売時の初値を見てみると、α7 IIIはα7 IIよりも少し上がったものの、それでも20万円強でした。しかし、α7 IVは一気に30万円の大台に乗ってきました。もっともこれは最終的にα7 IVを敬遠した理由ではなく、α7 IVが海外で正式発表された時点で既に懸念されていた事ですが、価格も一つのネックになった事は間違いありません。

本当はα7 IVが本当に(自分にとって)ベストフィットするモデルであればその投資も厭わないつもりだったのですが・・・

α7 IVは動体・動画・高画素化に力を入れている

これも最終的にα7 IVを選ばなかった決定的な理由ではないのですが、気になるポイントではありました。α7 IVの進化ポイントはざっくりまとめると以下の通りです。

α7 IVの進化ポイント
  • α1譲りの動体撮影時のAF性能
  • 動画撮影性能
  • 高画素化と、それでも十分なノイズ耐性とダイナミックレンジ

α7 IVの進化の内容などについて詳しくは下記の記事を御覧下さい。

【詳細比較】ソニー「α7 IV」「α7 III」「α7 II」- α7IIユーザー目線で次にどれを買うか真剣に悩む(静止画メイン)
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「いや、何が問題なんだ」「10maxは何を言ってるんだ」と突っ込まれそうですが、何を言っているのかと言うと、筆者が重視するのは静止画だし、動きモノはあまり撮らないし、画素数は2400万もあれば十分なんですよね。なので、上記の長所に対して30万円も払うというのは少々悩ましいなと。もちろん筆者の使い方でも今のα7 IIよりは格段に良くなるので、まあ清水の舞台から飛び降りてもいいかなあ、とは思っていたのですが・・・実機を見て触ったことが決定打となりました。

決定打:想像以上の大型化

さて、上記のように悩ましいところはあったものの、それでもですよ、従来のα7 IIIと同様のサイズ感であればいいかな、と思っていたんです。ところがどっこい、筆者が店頭で実機を持ってみたところ、かなり大きくなったな、と感じたのですよ。これまでの無印α7路線から、1クラス上の機種になったような印象でした。

言うまでもありませんが、これには個人差があります。「グリップが大きくなってホールドしやすくなった」というレビューも多いので、好ましく感じるユーザーも少なくないでしょう。ただ、冒頭でも触れた通り筆者は軽量コンパクト=性能の一つと考えており、元々マイクロフォーサーズ機を使っていたので、α7 II/IIIより更に一回り大きいボディは手に馴染みませんでした・・・そのうち慣れるかと思って4回店頭に足を運びましたが、最後まで馴染みませんでした。。。旅先やドライブ先でチョンとテーブルに置けるような感覚のサイズ感が欲しかったんですよね。その感覚でいうとα7 IIIですらやや大きいかな(でもギリギリOK)、と思っていたくらいなのです。

これが決定打となり、α7 IVへの思いは急速に冷めていったのでした・・・(もちろん、このサイズや価格が問題なければ文句のつけようのないモデルだと思います)。

ソニーα7 IV 実機のボディサイズは想像以上に大きかった - 良くも悪くもワンクラス上の印象
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α7 IV α7 III グリップ 比較 実機

Apple iPhone 12 Pro, (4.2mm, f/1.6, 1/120 sec, ISO40)
α7 IV + タムロンA036

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α7 IIIと比較してα7Cを選んだ理由(静止画メインなのに)

さて、そうすると残るはα7Cとα7 III。α7Cが如何にα7 III譲りの高性能をコンパクトに詰め込んだとは言え、それでも妥協している部分はあります。それに、多くのレビューで「静止画向けのα7 III、動画向けのα7C」と評されていることからも、静止画メインの筆者であればα7 IIIの方が良さそうな気もします。それでも今回結論としてα7Cを選んだ理由が3点あります。

「リアルタイムトラッキング」AFがどうしても欲しかった

「α7Cはα7 IIIの性能をコンパクトに詰め込んだものだ」とよく言われますが、しかしα7 IIIに対してα7Cが性能面で明らかに進化した点があります。それは、ずばりAF性能

α7CのAF性能の進化の内容を一言で言えば「α9譲りのAFアルゴリズムの搭載」と言うことになりますが、その中でも一番大きいのは「リアルタイムトラッキング」の採用です。「リアルタイムトラッキング」は、AIにより被写体の色や模様、距離、顔、瞳などを判別して捉え続けるもので、従来の「ロックオンAF(α7 IIIに搭載)」とは比較にならない程の粘りっこさで追尾し続けます。さらに、追尾中に被写体の向きが変わり、顔や瞳を検出した瞬間にAF枠が顔や瞳対応のものに切り替わります(実際に店頭で確認できました)。

リアルタイムトラッキング

出典:ソニー公式HP

α7C 特長 : 決定的瞬間を逃さないAF性能 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
ソニー デジタル一眼カメラα(アルファ) 公式ウェブサイト。デジタル一眼カメラα(アルファ)α7Cの商品ページ。α7Cの特長をご紹介いたします。

これ、実際に店頭で何度も試したんですが、動きものの撮影じゃなくても非常に大活躍してくれそうなんです。単なる静物でも、AFロックしてカメラを振るよりも精度の高いピント合わせが可能になりますし、例えば揺れる花の撮影などはAF-CはもちろんロックオンAFでも捉え続けるのは難しい被写体ですが、リアルタイムトラッキングならより確実に捉え続けてくれます。

また、スナップ撮影でも、動体撮影とは行かないまでも微妙に動く被写体は少なくありません。例えばアジアの屋台で麺を茹でるおばちゃんにピントを合わせ続けるような場合。おばちゃんだって顔の向きが変わったり厨房で微妙に動いたりするわけで、それを被写界深度の浅いフルサイズの大口径レンズで捉えようという際にはリアルタイムトラッキングが大活躍してくれます。

ということで、静止画・静物撮りメインユーザーであっても、リアルタイムトラッキングがあるだけでα7Cを激しく推せるのであります。

あとは細かい点ですが、暗所AF性能の向上も嬉しいですね(検出輝度範囲の下限はα7 III:EV-3 → α7C:EV-4)。

下の動画はα7Cのリアルタイムトラッキングを店頭で試した時のものです。これだけでは凄さを伝えきれないのですが、イメージだけでも。

バリアングルモニターが忘れられなかった

α7 IIIとα7Cのもう1つの大きな違いとして、背面液晶がチルト式(α7 III)かバリアングル式(α7C)か、というのがあります。筆者、フォーサーズのE-620時代から現在のOM-D E-M1 Mark IIに至るまでバリアングル液晶を愛でてきました。個人的に縦構図が結構好きで、そうなるとバリアングルでないとどうしても撮れない(ノールック以外では)シーンがあるんですよね。

なお、バリアングルにはバリアングルで短所もあるのですが、それは後述の通り問題ないと考えました。

α7Cの掌に乗るサイズ感が段々愛しくなってきた

上の方で触れた通り、α7Cのグリップはかなり浅く、そのホールド感は如何に軽量コンパクトフェチの筆者でも気になるポイントではありました。ところが、こうして何度か店頭で実機に触れるうちにそのサイズ感が妙にしっくり来るようになってきたんですよね。旅先でサッとカバンに出し入れしたり、レストランやカフェでテーブルに置いたり・・・といったシチュエーションを妄想すればするほど、α7Cのサイズ感が脳裏から離れなくなって来たのです。

まあこれは完全に個人的な好みなんですけどね・・・。

α7C FE 50mm F1.8 (SEL50F18F)

SONY ILCE-7M2, (61mm, f/5.6, 1/60 sec, ISO6400)
α7C + FE 50mm F1.8 (SEL50F18F)

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まとめ:α7Cは高性能AFと手軽なサイズ・価格のバランスが魅力だった

ということで、α7 IVやα7 IIIと言った並み居る競合(?)機種を押し退けてα7Cの購入を決断した理由を並べてきましたが、ざっくりおさらいするとこう言うことになるかと思います。

α7Cで幸せになれそうな人
  • α7 IVは価格、サイズ、動画などの性能がToo much
  • α7 IIIの操作系は妥協してもα7CのAF性能や軽量コンパクトさが欲しい(特にリアルタイムトラッキング)

つまり、α7 IIIはリアルタイムトラッキングAFが無い・・・かといってα7 IVはちょっと大きさと価格が・・・その中間点でちょうどよいバランスだったのがα7Cだったと言う訳です。

ただし、冒頭でも触れた通りα7Cはその軽量コンパクトさと引き換えに妥協している点もあり、人によっては気になるでしょう。それらは結論から言うと筆者的には問題にならなかったのですが、その件は別記事にて詳しくご紹介したいと思います。

以上、どこかのどなたかの参考になれば幸いです。

あ~、早くα7Cを持ち出したい!(でも寒い!!というか液晶保護フィルム買い忘れたので触るのおっかなくてまだ殆ど箱から出してない!ww)

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α7C タムロン28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)

SONY ILCE-7M2, (50mm, f/5.6, 1/50 sec, ISO6400)
α7C + タムロン28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)

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コメント

  1. hiddy より:

    TAMRONのレンズとα7Cの組み合わせは評価高いっすねー。
    広角で17-28mm F/2.8 Di III RXDを検討しているんですが、どう思います?(というか、ほぼ意中は決まっていますがw)

    • 10max より:

      どう思うも何も、財務的に許されるなら即買うよね。
      タムロンA036は広角弱いからその意味でも。
      もうね、17mm〜180mmまでタムロンのF2.8通しで揃えるのが夢よ(夢ちっさ)。